夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 あけぼの(B1)

1996年9月20日(金曜日)、 3連休前夜だけど上野駅17番線ホームで東北線陸羽東線奥羽線経由、寝台特急「あけぼの」の入線を待っていた。実は9月22日(日曜日)に大学の3年下後輩で僕が鉄研に入った4年生の時に1年生だった人の結婚披露宴が青森市内のホテルであるため、それに参加するためである。大学時代のお付合いが僕が就職しても定期便ともいえるような頻繁な手紙で秋田鉄道管理局と盛岡鉄道管理局(何れも後のJR東北地域本社管内)の情報を送ってくれて僕が東北へ撮影へ行くと聞けば撮影地情報や機関車運用表まで調べてくれて結婚式だけは万障繰り合わせて参加したかった。

 

青森までのフル区間乗車なのでシングルDXを使いたかったけど8月に息子と行った北海道旅行でかなり予算を使ってしまい、今回は狭いソロで我慢するため、5号車の乗車位置で待っていると21:20に推回1001レがオハネフ24-15を先頭に入線。9号車のオハネ24-553に乗り込むと10番個室に荷物を置いて牽引機を確認しに行くと田端運転所のEF8181でホーム売店で缶ビールやワンカップ清酒を買って発車前から乾杯していると21:38に上野駅を静かに発車した。1996年は「あけぼの」乗車が4回目、帰路も「あけぼの」だから5回も乗車するのは何故か乗車回数が多いのである。

 

10番個室は進行方向に向かって右側の二階個室だけどやはり「あけぼの」のソロは狭く感じて礼服やネクタイなどは披露宴があるホテルへ宅急便で送って正解だった。今回車掌が巡回してきたので特急・寝台個室券と往復乗車券より安い青森・十和田ミニ周遊券を呈示して夜行列車晩酌の続きをしているがつまみは嫁がスーパーの特売で買ってきた激安珍味の詰め合わせ(さきいか、ミニサラミ、チーズたら)とチーカマで飲んでいると大宮(22:03-04)へ到着。結婚式は22日だし、明日21日の17時から新郎と軽く飲もうと約束しているのでそれまでは青森・十和田ミニ周遊券でどこかへ行こう。

 

時刻表を捲りながら学生時代に行った三厩駅国鉄時代は「みんまや」でなくて、「みうまや」だった)でも目指すかと思いながら小山駅周辺で就寝・・・以降は就寝中の停車駅と時刻。宇都宮(23:03-04)・黒磯(23:42-45)・新庄(4:36-49)・湯沢(5:46)・十文字(5:55)、6:00に起床して浴衣のまま先頭に2分停車の横手(6:05-07)で牽引機を確認すると青森運転所・東派出所のED75-741を確認。個室に戻って昨夜上野駅で買った生温くなった甘くない缶コーヒーを飲みながら車窓を眺めていると大曲(6:24-25)へ到着。昨夜の夕飯はいつもの時間より早かったため、もうお腹が空いてきた。

 

朝食は大館駅の鶏めし弁当だと頭の中では分かっていても2時間半後まで待つのは辛くて思案していると秋田(7:09-17)へ入線して一目散にホームで営業してる立ち食い蕎麦スタンドを見つけて8分停車を利用してかけそばを味わう。どうせ津軽線三厩駅では昼食にありつけないだろうから〆に大館駅の鶏めしを食べればちょうどいいだろうと思っていたが秋田駅青森駅のホーム立ち食い蕎麦は塩分多目の味で関東風とは違うのだが空腹だったので軽く平らげて車内に戻る。秋田駅を発車してすぐに大久保駅(7:35-47)で運転停車、1624Mと快速「しらかみ2号」(3626M)の交換で12分間の運転停車を終えて大久保を発車(前改正までは大清水信号所で交換していた)。

 

井川さくら八郎潟周辺は秋田米の産地で風に揺れる首を垂れた稲穂が色付いて正に東北の秋って感じがして秋の東北は最高である。大規模米産地では見かけなくなったけど小規模の田んぼや田園風景でこの後見られる稲を干す稲掛け(はさがけ・いながけ)は日本の秋を象徴するシーンだと思う。八郎潟(7:54-55)を発車すると南能代信号所を通過時にやけに短い上り貨物(多分列番が5000番台か9000番台の臨貨)が待機していた。そして五能線の基点駅でもある東能代(8:26-27)へ到着した。富根二ツ井日本海へ注ぐ1級河川の能代川(秋田県で流域面積が2番目「1番は雄物川」)を渡る。

 

開けた場所から山間部を抜けると秋田内陸鉄道との乗り換え駅で大太鼓で有名な鷹ノ巣(8:52-53)に到着。しかしフル乗車だと狭いあけぼのソロは窮屈に感じるけど僕が太ってる訳ではないけど身長が180㎝ある自分にとってはやっぱりきつい。帰路の「あけぼの」はソロ1階なのでどちらが楽で環境がいいか、立証してみたいと思うが列車は大館(9:09-10)に近付いたので1分停車なので6号車へ移動して代金800円を用意してドアが開くと一目散にホームへ下りて駅弁売りまでダッシュで花善の鶏めしを購入して車内へ戻ったが1分停車だと端の車両だと間に合わない公算が強く諦めた人も見かけた様である。

 

早速鶏めしの紐を外して蓋を開けると独特のいい香りが個室中に充満して一気に食べ終わるとやっぱり美味い。国内に鶏肉の駅弁は多いけど予約しなくても営業時間内ならいつでも買える鶏(鳥)の駅弁では1位に上げたい駅弁だ(個人的に上位だと思う鶏・鳥の駅弁は鳥めし@高崎駅、とりめし@日出谷駅など)。他にも美味いとりめし弁当は多いけど寝台特急の1~2分停車で買える事をまだ暖かい事、更に事前に電話予約をすれば列車乗降口まで1個でも持って来てもらえる要素もあるけど弁当の美味さと風味でも1位なのは他には譲れない件。

 

大館駅を発車すると国道7号線と沿って進み、白沢~陣場で下内川を跨ぐ有名な撮影ポイントでもある橋梁を渡ると暫し山間部を走ると矢立峠を越えて青森県に入る。山間部を抜けると昔は関所があって今は碇ヶ関温泉郷で有名な碇ヶ関駅を通過すると大鰐温泉(9:38-38)に到着した。弘南鉄道大鰐線の元東急電車を横に見ながら進むと弘前市に入り、青森県で3番目の都市であるお膝元駅の弘前(9:49-50)に到着。弘前を発車すると次が終着駅の青森なので下車準備をしながらラストのあけぼの車窓を楽しむ。五能線と合流する川部駅を通過して岩木山やリンゴ畑を横目に見て青森市に入って最初の駅でもある浪岡駅を通過。

 

浪岡川のオーバートラス橋を渡って大釈迦鶴ヶ坂の撮影地を横に見て将来は新幹線が停車する新青森駅を通過して暫く進むと津軽線と合流して滝内信号所で青森駅方面へ進み、定刻10:25に青森駅へ到着した。下り「あけぼの」フル乗車では初のソロに乗ったけど秋田から青森までは長く感じてつらかったが、2階個室の長細い窓から見た車窓は良かったけど閉所恐怖症の人には地獄かも知れない。このあとは青森・十和田ミニ周遊券を有効利用して三厩駅まで青森10:56(329M)11:33蟹田12:01(331D)12:41三厩13:12(336D)13:53蟹田14:11(338M)14:55青森と乗り継いだが津軽線に乗るのは19年ぶりである。

 

っていうか津軽線の普通電車に乗ったのは初めてであり、昔の津軽線はキハ22が主力で朝の時間帯はDE10が旧型客車を牽引する蟹田までに一往復走っていたけど当然全線非電化区間だった。翌日青森駅近くの結婚式が行われるホテルへ行き披露宴参加者のみ格安で泊まれるので送った礼服とネクタイなどを受け取ってからチェックインして旅装を解いてから夕方は明日の主役と軽く飲みに行った。

          ★★★★★Memories of the night train★★★★★