夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 瀬戸(B寝台)

1997年6月27日(金曜日)、 香川県高松出張を終えた自分は高松駅寝台特急「瀬戸」の据付入線を待っていた。新幹線接続乗換えルートなら(高松18:45「快速マリンライナー52号」19:41岡山20:12「のぞみ30号」23:24東京)何とか間に合うけど高松空港からだと最終便ANA640便が18:00離陸で20分前には登場手続き終了なので飛行機は間に合わないため、翌日は休日なので瀬戸のハネで寝て帰る事にした。9号車10番下段の寝台特急券を真っ先に確保し、夕飯駅弁の"讃岐五目ずし"(あなごめしは売り切れで残念無念)も購入してから讃岐うどんの立ち食いを食べて土産を求めて駅や駅前を徘徊する。

 

家族への銘菓や讃岐半生うどんを求めて高松駅9番線ホームへ入ると寝台特急「瀬戸」の入線(20:15)が始まるところだった。今夜の「瀬戸」は季節現車で9両編成だが先頭車両になる9号車に乗車すると下関運転所のオハネフ25-133で席に荷物を置いていつものように牽引機を確認しに行くと田端運転所のEF65-1114であった。帰り掛けに缶ビールを購入して車内に戻ると梅雨空の蒸し暑いホームと違って冷房が効いてて気持ちよい。スーツもネクタイもワイシャツも脱いで浴衣姿になって下段寝台の上にあぐらをかいて寛いでいると高松駅を定刻の20:37に発車した。

 

車掌の切符拝見が終ってから生うどんを小さく切って油で揚げて塩をかけたおかき(揚げ餅)みたいなツマミがビールによく合って美味く、2本目の缶ビールは讃岐五目ずしを食べながら飲んだが寿司飯の上に海老、コハダ、タコ、焼き穴子、鯖、胡瓜、椎茸などが盛り付けてあって美味い!!。列車は19分ほどで坂出(20:56-58)を発車すると現時点では自分がいるBOX(コンパートメント)には相席がまだ誰も来ていないが宇多津構内の短絡線を通り、宇多津駅は通過せずに瀬戸大橋線本四備讃線)に入る。夜だし外は雨が降っているため、窓ガラスに水滴が付着して外の景色は全く見えない。

 

しかし雨の中の夜汽車もシットリしていいなと思う・・・梅雨の時期だから仕方はないけど四季の夜行列車を楽しむのもオツであり、車内は涼しくて空いているので環境的には抜群である。9号車の前が牽引機なので時おり聞こえるEF65PFのホイッスルが聞こえるのもいい。瀬戸大橋を渡って本州に上陸すると児島(21:17-19)で2分停車するが高松運転所の乗務員から岡山電車区の乗務員に変わるのと無線の切替が行われる。茶屋町駅までは本四備讃線を通過して茶屋町からは宇野線だが、ちなみに高松~岡山間を瀬戸大橋線とも称する。

 

やがて列車は岡山駅(21:42-44)10番線ホームに到着すると乗り込む旅客が大勢並んでおり、前回上り「瀬戸」に乗ったのは1996年3月だが同じ様に岡山駅からの利用客が多かった事を思い出した。2分停車だが明日の朝に飲む甘くない缶ビターコーヒーをホームの自販機で購入すると同じ区画のBOXにも岡山からの乗客が乗り込んできた様である。岡山からは山陽本線に入り、快調に飛ばすが岡山駅からの利用が多いのは東京行き最終新幹線が20:12発と早いのが原因であろう?。中には寝台特急券も買わずに乗り込んで車掌に9号車まで連れて来られた客は最終新幹線乗り遅れ組だろうか。

 

まだマルスシステムが稼動している時間帯なのに切符を持たずに乗り込む客は少なくないようで前回仕事の帰りに上り「瀬戸」に乗った時も同じ様なケースの乗客を目撃しているので珍しくないらしい。今朝は東京6:00発「のぞみ1号」(500系)で早朝からの早立ち出張で睡眠不足なので早々とベッドにもぐろうと思う。途中停車駅と時刻は以下のとおり・・・姫路(22:49-51)・三ノ宮(23:37-38)・大阪(0:02-05)・岐阜*(2:10-11)・名古屋*(2:33-37)・浜松*(3:49-50)・静岡(4:45-46)・富士(5:13-13)・熱海(5:43-44)「*印は運転停車」。

 

目が覚めたら湯河原駅構内を走っていたので浴衣姿のままで通路側の折り畳み椅子に腰掛けながら昨夜岡山駅で買った生温くなった缶コーヒーを飲みながら相模湾の景色を楽しむ事にした。関東も梅雨空で雨こそ降っていないけどドン曇の天気だけど朝に相模湾の海が見れる上り東京行きの寝台特急の旅はいい。もう数え切れないほど見てる景色だけど特に真鶴~早川間から見れる相模湾の車窓は何度見ても飽きない。小田原を通過すると酒匂川橋梁(小田原~鴨宮)で富士山が見えるポイントがあるのだが梅雨空だと全く見えないかな~?の予想通り富士山らしき物は見えなくて終了。

 

仮に晴れていてもこの時期は雲が多いので富士山を望む事は難しいので致し方ないけどやはり富士山は冬季から早春が一番見える確率が高いので仕方ないかな?・・・なんて自分を納得させているのが何だかおかしくて笑ってしまう。御殿場線国府津電車区からの線路と交わると国府津駅を一瞬に通過して小田原市も終り、神奈川県中郡に入る(二宮駅大磯駅は中郡の駅である)。平塚駅を通過すると相模川(馬入川橋梁)を渡ってすぐに富士山が見えるポイントがあるけどやはり見えない。ちなみに平塚駅から東京近郊区間になり、国鉄時代の普通電車だと平塚から禁煙区間になったものだ。

 

湘南という地域イメージが一番似合う茅ヶ崎、辻堂、藤沢の各駅を通過するといよいよ大船駅の大カーブにかかり、大船駅も一瞬に通過すると大船の観音様も見えて横浜駅まではすぐの距離である。東海道本線京口唯一のトンネルである清水谷戸隧道を抜けると約4分で横浜(6:46-47)に到着。横浜を発車すると横須賀線(一部湘南新宿ライン)、京浜東北線、そして生麦まで京急線が並んで並走したりすれ違う様は鉄道ファンでなくても楽しめる区間だろう。そろそろ寝坊してた他の乗客も通路に出たり降りる仕度などでブルートレインの朝らしい新しい一日の朝が始まった。

 

僕の実家(現在はない)最寄り駅だった川崎駅を通過して六郷橋梁(多摩川)を渡れば東京都大田区である。品川駅を通過すると既に「出雲2号」と「銀河」は品川客車区へ入区しており、新橋手前から東京駅到着と乗り換えの長い車内放送が聞こえてきて上り寝台特急「瀬戸」の旅が、終わりである事を告げている。そうえばどこかで寝台特急「出雲4号」の回送1004列車とすれ違っているけど有楽町駅から東京駅の数多いポイントを渡って列車は定刻7:12に東京駅10番線ホームにすべり込んだ。

 

9号車なのを幸いに前に連結されたEF65-1114を見に行くと雨で洗われたのか「瀬戸」のヘッドマークは光っており、やっぱり瀬戸のマークは恰好いいなーと見惚れてしまったが梅雨晴れの休日にでも「瀬戸」の走行写真でも小田原以西で撮影したいものである。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★