夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 北斗星2号(B1)

1998年6月5日(金曜日)、千歳市内での出張を終えて南千歳駅寝台特急北斗星2号」を待っていた。札幌駅まで戻ってから「北斗星2号」に乗る時間はあったのだけど南千歳~札幌間往復運賃が1620円なのでグランシャリオの朝めし代に回して特急寝台個室券は札幌駅から買っておいたが予定通り南千歳駅から乗る事にした。夕飯の駅弁と冷えた缶ビールを買って北斗星の5号車乗車口に並んでいると千歳駅方面からライトをギンギンに輝かせた「北斗星2号」が函館運転所のDD51重連総括(1141+1093)「A106+A102」に牽引されて17:47に入線。

 

扉が開くと5号車のオハネ25-551に乗り込み指定された4番個室に乗り込むと1階の個室でラッキーだったが、南千歳を17:48に発車した。すぐに札幌車掌所の車掌がやってきて寝台個室券と往復きっぷの復路を呈示して自由な時間となる。買った缶ビールとツマミのソフト鮭トバを出して早速飲み始める。沼ノ端~植苗の撮影地で有名な大カーブや陸橋アングルを通過するとやがて苫小牧(18:08-09に到着した。流石に金曜日の週休二日制に於ける連休前夜だけあって9号車にも何名かが乗り込んで発車した。もう1本のサッポロクラシックを空けて南千歳駅で購入した日高路という寿司の駅弁を肴にする。

 

前にも書いていると思うが日高路は生を酢でしめたシシャモの押し寿司とハモを蒲焼風に焼いた押し寿司のセットで600円。昨年の苫小牧出張の帰りに翌日土曜日で北斗星に乗車した際にも購入してるお気に入りの駅弁だがビールのおつまみに美味しく頂きました。かなり太陽も低くなり、列車は登別(18:40-41)を発車すると富浦界隈の海岸線沿いを走って鷲別機関区に停めてあるDD51やDF50を眺めながら東室蘭(18:55-57)に到着。今日に日没時刻は19:09なので黄金~稀府のカーブ区間でちょうど落陽を拝めるかなと期待しているといい具合に太陽が海に没してベストタイミングだった。

 

北舟岡駅を通過した頃にはまだ周囲は明るかったけど伊達紋別(19:17-17)を到着した時には少しずつ暗くなったけどまだ外の景色は見れる状態である。しかし洞爺(19:29-30)を発車した時点で闇の世界が近付き、豊浦~大岸~礼文の海岸線沿いは陸と海の差が判別できないくらいに黒い夜になったけど夜行列車らしくてこれはこれで味わいがある。秘境駅(1998年当時は秘境駅という言葉はなく、一部の鉄道ファンからは超辺鄙駅と呼ばれていた)の小幌駅を一瞬に通過し、長万部(20:01-01)に到着。トイレの帰りに車内販売と遭遇したので缶ビールを購入。

 

南千歳駅で購入したサーモン寿司(スモークサーモンの押寿し)を肴に3本目となるサッポロクラシックを飲んでいると北海道にいる幸せを感じながら美味しく完食すると列車は八雲(20:25-25)に到着して外は見えないけど落部野田生辺りを走ってるようだ。S字カーブ続きの線形に短い橋梁(野田生川と落部川)を渡り、駅を通過するとすぐに国道5号線沿いのセイコーマートセブンイレブンで確認後に森(20:53-53)に到着。砂原線の線路と分かれると姫川駅の先まで急勾配と急カーブ連続で先頭のDD51重連はフルスロットルで力行しているのだろうが流石に音までは聞こえない。

 

駒ヶ岳越えを終ると夜で見えない大沼の湖畔沿いを走り、大沼公園駅を通過して大沼駅も一瞬に掠めるように通過。1978年くらいに大沼から大沼公園まで行くのにちょうど普通列車がない時間帯で1km離れただけなので犬走りを歩いてたら突然下り貨物が来て驚いた事があるけどこの区間を走ると当時の思い出が蘇る。仁山駅の先で函館の街夜景が望めるポイントでは100万ドルの夜景と遠くの沖合いで操業するイカ釣り船の灯りが、見えてやっぱり夜行列車の旅はいいな~っと心の隙間が埋まったようでもあった。五稜郭駅の手前で江差線と合流すると函館(21:40-46)に到着。

 

ホームのよつば乳業自販機で紙パック牛乳を買ってED79を見に行くと青函運転区の14号機「A102仕業」が、連結されてる姿を確認するとED79側面に「ドラえもん海底列車」のキャラクターイラストが描かれていた。これは青函トンネル開業10周年記念のイベントだと記憶しているが快速「海峡」のED79限定運用の筈だけど繁忙期の変臨運用時期でもないのに思案しながら5号車の個室に戻って牛乳を飲んでいると函館駅を発車。江差線に入り、七重浜から木古内まで最高速度が75km/hまで落ちるが、渡島当別駅を通過すると札幌駅を発車してちょうど5時間が経過した。

 

少し早いが寝てしまおう・・・以降は就寝中の停車駅と時刻「*は運転停車」。泉沢*(22:20-21)・蟹田*(23:38-40)・青森(0:05-13)・盛岡*(2:38-40)・仙台(4:49-51)・福島(5:50-52)。目が覚めたら福島駅に停車中ですぐに発車したけど今朝も6時半からの1番飯の和朝食狙いで起床して歯磨きや洗面を終らせてロビー室の7号車よりで待機する。今朝は2番目だったけどattendantに呼ばれて席について和朝食と食後の珈琲も注文すると郡山(6:31-33)を発車した。熱々の緑茶を飲みながらほっこり待つと和朝食が運ばれて来た。今朝は和朝食がすぐに売り切れたのでSA1やA2へのルームサービスもあるのかも知れない。

 

流石に2日連続の和朝食Grand Chariotだと感動は薄いけど本日も美味しく頂いて別会計の珈琲も飲み終わって会計を済ませて5号車に戻るが1号車の一番前に移動して展望可能な窓から牽引機を確認すると田端運転所のEF81-78で78が牽引する「北斗星」久々に見た。どうも78号機は安中貨物や常磐貨物など貨物を牽くシーンが多いイメージなのだが私の思い込みであろうか?。交流(20kV「50Hz」)から直流(1.5kV)へのデットセクションがある黒磯駅を7:18に通過すると黒磯駅西部直流機留置線にSuper Express Rainbow色に変わったEF65-1118が停まっていたが実車を見たのは始めてである。

 

色ガマには興味はないけどEF65-1019に比べてイマイチだな~と思ったのが実感でパンタがPS22B、ナンバープレートをステンレスエッチング加工や通風孔の廃止など撮り鉄からすると機関車の魅力が欠けたのは事実だ。宝積寺~氏家、蒲須坂~片岡、片岡~矢板などの上り「北斗星」の撮影地が多い界隈を通過すると列車は宇都宮(7:56-58)に到着するといよいよ首都圏内に突入。先頭のEF81は最後の乗務員交代が終わって水田が美しい栃木県と埼玉県を走り、大宮(8:54-56)に到着した。

 

次は終着駅上野駅なので下車準備をするが今回は家族へのお土産が多くて銘菓だけでも「雪鶴」「サーモンサブレ」他で手提げ袋がパンパンである。荒川橋梁を渡って埼玉県川口市から東京都北区へ入り、いよいよ終着駅の上野駅が近付いてきた。長かった16時間の旅も終わりであるがやはり早く自宅へ急ぎたい気持ちと心残りな気持ちがちょうど50%ずつで北斗星に乗り始めて10年経過してるのにこんな気持ちになるなんて不思議だ。尾久駅と井堀信号場の横を通過すると所定時刻どおりの9:21に上野駅14番線ホームへ滑り込んだ。流石に東京の6月は蒸し暑く現実に引き戻された感じがした。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★