夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 瀬戸(B寝台)  

1998年1月20日(火曜日)、 新年最初の出張は香川県高松市になったが9時からの会議や打ち合わせ時間に間に合わせるため、始発便のANA631便では高松空港着が、8:50で空港から出張先までタクシーで急いでも到底間に合わないので寝台特急「瀬戸」の世話になる事にする。寝台特急券と乗車券は勤務時間中にびゅーカードで購入して当日は19時まで残業して職場近くの中華飯店で飲みながら夕飯を済ませて東京駅へ向かった。東京駅から下り「瀬戸」に乗るのは数年ぶりだと思うが東京駅10番線ホームに移動するとちょうど瀬戸が入線するところだった。

 

今宵の「瀬戸」は季節減車されて9両編成、早速禁煙車の通常マルス売りでは最後の方に発売する9号車に乗車するとオハネフ25-153(下関地域鉄道部・下関車両管理室)に乗り込み、指定された下段に鞄を置いて機関車を見に行くと田端所のEF65-1111に瀬戸のヘッドマークが付いた凛々しい姿を見るが、285系サンライズが開業すると25形「瀬戸」と14系の「出雲3・2号」は廃止になるので大好きな瀬戸の機関車ヘッドマークが、見れるのも約半年間で下り「瀬戸」に乗るものこれが最後になるかも知れない?。夕飯時に中瓶ビールを2本飲んだけど車内は暖房が効いてるので缶ビールを売店で購入して車内に戻った。

 

流石に9号車は10%くらいしか乗客が乗ってないので空気輸送に近いけど東京駅を20:50に発車すると丸の内、日比谷、新橋界隈や浜松町界隈にあるオフィスビルや雑居ビルの夜景を見ながら缶ビールを飲みながら車内で寛ぐ。1003列車(出雲3号)の東京駅送り込み回送とすれ違い、すぐに車掌が巡回して来て寝台特急券と乗車券を渡すと列車は品川駅を一瞬に通過。我が9号車、オハネフ25-153の車端部分にある展望エリアで後に流れる景色を眺めながら暫し寛ぐが横浜駅(21:15-16)から自分へ戻るけど13番下段・上段14番上段には誰も乗って来ない。

 

自分にとって寝台特急「瀬戸」は生まれて初めて乗った(1977年10月8日)ブルートレインなので思い入れが強くてヘッドマークも好きな列車であるので285系サンライズ化になる事で数種類の個室も増えるし、利用する側としてのバリエーションも増えるので喜ばしい事なのだが9列車と10列車が事実上の廃止に追い込まれる事がどうも許せない感じがしており、285系サンライズ化を喜べなかった。そんな心の閊えが取れないまま今回の出張があり、今回の乗車で心の決別を済まして来る筈であった。

 

寝台に横になって自分なりの答えというか最後の乗車になってしまう可能性も高いので1977年に初めて乗ってから個人的な四国旅行(この時は宇野駅までの利用だった)や出張やその帰りにも利用した過去を思い出しながら過去の想い出から結論を見出そうと努力するが思い入れがある列車が消えてしまう事実以外に結論も出ないまま寝台特急瀬戸は熱海に到着した(22:24-26)。自分は早々に寝てしまったけど普段、旅先では夢は見ないのだがどんな夢をみたのかは時間経過で分からず残念ながら記憶さえ残ってない。

 

就寝中の停車駅と発車時刻は以下の通り・・・富士(22:56-57)・静岡(23:23-25)・浜松(0:22-24)・名古屋<1:39-42>・米原<2:41-42>・大阪<4:05-08>「<  >は運転停車」・姫路(5:19-21)・岡山(6:28-30)。7時間半以上寝てる筈だけど夢を見てたのか285系サンライズ化へ腑に落ちないまま寝れなかったのか定かではないけどすっきりしない朝を迎えた。6:30に岡山駅を発車した寝台特急「瀬戸」は宇野線宇野みなと線瀬戸大橋線)に入線して茶屋町まで走ると瀬戸大橋線本四備讃線)に進路をとり、植松駅木見駅上の町駅を通過してJR西日本JR四国の会社境界駅となっており、会社境界標は宇多津駅方の場内信号機付近にある。

 

暫くすると高架線になり、児島駅(6:52-54)で2分停車するが、信号保安装置と輸送指令の周波数チャンネル切換に要している時間でもあるけど児島駅を発車すると瀬戸中央自動車道に吸収されて高速道路の下を走るようにして岡山県倉敷市下津井田ノ浦1丁目あたりから瀬戸内海の海上に出た。瀬戸大橋最初の島となる櫃石島香川県坂出市櫃石)を渡って行くシーンを岡山駅で買った缶コーヒーを飲みながらまったりする。岩黒島、羽佐島、与島などを渡ると四国本土に上陸した。列車は宇多津駅短絡線経由から坂出方面へ向かう。

 

本四備讃線でも予讃線でもある坂出(7:14-16)に到着するが次が高松駅なのでトイレへ行ったり下車準備しながら待っていると線路が増えて本四備讃線予讃線高徳線の線路が交わると高松駅も近く、名物讃岐うどん屋のお店も増えて街にビルが増えて来ると香川県の県庁所在地がある高松市高松駅9番線ホームに定刻7:35に到着した。最後尾のオハネフ25のテールマークを眺めてEF65PFに付けてあるヘッドマークをホームから眺めるとやはり瀬戸のマークは恰好いい。結局自分の答えは出せずに廃止になる前にもう1回乗らないとなんて考えながら駅近くの讃岐うどん屋でうどんの朝食を食べてからタクシー乗り場へと消えた。

 

       ★★★★★Memories of the night train★★★★★