夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 北斗星2号(B1)

1996年11月29日(金曜日)、 出張で苫小牧市へ着ており、翌日休日なのと今回の出張日程と予定は早期に日程組んでいたため、「北斗星2号」ソロは東京駅・地下中央口改札に近い「JR北海道プラザ東京支店」に早期予約していた。下り北斗星で森駅や南千歳駅(旧千歳空港駅)で降りた事はあるけど上り北斗星を途中駅から乗車するのは今回が初めてである。昼食は社食の軽めなランチだったのでホームの売店でサーモン寿司(700円)と日高路(600円)とクラシック350ml缶ビールを2本購入して苫小牧駅2番線ホームで待っていると17:47にハイビームの全光状態で入線したので機関車番号は不明未確認。

 

5号車の扉が開いてオハネ25-551に乗り込むと車内の暖房が暖かくて本当に助かるが6番の1階ソロに荷物を置いていると17:48に苫小牧を発車して早々、車掌が登場すると乗車券と特急・B寝台券を確認すると「ご乗車ありがとうございます」と慇懃に挨拶して他の個室へ行ったので日高路(酢でしめた生のシシャモの押し寿司と焼いたハモの焼きアナゴ風の押し寿司セット)でサッポロクラシックビールを飲みながら寛ぐ。車窓は真っ暗で(苫小牧市の日没時刻は16:02)景色は見えないので帰路が飛行機と北斗星との差額を算出してみた。

 

苫小牧~上野間の運賃13,180+特急寝台券9,270=(a22,450円)、苫小牧~新千歳空港運賃1,020+加算運賃140+航空運賃23,850+モノレール460+JR浜松町~東京150=(b25,620円)で差額が3,170円もJR北斗星経由の方が安いとはビックリ(苫小牧~南千歳を特急「北斗」や「スーパー北斗」を使えば更に金額が増える。少なくとも明日の朝食代と北斗星を乗る前に買った苫小牧駅2種の寿司駅弁がチャラになって370円余るのは大きい。なんてセコい計算をしていたら列車は登別(18:40-41)に到着、久々の北斗星ソロ1人旅だが子供と一緒だとデュエットやロイヤル利用が多いので1人単身でのソロは久々。

 

暇なのでロビー室へ遊びに行くとスハネ25-501で一番端(自販機の近く)のソファー区画が空いていたので座っていると隣のご夫婦から「出張ですか?」と声がかかる。フルムーン夫婦グリーンパスというJR全線のグリーン車やB寝台2人用B個室・デュエットが乗り放題切符で和歌山の白浜温泉の旅の途中との事で僕が苫小牧駅ホームで待っているスーツの上にコートを羽織った僕の姿目撃したそうである。列車は東室蘭(18:55-57)を発車して待望の非電化区間へ入るが外は真っ暗、絵鞆半島を結んで工事中であった白鳥大橋の吊橋部分と主塔上部にパイロットランプが点灯しているので車内からでも分かる。

 

隣のご夫婦の話によれば道内最大規模(全長1.38km・海面からの高さ140m)で通行料無料の自動車専用道になるとの由。白浜温泉へ向かうご夫婦と別れて5号車ソロに戻ると列車は黄金~稀府~北舟岡の海岸沿いを走るが8月までなら夕日が列車に当っていい塩梅なのだが流石に11月下旬ではソロの室内灯を全て切っても真っ暗である。日本で一番渚のある海岸から近い駅で有名な北舟岡駅を一瞬に通過して伊達紋別(19:17-17)に到着。苫小牧駅で購入したサーモン寿司がまだ残っているのだがパブタイム行かないならもう少し待って、パブタイムへ行くなら今食べちゃおうかと思案?。

 

結局冷えたビールと一緒にサーモン寿司を食べていたら洞爺(19:30-30)に到着、車内放送ではディナータイム第2回目のオープニング案内が始まったところだったが列車はこの先、風光明媚な海岸が続く、豊浦・大岸・礼文の各駅を通過するけどこの時期は漆黒の闇が支配するだけである。お腹が満たされると眠気が来るのは困るけど今朝は羽田空港7時の飛行機で出張へ行くために朝5時起きだったので長万部(20:01-01)を発車するとパブタイム開始までまだ1時間以上あるため、ベッドに横になったのがいけなかった。すっかり寝てしまい、八雲(20:25-25)・森(20:53-53)・函館(21:40-46)は夢の中である。

 

結局目が覚めたら江差線釜谷泉沢を走行中で"やってもうた状態"で楽しみにしていたパブタイムには参加できずに残念な結果になってしまったが2個目に食べたサーモン寿司とロビー室の自販機で購入したクラシック缶ビールで空腹感はなかった。トイレで用を足して浴衣姿に着替えて個室の照明を落として再び寝に入ったが青函隧道に入ったのは記憶していたけどそのまま吸い込まれるように就寝した様だ。以下は就寝中の停車駅と時刻・・・青森(0:05-13)・八戸*(1:21-21)・盛岡*(2:38-40)・仙台(4:49-51)「*=運転停車」起きたのは藤田駅手前だったが洗顔と歯磨きをしていると福島(5:50-52)に入線した。

 

急いで着替えて6号車ロビー室の7号車よりに並んで暫く待っているとグランシャリオのスタッフが呼んでくれて2人用のテーブルに座って和朝食をオーダーすると列車は郡山(6:31-33)に到着。何とか限定10食?(A個室へのルームサービスがあったので実際は限定7食だったらしい)にありついて別会計のコーヒーも注文して満足。会計を済ませて1号車の車端展望エリアまで牽引機を確認しに行くと田端運転所のEF81-98号機( 🌠ガマ)が車体を揺らしならが懸命に牽いていた。個室に戻ると宇都宮(7:56-58)到着なので荷物の整理をして下車準備を行う。

 

8月に息子と行った北海道旅行でお土産は大量に買ったので今回は苫小牧銘菓の「よいとまけ」と「チーズタルト」のみだが、経費節減である。車内販売のコーヒーを飲みながらマッタリしていると上り北斗星の有名撮影地でもあるクリコガ(栗橋~古河)、ワシクリ(東鷲宮~栗橋)、ヒガハス(東大宮~蓮田)を通過するといよいよ大宮(8:54-56)へ到着した。今回の出張の帰りに乗った「北斗星」だったがパブタイムは寝てしまって参加出来なかったのが心残りだったけど色々と楽しめてよかった。なんて考えていたら列車は荒川を渡って東京都に入り、まもなく終着駅の上野である。

 

赤羽駅くらいから先行電車の860M(伊勢崎発上野行き・高崎線普通電車)が遅延している様で「北斗星2号」も速度が上がらない。結局2分遅れで尾久駅を通過して9:23に終着駅の上野駅14番線ホームに到着。片道850キロを越える夜行列車の旅は1996年最後の旅となった。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★