夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 あけぼの(B1)

1996年2月11日(日曜日)、奥羽線での急行「はまなす」の延長運転など2日間の撮影を終えて大館駅上野駅の上り寝台特急「あけぼの」の入線を待っていた。19:16に南秋田運転所のED75-726に牽引されて入線すると早速扉が開くと同時に9号車のオハネ24-553へ乗り込んで指定された狭いソロ個室(9号車7番)へ落ち着く。「あけぼの」の個室は何回乗っても狭くて慣れないのだがそもそも「あけぼの」の定員28室は詰め過ぎではないかと思う。北斗星1・2号のオールソロは17部屋、富士やはやぶさのソロが18室、北陸のオールソロでさえ、20室なのにやはり「あけぼの」ソロの28室は納得いかない。

 

大館を19:17に発車するとすぐに車掌が来たので特急寝台個室券と株主優待で購入した乗車券を見せて夕飯にする。夕飯は大館駅前の花善が閉店する直前に買った「鶏めし」弁当とホームで購入した500mlの缶ビールで済ませるが何せ狭いあけぼの・ソロはビール飲みながら弁当食べるのも大変である。あけぼの・ソロに乗るのは1995年10月27日以来約3ヶ月振りだけど1階がいいのか2階がいいのか、いまだにハッキリよく判っていない。総合的には2階の方が好評みたいだけど酒飲みにとってよくトイレに行くから2階ソロだと寝台ベッドを畳んで下の扉まで歩いて行くのが面倒である。

 

2階の方が眺めはいいけど走行時間中が殆ど日没時間中なのでその点は気にしていないが列車は鷹ノ巣(19:35-35)・東能代(20:00-01)に停車して大館駅の鶏めしを美味しく食べ終わり、ビールも飲み終わると八郎潟(20:27-27)に到着した。こんなに狭い個室なら普通のB寝台開放にして帰路の寝台特急券も株主優待割引(個室は株主優待割引対象外)で安く乗った方がよかったかなと後悔してると秋田駅(20:52-54)に到着。そうえいば上り「あけぼの」・秋田駅停車時間も年々短くなりなり、4~5分が3分になって遂に2分停車のみになってしまった。

 

ホームの自販機で缶コーヒーのショート缶を買って個室に戻ると「あけぼの」は秋田駅を定発して自分も浴衣姿に着替えてベッドを作り、背もたれに寄りかかりながら本日の撮影データーを手帳に書き写してから寝具を敷いて横になりながら今日一日の出来事を回想していた。一番印象に残ったのは大館駅で上り「あけぼの」の入線を待っていた時に先頭のED75が雪ダルマ状態になって正面に大量の雪を付けて入線した時の事。青森県から秋田県の県境であり、峠もあって雪が深い碇ヶ関津軽湯の沢陣場~白沢の区間を走行中に付着したのであろう。

 

スノープロウからヘッドマーク部分まで雪がべったり付着してスノープロウは雪の塊になっていたのは凄かった。そういうシーンに憧れて寒いのは嫌いなのに撮影に向かうのは冬の鉄路の浪漫なのだと思う。昔は機関車の屋根から噴出す暖房用の蒸気や客車から漏れてる暖房用蒸気を見ながらこれこそ冬の鉄道浪漫を感じていたが走行写真でそれらを描くのは難しくて雪国の鉄路へ憧れる様になったのである。寝台特急「あけぼの」は大曲(21:38-39)・横手(21:57-58)と停車するが昨夜はK君のデリカ車中泊で朝6時には撮影で活動したし、今日も雪中行軍で多いに疲れたので早寝としよう。

 

狭い個室も寝てしまえば同じで2階個室に比べて1階個室は揺れないのでいいかもしれない・・・以下は就寝中の停車駅と発時刻。十文字(22:08-08)・湯沢(22:16-16)・新庄(23:14-26)・宇都宮(4:53-54)。0時前にトイレで起きたけど1号車まで歩けば陸羽東線のDE10重連・機次(次ソ)ナンバーくらい確認出来たけど9号車から1号車まで行ってまた戻るのも面倒なので用を済ませて個室に戻っている。朝目覚めたのが5時半頃で7時間以上寝たのですこぶる気分がいいので1号車まで機関車確認へ行くと田端運転所のEF81-78が健気に横揺れしながら現車12・換算44.5を速度種別:特通客C3で牽引している。

 

まだ夜明け前の大宮(6:04-05)に到着すると自分も下車準備に取り掛かり、荒川を渡った頃から空が少し明るくなってきたけど関東圏独特の冬らしい天気で今日も1日晴天になりそうな予感がする。尾久客車区と田端運転所の脇を通過すると回送12列車(はくつるの推進回送)とすれ違い、地平ホームへ降りる坂道を下っていくと6:30、時刻通りに上野駅15番線ホームに寝台特急「あけぼの」は滑り込んだ。先頭まで歩くとEF81-78の正面に雪の付着はなく、台車部分が少しだけ白くなっていただった。

 

          ★★★★★Memories of the night train★★★★★