夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 日本海1号(A1)

サンライズ瀬戸」の運転で廃止になった25形「瀬戸」に連結してたオロネ25-301・305の2両は下関車両センターから宮原運転所へ転属して1998年12月1日から寝台特急日本海1・4号」(4001レ・4004レ)に充当され、1号車に連結されるようになった。それを乗りに行こうと計画したのが今回の旅で都区内発の周遊きっぷ「青函ゾーン」を使い、"ゆき券"は都区内、東海道在来線経由の山科・湖西線北陸線信越線・信越線・新津・羽越線奥羽線経由の弘前まで。"かえり券"は「あけぼの」ルートで帰路は「あけぼの」ソロで決めたが一番のネックは"いき券"で東海道新幹線を使うと20%の割引率が大幅に減るので東京からは新幹線抜きの普通・快速乗り継ぎにしたが「こだま」くらい乗せろよといいたい。

 

1999年3月20日(土曜日)、 今日から勤労感謝の日を含めて3連休となるけど東京駅から東海道線の快速や普通列車を乗り継いで途中豊橋駅と京都駅で夕飯を買ってから大阪駅に到着したが別売り重複区間となる山科~大阪~山科は既に往復購入しておいた。大阪駅10番線の寝台特急日本海1号」・1号車乗車位置で待っていると宮原を17:02に発車した回4001レが塚本信号場や塚本駅経由の北方貨物線で大阪駅に17:12に到着。牽引機は敦賀運転派出のEF81-108でやはり青いブルートレインにはローズピンク(赤13号)の原色カラーがよく似合う。

 

発車35分前の入線とは嬉しくなるが1号車のオロネ25-301に乗り込み、3番シングルDXに荷物だけ置いて適当な個室磁気カードでロックしてから編成チェックでホームを徘徊して日本海ヘッドマークが付いたEF81を眺めていると初めて寝台特急日本海1号」に乗った1985年を思い出す。結婚して初めての国内長距離旅だったが急行「銀河」で京都観光をして大阪に移動してから寝台特急日本海1号」で青森まで乗車してレンタカーにて北東北を巡った旅だった。あれから14年も経過しており、随分月日が経過してしまったなと1号車3番に戻るが自分はオロネ25-300番台に乗るのは初めてである。

 

「瀬戸」「あかさぜ」は出張でよく乗ったけど出張旅費ではA個室なんて出る訳なくてオロネ25-300に乗る機会が無かった訳だが実際には「出雲3・2号」に連結してたオロネ14-300番台(現在は「あかつき」に連結)と同じで相違点は背摺り「モケット」の色くらいだろうか?。長かった35分停車を終え、5分前に発車した特急「スーパー雷鳥35号」の後を追って大阪駅を17:47に発車である。それにしてもA個室に乗るのも本当に久々で趣味用のPDA端末ザウルスで探ってみると1997年12月の「北斗星5号」以来でシングルDX利用は1996年6月の「あけぼの」以来という事になるが少しでも経費を抑えるための涙の努力だ。

 

列車は淀川を渡るとすぐに車掌が参上してきっぷ類を見せると個室カードキーとA個室専用のシャワーカードを頂くが、シャワーカードにも日本海の表記とテールマークが付いおり、アメニティグッズの中に入れておいた。列車は新大阪(17:51-52)を定時で発車したが「日本海1号」と言えば奥羽線での撮影で何回も撮影している被写体だが、全車宮原運転所の24系25形0番台と100番台の統一された編成美だったけど大阪駅ではオロネ25-300番台のゴールド帯車が、やや浮いてるように思えた。山崎~長岡京付近で日没時刻を迎えて京都(18:19-20)に到着。

 

山科駅から湖西線に入り、夕暮れの車窓を眺めつつ、車内販売で購入した缶ビールを飲みながら京都駅で買った萩の家の"とんかつお弁当"を食べる事にする。大きめのとんかつに千切りキャベツがメインにフライドポテトとミックスベジタブルに福神漬が付いて今時630円はお値打ちでビールと共に美味しく頂いた。湖西線近江塩津までは高速走行区間なので「日本海1号」も速度種別が特通客C1で健気に飛ばして敦賀(19:30-37)に到着。京都を「日本海1号」の19分後に発車した特急「雷鳥37号」を先行させるために7分停車するので牽引機でもあるEF81-108を眺めて自販機で缶ビールとお茶を買って車内に戻る。

 

敦賀を発車すると敦賀~南今庄間で長さ13,870mの北陸トンネルへ吸い込まれるが1972年11月に急行「きたぐに」が火災を起こして死者30人の犠牲者を出して電源分散式寝台車「14系14形寝台車」の増備が見送られたのは有名な話。暫くすると列車は速度を落として今庄(19:55)に運転停車するが特急「しらさぎ13号」の先行通過待ちであるが特急本数が多い、特急街道とも言われる北陸本線なので速度が遅い客車特急はどうしても退避する羽目になる。485系の先頭がボンネットクハ481の特急「しらさぎ13号」が一瞬に通過すると4001レ「日本海1号」も発車した。

 

1時間半前に京都駅のとんかつお弁当を食べたばかりだけど豊橋駅乗換で購入した壺屋弁当部・稲荷寿司に緑茶を飲みながら食べていると列車は福井(20:27-28)に到着。そういえば車掌のきっぷ拝見の際にA個室の予約状況を聞いたら今夜は満室との事だがまだ1室「調整用の部屋を含めると2室」が空いており、金沢駅富山駅くらいで埋まるのであろうか?。福井を発車すると26分で加賀温泉(20:54-21:00)に到着するが市販時刻表では加賀温泉駅は発車時刻のみしか記載してないけど実は特急「スーパー雷鳥39号」を先行させるために6分停車する。幹線を走る寝台特急でこれだけ停車時分が多いのも稀だ。

 

機関車交換とかなら分かるけど流石に特急街道である・・・なんて1人ほくそ笑みながらホームを歩いて騒音を奏でているカニ24-106の前に連結してあるEF81を眺めてから車内に戻ると本日最後の特急先行となる「スーパー雷鳥39号」が先に発車してから2分後に「日本海1号」も発車である。6分停車なら改札を出た売店で家族への加賀銘菓でも買えた可能性もあるけど「日本海」に乗る機会も少ないので趣味的活動を選んでしまった。加賀百万石・石川県の県庁所在地駅でもある金沢(21:33-35)に到着するとシングルデラックスが全て埋まって自分も寝る準備に入る。

 

以降は就寝中の停車駅と時刻・・・高岡(22:05-06)・富山(22:21-22)・魚津(22:41-41)・糸魚川(23:21-21)・直江津(23:50-52)・新津(1:22-29)・鶴岡(3:31-31)酒田(3:55-58)・羽後本荘(4:54-54)。目が覚めたら列車が秋田(5:34-36)へ進入するところだったが日の出時刻9分前で外は既に明るくなっていた。貴重な2分停車なので自販機で缶のビターコーヒーを購入すると流石に外は寒いけど雪は少なめである。個室でまったりと缶コーヒーを飲みながら車窓を眺めていると八郎潟が見えてきたが今日は天気がよさそうだ。そういえば自宅のPCで作成した「日本海1号」の時間を印刷したのを眺めて疑問に思った件。

 

それは長岡駅が0:46通過になってる事で下り「あけぼの」でさえ営業停車(1:38-43)しているのに約1時間早い「日本海1号」が通過になってる事が解せない。新潟第二の都市と言われている長岡市の駅だけど帰宅後に国鉄時代の時刻表を見ても通過になっていた。東能代(6:25-25)に停車すると当駅から「日本海1号」は一部号車が立ち席特急券で乗れる"ヒルネ"区間となる。鶴形くらいから山間部のために雪の量が、やや多いように思えるけど二ツ井駅の手前で米代川を渡って鷹ノ巣(6:50-51)に到着した。鷹ノ巣陸奥の小京都として有名だが戦後初めて女性車掌・運転士を起用した秋田内陸縦貫鉄道も人気である。

 

糠沢駅~早口駅間で大館市に入り、僕の朝食が待つ大館(7:10-11)に到着する前に弁当とお茶の代金を確認して1号車デッキで待つと係員と目が合い、現金を渡してレジ袋に入った現物を引き取る。花善鶏めしは出来た手ての熱々で個室に戻って早速頂く事にしたが作りたては美味さが違う。すっかり満足して食べ終わると列車は積雪が増えた矢立峠から県境となる陣場津軽湯の沢間で秋田県から青森県へと入り、大鰐温泉(7:39-39)を発車すると弘前(7:51-52)に到着した。函館に到着したらどこに行くかまだ決めてなかったので時刻表を眺めながら「青函ゾーン」で行ける森駅まで行ってみるか?

 

大釈迦鶴ヶ坂津軽新城ブルトレ撮影地を確認して滝内信号場を通過すると津軽線の線路と合流して青森(8:25-51)に到着。大阪から遥々牽引してきたEF81-108が離れて今夜の4002レまで運用休止となり、青森止まりの25形客車も外されて先頭には青函運転区のED79-11「A106」が連結されて「日本海1号」も5両(電源車を含むと6両)とコンパクトになる。青森駅での26分停車ではホーム売店で現地でないと買えない果汁100%のシャイニーりんごジュースを買ってカニ24-106のテールマークを眺めて車内に戻った。青い海と白い波に日本海の文字のコントラストが美しい。

 

ただ機関車に付いてるヘッドマークの絵に描かれてる洋上の星が無いのが笑えるけど所定時刻で「日本海1号」は進む方向を変えて発車した。津軽線に入ると新油川信号場(8:59-9:00)の運転停車で高速貨物3058レとのすれ違いを済まし、奥内駅の先から右手に陸奥湾の海が近づいてきた。「日本海1号」の良さは個室の窓から陸奥湾江差線だと津軽海峡函館湾が見える事で「北斗星5号」の個室からだと見えない景色が見えるのが特徴だ。今度は郷沢(9:14-15)で1010M「はつかり10号」とすれ違うための運転停車する。

 

郷沢駅から更に陸奥湾に近付いて蟹田駅の手前から海とは分かれて内陸を走り、新中小国信号場からは複線の高速軌道に入り大小幾つかのトンネルを通過すると青函隧道に進入した。途中の竜飛海底駅吉岡海底駅を通過して青函トンネル出口に続く第一湯の里トンネルを出ると北の台地の地上に出た。数分で知内駅「現湯の里知内信号場」を通過して木古内(10:32-33)に滑り込んだが1014M「はつかり14号」と停車ざまにすれ違った。木古内駅を出て暫く走ると待望の津軽海峡が見えてきたが江差線内は現車6・換算23の割には遅く走る様で現車12・換算45の「北斗星」と大差ない速度だ。

 

茂辺地駅の先からは函館湾の車窓に変わり、列車の速度が、落ちると上磯(11:03-07)に運転停車して3124レ「快速海峡14号」とすれ違う、終着駅に近いのに運転停車するのはどうかと思うけど単線区間のつらいところ!。北斗星5号のお手軽撮影地でもある清川口久根別の大野川橋梁を渡って列車は七重浜駅を通過すると函館本線と合流して五稜郭駅を通過して終着駅函館には11:20に到着した。距離1183.9km、運行時間17時間33分の旅だったけど14年ぶりに乗った「日本海1号」には充分に満足出来た寝台特急の旅でした。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★