夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 あけぼの(B1)

1998年11月11日(水曜日)、突然決まった青森県弘前市への出張だが、弘前へは10時くらいまでに行けばいいので明日の羽田空港発「7:40」から青森空港「8:40」まで行く始発のJAS211便でも充分だけど青森空港から弘前バスターミナルまで弘南バスの空港連絡バスで60分かかるけど寝台特急「あけぼの」の弘前駅到着(9:45)と大差ないので後者を選んで20:30まで残業して「あけぼの」Bソロと乗車券を購入してから上野駅へ向かった。上野駅15番線の5号車乗車位置に到着したのは「あけぼの」入線5分前で待つ時間も殆どないまま21:20に推進運転で回送2021列車が入線。

 

扉が開くと同時に5号車に乗り込むとオハネ24-554で19番の1階部屋だが日本海が見える進行方向左側の個室で壁に背中をもたれて進行方向に向かう景色を見ても二階部屋へ行く階段の突起物が足元側に行くベストな部屋に当ったのがラッキーであった。部屋に荷物を置いて暗証番号式の個室施錠をしてから先頭の機関車確認へ向かうが長岡運転所のEF81-139が連結されており、9両現車だと機関車までの移動が楽で本当に助かる。ツララ付きの厳しいフェイスを眺めてからホーム売店で缶ビールを購入してから車内に戻ると発車時刻が近付いて21:41に上野駅を発車して北へ向かう。

 

井堀信号場手前では「はくつる」24系25形が推進回送発車準備中で尾久客車区には本日最終のブルートレインとなる「北陸」の14系寝台車が出区待機中であった。早速浴衣に着替えると車掌の切符確認も終ったので早速缶ビールと枝豆を取り出して喉を潤した後に牛肉弁当(定番のチキン弁当は売り切れ)を別の缶ビールで流し終わった。下りあけぼのに乗るのは1997年10月以来だけどその時は開放B寝台だったので上越線-羽越線経由の下りあけぼの・ソロに乗るのは初めてである。列車は大宮(22:06-07)を発車すると高崎線へ入り、速度が増す。

 

大宮駅発車時点では「あけぼの」の3分前を新特急「高崎ホームタウン1号」が先行しているのだが途中に上尾・桶川・北本・鴻巣・熊谷・深谷・本庄に停車するため、途中で寝台特急「あけぼの」の速度が落ちるかと危惧したけど185系は最高時速110㎞で運転しているのか「あけぼの」は順調に運転しているので今夜はこの辺で寝る事にしよう。以降は就寝中の停車駅と時刻「*印は運転停車」・・・高崎(23:13-16)・水上*(0:06-19)・長岡*(1:38-43)・新津*(2:20-28)・村上(3:22-23)・あつみ温泉(4:10-11)・鶴岡(4:37-41)・余目(4:55-55)・酒田(5:08-10)・遊佐(5:21-21)・象潟(5:45-45)・仁賀保(5:55-56)・羽後本荘(6:09-09)。

 

目が覚めたら羽後亀田駅を走行中で羽後亀田の先から~二古信号場の先まで待望の日本海ビーチが見えて来た。桂根駅から日本海から遠ざかって新屋駅を通過して雄物川橋梁を渡り、羽後牛島駅を通過すると奥羽線の線路が、近いづいてくると秋田(6:49-7:02)に到着。13分停車なので朝食の弁当探しに出かけるけど「あけぼの」が到着してるホームは牛めしと秋田こまち弁当しかないので既に始発の新幹線こまち10号が6:12に発車してるので新幹線改札方面近くへ行くと秋限定の「わっぱ舞茸弁当」を見つけて購入。ホーム売店で微糖缶コーヒーとお茶を求めてから5号車の個室に戻った。

 

秋田を発車すると追分駅先で男鹿線の線路と別れ、大清水信号場「2013.9.27廃止」(7:20-23)に停車すると普通2624Mと交換するが、羽越線奥羽線(秋田~青森)は単線区間が多いため、上下列車の交換が可能な駅間に距離があると信号場を設けてる。余談だが駅間が日本一長い南千歳~新得間は駅が8個なのに信号場は17個もあるのには笑えてしまう。そして八郎潟(7:37-38)に停車して1624Mと交換後に発車すると左側に八郎潟の大規模稲作田園を見ながら秋田駅で買った「わっぱ舞茸弁当」を食べていると森岳(7:56-8:02)に到着して大阪行き特急「白鳥」の通過待ちを行う。

 

少し待つと京都総合運転所の原色485系9両が通過すると我が「あけぼの」も発車して五能線の線路が近付くと東能代(8:13-14)に到着するが昔に比べて五能線の列車本数が大幅に減ってる。初めて五能線乗った1976年は旧客の客レも走っていたけど始発から終点まで走る列車も多かったが1998年現在では全区間を走る定期列車は下りの2523Dのみ。東能代を発車すると1990年から1996年くらいまで下り寝台特急日本海1号」「あけぼの」「日本海3号」急行「あおもり」の撮影で何回も訪れている富根二ツ井の撮影地を通過して二ツ井(8:28-29)に到着。

 

朝起きてから沿線の車窓を見てきたが流石に11月12日ともなれば地上の紅葉も殆ど終っており、せめてあと2~3週間早ければ紅葉を眺める事が出来たのだろうけど出張の旅なのでこればかりは自分の都合で日程は組めないから仕方ないけど列車は鷹ノ巣(8:40-41)に入線した。秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線のホームには8:54発の急行「もりよし1号」が停車していたがホームには"日本初の女性運転士が登場"の横断幕が揺れているけど実際には日本初の女性運転士は戦時下の1944年10月1日が最初である。やがて列車は米代川沿いに走り、大館(8:59-9:01)へ入線した。

 

ホームには大館名物比内地鶏を使った花善とりめし販売人が立売りをしている姿を目撃すると購入したい心境に駆られるがあと45分で下車駅の弘前駅に到着するから諦める。2分停車を利用して自販機にて微糖缶コーヒーを買って車内に戻って窓の景色を眺めながらコーヒーを味わっているとED75-700が牽引していた「日本海」や「あけぼの」を幾度もなく撮影した事がある白沢~陣場のコンクリート橋(下内川橋梁)を進むと矢立峠の県境(陣場津軽湯の沢)を矢立隧道で越えると碇ヶ関(9:23-24)に到着。まだ早いけど下車の準備だけ済ましておくと列車は大鰐温泉(9:32-32)へ滑り込んだ。

 

いよいよ次の停車駅が目的の下車駅であるのでネクタイを締めてスーツの上着に袖を通していると石川駅を通過すると田園風景から急に市街地の様相に変わって人口が増えると街の中心部へ入り、弘南鉄道弘南線の線路が近付くと弘前へ定時9:45に到着した。ホームに降りると11月上旬なので肌寒いくらいでコートがあってもおかしくない気温だったけど改札を出てタクシー乗り場から目的地の企業へ向かった。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★