夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

Twilight Express(SA2)前編

【プロローグ】1997年はゴールデンウィーク後半に往復「はやぶさ」と「富士」の全区間乗車を含む南九州エリアの温泉宿泊旅行で我家の財政は赤字に転じたが夏は往復寝台特急で同じく温泉宿2泊を含む、豪華家族旅行を計画していた。1994年6月8日に息子には祖父母(僕の両親と留守番させて夫婦で下り「トワイライトエクスプレス」のそれも展望スイートに乗って来て子供が羨ましがったものである。それ以来子供からトワイライトに乗りたいと請願されたのであるが息子も小学生5年生となり、そろそろ家族で旅行も終わりの時期かと思って息子の夢を叶える事にする。

 

日程は会社の夏季休暇前半4連休である7/26から7/29の4連休に7/25を年次休暇取得した5連休、出発日は7/25に決めて難問の指定券はJR西日本勤務の知り合いにコネを使って頼んで自分でも10時打ちやJR北海道プラザ東京店にも早期の予約をしていたが自己手配は全滅。二日くらいしてJR西日本勤務の知り合いから電話が来て1号車のSA2は無理だよと言われていたが1号車1番のSA2を補助ベッドプラスで取れたよと明るい声が受話器から聞こえた。数年後に日本旅行JR西日本傘下に入るとツアー申し込みでないと下りトワイライトの展望SA2は通常枠から外されて予約は難しくなってしまう。すぐに振替口座に代金を振り込むと後日、証明付き書留郵便で指定券が送られて来た。

 

乗車券はレール&レンタカーを使い行きも帰りも乗車券2割引なので往路は都区内~東海道線~山科~湖西線北陸線信越線~羽越線奥羽線~青森~津軽海峡線五稜郭函館本線室蘭線千歳線~札幌市内。帰路は札幌市内~千歳線室蘭線~函館線~五稜郭津軽海峡線~青森~東北本線~都区内で山科~大阪往復は別途購入。往路の新幹線「ひかり」もレール&レンタカーの特典で1割引で購入するがこんなマニアックなレール&レンタカーを受けてもらえるか心配だったけどすんなり受け付けてもらえた。出発は東京8:03発の新大阪行き「ひかり207号」でスタートした。

 

1997年7月25日(金曜日)、 大阪駅10番線で家族3名にて札幌行き臨時寝台特急「Twilight Express」の入線を遅しとワクワクしながら待っていた。やがて宮原客車区から北方貨物線経由で塚本駅側から「Twilight Express」の回送列車が11:36に敦賀運転派出のEF81-44に牽引されて入線。早速スロネフ25-503(第三編成でした)に乗り込み1号車1番に荷物を置いて北斗星のカードキーで鍵を閉めてから停車時間が24分間もあるので展望スイートの前で記念撮影(駅員氏にシャッターを押してもらう)を行い、更に機関車の前でも記念撮影してSA2に戻ると他の乗客らしい人が展望車の前で記念撮影をしていた。

 

大勢の人に見送られて旅立つのは恥ずかしいけど隠れてコソコソするのも嫌なので展望窓に家族3名並んで10番線ホームの人々に手を振りながら大阪駅ホームを眺めているとトワイライトの展望SA2指定券を取ってくれた知り合いがこちらをチラっと確認していたのを私は見逃さなかった。淀川を渡ると新大阪(12:05-09)に到着して4分停車だが新大阪でも注目を浴びてしまい、柄にもなく照れてしまうが息子は平気で手を大きく振ってて親として恥ずかしい。新大阪発車と同時にダイナープレヤデスのチーフがウェルカムドリンク注文に翌朝の朝食予約に来る。

 

さらにトワイライトエクスプレス厨房で作ったらしいお茶込み1500円の弁当を売り込んできたが確かに最初は厨房で弁当を手作りしてたが数年前から金沢駅積み込みの大友桜の弁当(上りは五稜郭駅積み込み・函館みかどの北の駅弁屋さん)になってるので丁重に断わった。入替わりに大阪車掌区のレチがニコニコしながら切符拝見と部屋説明に来た個室カードキーとスイート客限定の記念乗車証明書を頂いたので空白の場所に車掌のサインを頂いた。車掌が戻るとすぐにダイナープレヤデスのチーフが注文した白ワイン2本とおつまみセットに子供用のオレンジジュースを持って来てくれた。

 

高槻駅付近では上りトワイトエクスプレスの8002列車とすれ違い、子供がカメラで撮影するけど残念ながら間に合わず悔しがる事しかり。京都総合運転所(旧向日町運転所)の脇を通過、新しく生まれ変わった京都駅(12:36-37)に停車して山科から湖西線に入る。今回はディナーは予算の都合でパス。いくらなんでも小学校5年生にフレンチディナーは早過ぎるのでランチとモーニングは食堂車で食べようという事になった。嫁とウェルカムドリンクのワインで乾杯していると車窓に琵琶湖が見えてきたが車内放送でランチタイムの案内が流れると3号車のダイナープレヤデス(スシ24-3)へ移動する。

 

2000年以降のトワイライト・ランチメニューは多くのメニューがあったけど1997年はビーフシチュー、ビーフカレー、ミックスサンド、スパゲッティボロネーズ、スパゲッティカルボナール、ミックスピザと飲み物くらいしかないけど息子がビーフシチューを推すのでビーフシチューランチを3人前注文するが北斗星のパブタイムで食べたビーフシチューとは別物で価格が張るだけあって流石に美味かった。鳩原ループ線を進み敦賀駅(13:40-46)に近付いているので自分だけ席を立ち、ダイナープレヤデス・スタッフにトイレに行くのでコーヒーは戻ってからお願いしますと断わり移動する。

 

トイレは大嘘で2週間前に駅弁4個を列車に積み込む敦賀駅の駅弁会社塩荘さんへ代金支払いと現物受け取りを済まして弁当は個室に置いてすぐにダイナープレヤデスに戻ると1972年に急行「きたぐに」が、火災を起こした北陸トンネルを通過。家族と落ち合い嫁が「首尾は上手く行った」と聞いて来たので指でOKサインを送る。因みに7分停車した敦賀駅は特急「しらさぎ7号」の先行だけど「トワイライト・エクスプレス」は今庄(14:05-10)の運転停車にて特急「サンダーバード」を先行させた。大阪駅を発車して2時間少々が経過したけど息子は展望車の窓淵に腰掛けて飽きないようです。

 

そうえいば僕と息子は「Twilight Express」に乗ってすぐにトワイライト・オリジナルTシャツ(1994年6月8日に乗車した時のJR西日本車内限定グッズ)を着て大阪駅ホームや車内を動いたため、目立ってしまい検札の際もダイナープレヤデス・ランチの時も恥ずかしかったけどバカ親子振りを発揮していた。福井(13:37-37)を発車すると息子もそろそろ展望風景眺めに飽きて来たみたいなので子供を連れて(嫁はパス)4号車のラウンジカー・サロンデュノール(オハ25-553)へ行くと注目を浴びて恥ずかしい事。Tシャツは子供だけに着させればよかったが後の祭りである。

 

ラウンジカーは家族連れが中心だが、車掌から聞いた話ではA個室(SA2/SA1)は中年や年配のご夫婦が殆どだと聞いているが子供はサロンデュノールの大きな窓から流れる景色に夢中でそろそろ金沢駅到着なので1号車1番の我家に戻ると嫁が展望窓の桟に座って流れる景色を見つめていた。やがて列車は金沢(15:30-32)に入線するが、ダイヤを眺めても特急に追い越される訳ではなく、車内予約の夕食用プレヤデス弁当の積み込みなのであろう。列車は津幡駅を定時に通過すると石川県と富山県の県境にある倶利伽羅峠を越え速度が鈍って来る。倶利伽羅峠の戦いという源平合戦でも有名な地だ 。

 

実際に県境は倶利伽羅隧道の中なのでどの位置が県境か不明瞭だが無事富山県側に入り周囲が開けた富山平野の高岡(16:04-04)に停車。高岡を発車すると庄川を渡り、高山本線のレールが近付くと神通川を渡ると"ますのすし"や"ぶりのすし"で有名な富山(16:20-20)に到着した。そろそろ東の方から空の色がいい色に変わり、トワイライトタイムに近付いているが7月下旬は日没時刻が遅くて海沿いに太陽が沈む落陽が見れるか微妙な感じでもあるが今のところは快晴なので周囲に海のない、長岡~新津間でトワイライトタイムを迎えそうだ(苦笑)。

 

Twilight Express(SA2)前編はここまで、続きの後編は来週UPします

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★