夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

🍴夜行列車の味・東北編2🍱

こちらの案件も暫く放置気味で3月1日以来、約2ヶ月振りとなるのだが前回の「夜行列車の味・東北編1」では東北線常磐線だったので、「夜行列車の味・東北編2」では残りの羽越線奥羽線を特集してみたいと思うが羽越線は余りにもネタが少ないので少し困り果てている(苦笑)。他に東北エリアで夜行列車が走った線区は陸羽西線仙山線白新線くらいしかないのだが夜行列車で駅弁を買えた駅はないので困りもの。

 

羽越線秋田駅奥羽線で紹介するので除くとしてまずは「羽後本荘駅」から。1979年の春に青森駅から大阪駅まで乗った夜行急行「きたぐに」で早めの夕飯の駅弁を買おうと羽後本荘駅で買ったのが「すきやき弁当」。羽後本荘市(現由利本荘市)は畜産業で有名との事で牛肉でなくて豚肉のすき焼きに騙された思いで落胆したのだが豚肉だと冷えても硬くならずに美味しく頂けた弁当だけど2000年~2005年くらいに駅弁業者(森川弁当部)が撤退してしまったのが残念・・・鳥海山のフキやワラビも美味かったなぁ。

 

次に紹介するのが「酒田駅」、1984年にまだA寝台を2両連結していた急行「天の川」に乗った際に2分停車で駅弁の立売りがホームに出ていたので購入している。庄内米ササニシ弁当と鳥海釜めしの2種類があったけど買ったのは幕の内弁当風の前者で作りたてなのかご飯がホカホカでこれほど美味しい銘柄米を使った弁当を食べたのは初めてであった。僕の好物であるエビフライ、肉団子、蒲鉾、昆布佃煮も入っているがご飯だけでも充分満足が出来る駅弁であった。製造・発売していた酒田弁当部も2003年頃に駅弁売りから撤退したのが何とも残念である。この先、鶴岡駅や新津駅でも駅弁購入しているが夜行列車ではないので割愛。

 

奥羽線奥羽線も北から紹介する・・・先ずは弘前駅、夜行列車絡みで弘前駅の駅弁を買ったのは後にも先にもこの1回だけである。1980年代前半に弘前駅始発の上野行き、臨時急行「津軽52号」(「津軽54号」だったかも知れない)に乗車するために雪が降るホームの立ち食い蕎麦スタンドへ行くと名称は覚えてないけど和風弁当とか、幕の内弁当で発売元が伯養軒・弘前支店と書いてあったのは覚えている。作ったばかりなのか、保温していたのかまだほんのり温くてガラ空きだった12系座席車の中で発車前から食べたら美味しい事。1月3日だったので五能線内では全く食料が手に入らずに空腹だったのだ。

 

大館駅は「津軽」「あけぼの」「日本海1号」「鳥海」で利用した駅弁購入駅で数え切れないほど大館名物である比内地鶏を使った「鶏めし」が余りにも有名で私も大ファンなのだが始めて食べたのは1970年代後半の急行「津軽1号」か「津軽2号」だったかと思うけど貧しい学生なのに清水の舞台から飛び降りて買ったら樽型容器に入った「鶏樽めし」だった。その後は「鶏めし」だったけど停車時間が少ない時や時間的に立売りを終えてる時間帯の祭は事前に電話で予約して乗車列車と乗車号車を伝えて乗車口まで届けてもらう事も少なくなかった。深夜にブログをPCで作成中だけど思い出しただけで食べたくなる花善の鶏めし。

 

続いて秋田駅、この駅も夕飯や朝食代わりの駅弁購入でお世話になった駅である。旧客や12系・14系の上り急行「津軽」でも駅弁が買えたので非常に重宝した駅だが朝と夜は幕の内弁当系列の「秋田小町弁当」と「牛めし」しか買えなかったが1986年までは東洋軒という駅弁業者も入っており、到着が遅い急行「津軽2号」(1978.10.2から「津軽3号」だと秋田で15分停車(8:53-9:08)するため、改札を出て駅弁売場でとんかつ弁当(カツ丼みたいな玉子とじのかつ煮と別コーナーに生野菜とポテトフライにスパゲティーが盛り付けられてた)を買ったのだが下のご飯まで味が染みてて美味かったけど1987年くらいに駅弁会社としては廃業。しかしホーム販売では関根屋が一手に仕切っていた訳であるが・・・。

 

大曲駅は夜行列車に向けた弁当をホームでは発売してないのだが1991年から1993年の毎週日曜日の昼にNTVで放映していた「みのもんたの世渡りジョーズ!!」というTV番組の駅弁特集で2時間前なら21時までに駅弁1個でもホームへ届けるという話だったので試した事がある。確か秋田駅かその手前くらいから485系急行「津軽」に乗った時で、秋田駅の駅弁に飽きていたので2時間半前にTELして大曲駅に到着すると指定号車の乗車口には弁当をレジ袋に入れた主人が立っていた。暁月堂謹製の「仙北おばこめし」はまだ暖かく、白いご飯に魚フライ、卵焼き、高野豆腐、ちくわ、竹の子煮つけ、昆布佃煮、さつま揚げに蒲鉾、きゅうり漬物(キューちゃん?)と多彩で美味しかった。

 

横手駅で駅弁を買ったのは1982年の12月末に乗った季節列車・急行「おが」で横手駅に到着するとホーム立売りしてたので平源謹製「かまくら弁当」を買ってみた。経木の仕切りがかまくら型になっており、そこに横手のニシキ米を詰め込んで確かにかまくらの形にはなっている。副菜は真鱈のフライに厚焼き卵、高野豆腐、蒲鉾、ひじき煮物、山菜漬けなどおかずが豊富でラベル(掛け紙)が素朴で素敵。とても美味しくて価格も安めなのに1997年には駅弁から撤退してしまったのが残念。そういえば1989年12月29日に運転された臨時夜行快速「エレガンスこまち」に乗った時も「かまくら弁当」の美味さに舌鼓を打ったものである。

 

ここに取り上げた羽後本庄駅酒田駅弘前駅秋田駅(東洋軒のみ)、大曲駅、横手駅の駅弁業者が廃業したり、他社に吸収されて通年発売の駅で売る駅弁から撤退した企業が多いのが残念である。これも時の流れなのかなと思ったりしながら当時を懐かしんでいるが次回は6月以降を計画いており、上越線信越線・中央線・他をに落ち着きそうだ。

 

           ★★★★★Memories of the night train★★★★★