夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 あけぼの(B1) 

1996年9月22日(日曜日)、 青森市内のホテルで結婚式が終り、2次会も参加してお腹一杯飲んで食べて会場を後にしたがあとは上り「あけぼの」に乗って帰るだけである。礼服やネクタイに家族のお土産はホテルから宅急便で自宅へ送ったので帰路もラフな恰好で軽装備なので時間もあるのでメモリアルシップ八甲田丸横の公園でベンチに座って青函連絡船・八甲田丸(5,382総トン数)の勇姿を眺めながら時間を潰し、改札に入って「あけぼの」の入線を待つ。

 

ホームで上野行き寝台特急「あけぼの」を待っていると17:41に青森運転所からの回送列車がED75を連結したままぶら下げてDE10が牽引して入線。早速8号車に乗り込むとオハネ24-555だった。オハネ24-555はあけぼのソロの予備車で全般検査や不具合発生の際にピンチヒッターとして投入されるのだが、北斗星SA1ファンにとっては不吉な番号だけど車内に進んで今夜の宿は8号車15番でソロは1階であった。牽引機である機関車を見に行くと青森運転所・東派出所のED75-726を確認して披露宴と2次会でビールは沢山飲んだため、控えてワンカップと濁り酒などを買って個室に戻ると青森駅(18:01)を定刻発車

 

「あけぼの」ソロの1階に当たるのは1991年か1992年くらいだと思うが「あけぼの」ソロの起きてる時間帯の部屋環境と寝ている時間帯の部屋環境については後ほどレポートしてみたい。すぐに車掌が来て青森・十和田ミニ周遊券のB券と特急寝台個室券を呈示するものの特に説明はなく、帆立貝柱の燻製でワンカップ清酒で乾杯だ。まだ夕飯を食べる気はないけど青森駅で予約専用の津軽路弁当(伯養軒・青森支店謹製)を事前予約して購入したのだが本来纏まっての数でしか注文できない予約専用弁当を申し込む時はマジ塩対応で焦った。

 

そもそもその手の弁当は最初に偶々どこかの大口団体用に作るから偶然前日に電話したら1個でも予約はOKだったけどあれから時が流れると担当者も変わり最低10個以上のご予約を通してくる。しかしこっちも負けられないから1個でも受けた人の担当者名を上げると駅売りにも美味しい駅弁がありますからと話を変えてくるので価格に見合った好みの駅弁はなく、残念。伯養軒青森支店も青森支社になり、NREも入り込み人事や職制でバタバタしていたのは理解できるけど今回が最後だと言われてしまった。サービス業の根底を知らない対応だけどこれが現実なのかなと思う。

 

北東北の日の入り時刻は早く、17:35には日の入りを迎えるので既に青森発車時刻で周囲は薄暗くて景色を見るのは遅いけど滝内信号所や新青森くらいは外の景色は見えたけど秋の日はつるべ落としなので漆黒の闇が迫り、1996年5月に家族3人で利用した同じ列車とは思えないくらいに闇に吸い込まれて行く。家族で分散してソロに乗るものいいけどやはり気兼ねない一人旅が最高で秘密基地みたいな風貌の個室もいいもんだ。個室のテンキーロックを好きな列車番号の(東北非電化エリアのDD51牽引貨物列車の列番)4桁番号を入力テストしていると弘前(18:37-38)に到着。

 

購入した酒も1本を残して飲み干してしまい、口寂しくなったら下り「あけぼの」では鶏めしを購入した大館(19:16-17)に到着して青森駅で予約購入した最後になるであろう「津軽路弁当」で夕飯にした。この弁当との出会いは1985年くらいで青森駅から急行「津軽」へ乗車した際に購入している。1996年のJTB時刻表にも紹介されているが、津軽路は大ぶりの帆立貝が2個入った帆立と鮭の炊き込みご飯が中心で2段目の別容器にはおかずが沢山盛り付けられた2段弁当で価格的にも青森の名物もそこそこ入った駅弁で個人駅には気に入っていた。

 

そんな最後になった伯養軒青森支店の津軽路弁当を軽く平らげて最後の日本酒の残りを飲むと鷹ノ巣(19:35-35)到着。今宵乗ってるオハネ24-555は予備車で運用から外れて運転所で眠っている事が多いのか車内の意匠がやけにきれいに感じるし蛍光灯も明るく感じるのは気のせいか?。鞄の中に忍ばせてきたマルチバンドレシーバーでCタイプ無線の下り周波数・上り周波数・入換え周波数を全てスキャンさせているので上り「あけぼの」1002列車以外の無線も入感するので景色が見えないからいい暇つぶしになってるが列車は東能代(20:00-00)と八郎潟(20:26-26)にも停車した。

 

Cタイプ無線なんて聞いてて何が楽しいの言われたら何も言えないけど楽しみは人様々であり、発車の際のショック有無を楽しみにしている人もいれば通過したり停車する駅の情景を楽しみにする人もいる訳で自分は発車無線以外に入換え周波数チャンネルを使ってる輸送指令からの会話から鉄道無線を私物化して使っている貨物ターミナル駅JR貨物の機関区から飛んでくる生活臭い挨拶の延長を傍受して楽しんでいる。そうこうしている間に列車は秋田(20:53-55)に到着したので、久々に飲みたくなった缶ビールと甘さ控え目の缶コーヒーを購入。

 

浴衣姿に着替えて帆立貝柱の燻製をツマミに冷えた缶ビールを飲みながら流れる車窓を横目に見て鉄道無線も聞くというマニアックな事を楽しんでいると実に楽しい。あけぼのソロは秘密基地でもあり、スローな時間を楽しむ大人の隠れ家として一晩過ごすには丁度いいのかも知れないけど狭いものは狭いのである(何のこっちゃw)。大曲(21:46-47)に到着すると今夜の宴も終了で早めに就寝するがB1・ソロの徹底比較は翌朝に譲りたい。就寝中の停車駅と発着時刻は以下のとおり・・・横手(22:04-06)・十文字(22:16)・湯沢(22:24)・新庄(23:22-37)・宇都宮(5:14-16)。

 

どうやら無線を切らずに寝てしまったようで新庄駅小牛田駅で機関車交換の際に無線機の感銘テストから各種無線機から音が漏れており、夢の中で聞こえていたような気がする。朝、起床したのは5時半過ぎで昨夜秋田駅で購入した缶コーヒーを飲みながらまったりして洗面と歯磨きに朝の支度と下車準備を終らせていると大宮駅(6:31-31)を発車して「あけぼの」はいよいよラストスパート区間に掛かり、上野駅で定刻6:58に15番線ホームに入線して青森からの長かった「あけぼの」フル乗車の旅が終った。牽引機を確認してないので真っ直ぐに進んでホームを歩くと田端運転所のEF81-97だった。

 

さて「あけぼの」ソロ1階部屋と2階部屋について述べて行く事にしよう。景色を見る事についてよいのは2階が見晴らしがよくて大きなポイント獲得。2階の湾曲した窓ガラスの横に寝て部屋の照明を全て落とせば星空も見えるし個室に開放感があります、ベッドに横たわりながら車窓を見るに楽な判断を加味するとどうしても2階ソロの方がポイントが高い。しかし2階ソロは揺れが大きくてベッドメークした後はトイレとか個室から出るのにすごい面倒でマイナスポイント。2階部屋は人によって共用階段を使うのが気をつかうかも知れません。

 

ここまでは2階ソロ有利ですが一方の2階ソロ個室は屈む姿勢ではありますが通路からスッとスムーズに個室へ入れる反面、室内は出っ張りが多く圧迫感が強いです。出っ張りというのが共同階段の一部でこの出っ張りが1階ソロ個室の雰囲気を悪くしてると言っても過言ではないでしょう。この盲点だらけの1階ソロだが利点も多い、やや低い位置だけどフラットな長細い窓ガラスで景色が見やすい(2階の湾曲ガラス窓は歪んで見える)。ベッドをメイク後も楽に個室から出入り出来る点に背もたれに寄りかかったまま進行方向に向かって足を前に伸ばせる事が一番のメリットか?

 

どこにポイントを絞るかによって1階か2階かを選べばよいだろうけど少なくともこのブログ原稿を作成している時点で「あけぼの」はとっくに廃止になっているのでこれ以上の記述は野暮になるのでやめておく。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★