夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 エルム(B寝台)

1996年8月1日(木曜日)、 上野駅13番線ホームで臨時寝台特急「エルム」の入線を待っていた。実は7月中旬には函館出張が決まっており、前回(1993年9月)の時と同じく羽田7:00発のANA 851便でも函館空港に到着するのが8:20でそこからタクシーで出張先の会社に着くのは9時を越えるか越えないかの微妙な時間帯なので今回も夏臨「エルム」の世話になって指定券だけは早期に入手しておいた。エルムは7/26~8/30の設定で24系25形9両+カニ1両の合計10両編成で9号車の禁煙車に下段を見つけてキープしておいた。

 

当日は18時に会社を出て上野駅に到着後夕飯のチキン弁当を買ってから13番線に入るとちょうと「北斗星5号」が入線するところだった。実はエルムの指定券を購入した時に「北斗星5号」の開放B寝台なら取れたのだが函館到着が6:34と早すぎたので1時間後に函館到着する「エルム」にしたがエルムでさえ、函館到着が早いのである。「北斗星5号」が発車した8分後の19:11に「エルム(8007レ)」が入線したので1号車の乗車目標位置で待っていると扉が開いたので1号車のオハネフ25-5に乗車、荷物を寝台に置いて停車時間12分間では9両前の機関車確認は断念(無駄な汗はかきたくないだけ)。

 

真夏なのでビールも生温くなるので発車5分前に缶ビールと枝豆を購入して1号車2番下段で発車を待つと19:23上野駅を定時発車したので1本目の缶ビールは枝豆で飲んで2本目の缶ビールはチキン弁当を食べながら飲んだけど食堂車や車内販売は無いので弁当購入して乗ってるお客の多い事。1号車でネクタイして乗ってるのは自分だけなので恥ずかしくなるが早々に浴衣へ着替えて寛ぐ事にする。上野駅発車時点で3分前に前方を走る特別快速3547M(上野~大宮各駅停車)の影響で北斗星5号の様に快調に飛ばせない様である(定期列車を優先する臨時列車のつらいところ)。

 

大宮(19:50-50)を発車すると1号車の乗車率も90%を越えて微かに空席(空き寝台)が残るのみであるが我が1号車には25形0番台なので寝台側も大きな窓ガラスで車窓を眺めるには最適な車両でもある。それにしても「エルム」に乗るのは久々で3年振りの乗車だが本来北海道方面には個室も食堂車もある「北斗星」に乗る事が多いのでわざわざ函館到着が「北斗星5号」より遅い「エルム」に乗るのは特異なのかも知れない。大宮駅からは特別快速3547Mの4分後を「エルム」が追いかけるが大宮~小山間の久喜と古河以外は通過なのに宇都宮まで快速3547Mが抜けない臨時だけど寝台特急とは思えないダイヤ設定になっているのが笑える。

 

時間はまだ21時前だけど明日の朝は早いのでもう寝ちゃおうかと思いたくなるが「エルム」では行く所もないので寝るに限るのかも知れないが寝台に横になって明日の仕事について考えていたら宇都宮(21:00-01)に到着してそのまま寝てしまった様だ。以降は就寝時間の停車駅と時刻・・・福島(23:01-03)・仙台(0:01-03)・青森(4:44-51)、他に黒磯・仙台・一ノ関・盛岡に運転停車。結局7時間以上は寝れたけど起床したのは青森駅発車4分前で1号車の車端・展望区画へ行くと青函運転所のED79-10の後姿が見えたが青森駅ホーム自販機で購入した甘くない缶コーヒーを飲みながらまったり。

 

すっかり日の出時刻を過ぎた青森駅を発車した「エルム」は滝内信号所から奥羽線津軽線に分かれて単線区間が中心の津軽線に入ると対向列車とのすれ違いで運転停車を繰り返しながら先を進むが臨時列車のツライところ。奥内駅では202列車こと上り急行「はまなす」と交換のため、運転停車中沢駅では上り高速貨物3054列車退避で運転停車郷沢駅では上り高速貨物3098列車退避で運転停車蟹田駅では上り高速貨物3088列車退避で運転停車

 

新中小国信号所から三厩方面の津軽線と分かれて高速運転に移ると青函隧道に入り、竜飛海底駅吉岡海底駅を通過すると青函隧道出口に続く第一湯の里トンネルを出ると黒い闇の世界から北海道の地上に出た。知内駅(現湯の里知内信号場)を通過して木古内から単線区間江差線に入ると渡島当別駅で上り高速貨物3058列車退避で運転停車、更に上磯か久根別でも上り貨物とのすれ違い交換の運転停車が続いたけどいよいよ自分が下車する駅でもある函館駅(7:35-8:02)が近付く。

 

五稜郭駅を通過して函館駅へ定時で到着すると駅のホームでは駅弁のワゴン販売が並んで更にホームの立ち食い蕎麦屋からは湯気が立ち上り早朝ではなくて朝である事を否が応にも伝わってくる。朝から蕎麦でもいいがせっかく函館に来たのだから駅前の朝市食堂で贅沢な朝ごはん(きくよ食堂の巴丼)を食べてからタクシーで仕事先に向かう。  

                         ★★★★★Memories of the night train★★★★★