夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

ワイド・ミニ周遊券さようなら

想い出夜行列車レポートが8週間連続して続いたので今回は夜行列車の旅でお世話になったので今回は1998年4月1日付けで廃止されてしまったワイド周遊券・ミニ周遊券の話でも書こうと思います。均一周遊券と呼ばれていたのは1970年台までで、それ以降はワイド周遊券として時刻表にも紹介されていました。初めてワイド周遊券を使用したのは1976年に北陸ワイド周遊券を使用。更に1976年に名古屋・岐阜ミニ周遊券を使用。ワイド周遊券やミニ周遊券を駆使して夜行列車を乗りまくった話は来週に纏めようと思いますが1998年4月1日で廃止になったのは残念であり、何とも勿体ない話。

 

ワイド周遊券・ミニ周遊券は出発駅付近から往復にB券の自由周遊エリア内まで急行の自由席が利用できてB券・自由周遊エリア内も急行の自由席が乗り放題、ワイド周遊券に限ればB券・自由周遊エリア内も特急の自由席が乗り放題でしたが一部のワイド周遊券(北海道ワイド周遊券など)は1978年10月1日改正まではB券エリアでも特急の自由席が利用できなかったけど当時の特急(エル特急除く)は全車指定席が当たり前だったので仕方ありません。しかし長距離の定期急行列車が大幅に廃止されたり、特急に格上げされて特急の自由席連結が増えてワイド周遊券でも乗れるようになった。

 

ワイド・ミニ周遊券のメリットは多く、①有効期限が長い・・・ミニ周遊券だと7日~10日間有効でワイド周遊券にいたっては10日~20日間が多くて特にワイド周遊券は学生が長期の休みに乗り潰し旅行するのに便利。②出発する時にみどりの窓口で即座に買えてスピーディーなのが売りでもある。③ワイド周遊券に至っては自由周遊区間内のみで普通及び急行夜行列車の自由席を宿代わりにできる事。④ミニ周遊券は普通に往復乗車券として買うよりも安くなるケースが多い(逆に高くなるケースもあった)。⑤北海道ワイド周遊券に至っては冬季割引(10/1~5/31)で2割引(道南ワイドは1割引)にもなった。

 

かくいう自分もワイド周遊券を手に自由周遊区間エリア内を走る夜行列車を宿代わりにして仮眠した想い出も沢山あるけどその手の話は来週に書きたいと思う。そんな僕の夜行列車旅や乗りつぶし旅に子供との親子旅に使用したワイド周遊券やミニ周遊券、はたまた飛行機を使わない出張で往復乗車券代わりにかったミニ周遊券など旅には必要不可欠だったワイド・ミニ周遊券が廃止になってしまうのは痛手だったし、許せない気持ちもあったに違いない。昔は水色の周遊券に発行日と有効期限に日付のスタンプを押して学割や冬季割引のスタンプが押されて手作り感のある周遊券だったけどいつの間にかマルス券に変わってしまったのである。

 

1998年4月1日からはワイド周遊券やミニ周遊券に代わって「ゆき券」「ゾーン券」「かえり券」が1組になった「周遊きっぷ」に変わったのだがこれが意外と面倒臭くて制約も多くて私個人としては★1個の評価と厳しい。メリットは北海道方面の都区内発・周遊切符だと行きに東海道線~山科~湖西線北陸線信越線~羽越線奥羽線津軽線経由でゾーン券入口の中小国に入って帰路は津軽線東北線経由で行きがトワイライトエクスプレス(山科⇔大阪間別途乗車券必要)に乗って帰りは北斗星に乗るようなケース(逆のパターンでもOK)とレンタカーが割引になるくらしか思い当たらない。

 

しかしデメリットというか改善してほしい点(希望的観測)は山の様にある。①発行まで時間がかかるので出発する間際に窓口で購入する事が難しく、専用用紙にゆき券とゾーン券とかえり券の開始日を記入してから申し込むなど窓口で時間がかかるのが難点なのと旅行センター(JR東日本ならびゅうプラザ)だと発行までに数時間かかったり場合によっては翌日渡しなんてふざけた話もあった。②ゆき券やかえり券に急行列車の自由席が使えない事、1998年4月現在で自由席連結の定期夜行急行は「能登」「アルプス」「きたぐに」「ちくま」「利尻」くらいしかないけどワイド・ミニ周遊券みたいに急行自由席が使えない。

 

③ゾーン券の有効期限が短い事、せめてゾーン券だけの有効期限は7日間か8日間は欲しいところ。勤め人だと早々長い有効期限は必要ないけど学生さんは8日間でも短いかも知れない。自分が学生の頃は20日間有効の北海道ワイド周遊券でフルに使いまくって乗った経験があるけどゾーン券エリア内だけで乗り回れる夜行列車も大幅に減ったので長い期間は必要ないのかも知れません。④ワイド周遊券やミニ周遊券と違って合計価格が計算しないと分からない点、時刻表や鉄道に精通してる人ならともかく、ゆき券orかえり券にJR東日本以外にJR北海道JR四国JR九州を跨ぐと運転計算が面倒になる。

 

⑤ゆき券orかえり券に東海道新幹線(東京⇔新大阪)を使うと運賃2割(20%)引きが5%引きになってしまう罠があって出張で京阪神ゾーンや関西圏や中京圏の人なら東京ゾーンを使う事が出来なくなってしまった。せめて「ひかり」や「こだま」くらいは運賃2割引の対象に入れて欲しいものだが世の中甘くはないようだ。手馴れているみどりの窓口係員に当ればいいのだがそうでない人だと奥から「周遊きっぷ販売規定」のような小冊子を持って来て、ひとつひとつ規定を確認しながらマルスで発券作業をはじめる。窓口が混雑している時間帯だと最悪で行列が伸びて後の方から「まだかよ」の声が聞こえる。

 

そんな扱いづらい周遊きっぷの人気はなく、当初67ヶ所設定されたゾーンは年々統合や減少を続け、2002年度には約13万枚だった売り上げが2011年度には約4万8000枚に落ち込んだことなどから、人気のないゾーン券が消えて2013年3月31日付で発売を終了して全廃となった。均一周遊券(後のワイド・ミニ周遊券)は約40年間の歴史があったのに周遊きっぷはたったの15年間で完全撤退したのは使いづらい事と時代のニーズに合わなかった事が原因かも知れません。2023年になってかなり昔の想い出話はタイムラグが多すぎるかな? 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★