夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 はくつる(Bネ)

1999年2月24日(水曜日)、急遽翌日朝1番で青森市まで行く仕事が発生したため、羽田空港からの青森空港行き最終便JAS219便は18時台で終っているので寝台特急はくつる」しか選択肢が残ってない。定時で一旦帰宅して風呂と夕飯を済まして出直すが勤務先最寄り駅で特急寝台券と乗車券を株主優待割引にてびゅうカード決済で購入して出直すが一番乗車率の低い禁煙車2号車下段で確保。自宅を21:30に出発して山手線にて移動、上野駅15番線で待っていると尾久駅寄りから推進ライトを光らせながら推進運転で回送11列車が入線して22:08にホーム横付け。

 

ドアが開き、早速2号車へ乗車するとオハネ25-152「盛アオ」だったが牽引機を見に行くと青森運転所東派出のEF81-134号機に"はくつる"マークが格好良く光っていた。寝酒用のカップ氷だけ買って車内に戻ると発車5分前だった。今夜の列車ホテルは2号車10番下段で周囲は乗客が殆ど乗っていない。マルスの特性からすれば3号車から発券して最後が2号車(ただし個室などはそうとも限らない)を売る事になるので多客期や繁忙期以外はいつも乗車率が少ない車両でもある。そうこうしていると発車時刻が近付き、寝台特急はくつる」は定刻22:23に上野駅を発車した。

 

早々と浴衣に着替えてベッドの上にあぐらを書いて薄型のステンレス容器の中に入ってるウィスキー(自宅でサントリー角瓶を詰めてきた)をカップ氷に注いでこれまた自宅から持ってきたソフトサラミをツマミに車窓を見ながら飲んでいると車掌がやってきたので寝台特急券と乗車券を呈示。そういえば寝台特急はくつる」が24系化されておよそ5年が経過しているがそもそもは「あさかぜ1号・4号」からのB寝台は100番台や200番台が中心だったのに5年目ともなるとオハネ25-3など古めかしい1974年3月18日に新製落成して1980年10月、向日町運転所から転属した初期車と混結しているのが笑える。

 

自分が今乗っているオハネ25-152だって1976年9月10日新製落成なので2年6ヶ月の差だけど25形0番台初期車は古く感じてしまうのが不思議でならないw。1976年9月と言えば自分が高校3年生の時にニューブルートレインが誕生して1976年9月で25形100番台が投入、1977年9月には下関と広島へ25形100番台と200番台が投入されて正に新型25形の増備車祭りであった。あれから23年も経過してすっかりブルートレインも衰退して車両も老朽化したのも増えているとオハネ25-152に乗りながら当時を懐かしく思いながらウイスキーを飲んでいると昔の事がそんな昔ではないような気がしてくるのが不思議だ。

 

北斗星を除けば上野駅から北を目指すブルートレインも「はくつる」と「あけぼの」だけになってしまい、随分寂しくなってしまったけど観光夜行列車を除けばもう時代のニーズに合わないし、そんなに長く続かないような気がする(東北新幹線新青森開業までかな?)。それでもブルートレインは乗っているだけで心が豊かになるし、乗れる限りは乗ってやりたいと思ってる・・・なんて考えていたら列車は大宮(22:49-50)に到着した。上野駅を「はくつる」より3分前に発車した3555M「通勤快速(土曜日と休日は快速ラビット)」を黒磯まで抜けないのは前から納得できなかったけどそろそろ寝る事にしよう。

 

就寝中の停車駅と時刻は以下のとおり「*=運転停車」、宇都宮(0:01-02)・黒磯*(0:41-50)・郡山*(1:38-39)・福島*(2:13-15)・仙台*(3:15-17)・一ノ関*(4:23-25)・盛岡(5:30-32)・一戸(6:24-25)・二戸(6:30-31)・三戸(6:43-44)。目が覚めたのは三戸駅に入線した時で7時間以上は寝ているため、気分はすこぶるよいが八戸駅で買物したいので急いで着替える(ホーム自販機で缶コーヒーを買うだけでも浴衣姿で主要駅ホームに降りるオヤジみたいな事は避けたいので急いで洗顔&ハミガキを済まして着替えていると何度か撮影で訪れている苫米地~北高岩を通過して八戸(7:00-02)に到着した。

 

2分停車を利用してホーム自販機で甘くないビタータイプの缶コーヒー(190ml缶)を購入して車内に戻るが八戸から終着駅の青森まで「はくつる」の5号車と6号車は立席特急券ヒルネの対象区間に入る。缶コーヒーを飲みながら上北三八地方の雪景色を眺めながらまったりしていると小牧温泉最寄駅となる三沢(7:18-18)に到着。雪景色を見ながら温泉でも入りたくなるけど今日は出張なので温泉は無理だけどこの先には青森市内に浅虫温泉も有名だけど温泉宿泊は家族旅行以外縁がない私であった。列車は進行方向右側に海と繋がる汽水湖(海水が交わる湖)でもある小川原湖が遠くに見えてきた。

 

デパートの青森県物産展で小川原湖名産のシジミを買ったら大粒で美味しかったのを思い出したが青森県五所川原市にある汽水湖十三湖で採れるシジミも美味しくて有名だけどどうも青森県の貝類は陸奥湾の名産帆立貝が有名になったのは水揚げ量の違いらしい。シェーバーで髭を剃りながら空腹を感じながら列車は野辺地(7:40-41)に到着。鉄道防雪林で有名だけど南部縦貫鉄道線が休止になって約2年弱となって寂しくなったが、今では大湊線しか接続していない。その大湊線も定期列車ではキハ110系しか走らない線区になってしまったのがのが残念無念。

 

野辺地を発車するといよいよラストスパートで次の停車駅は青森だけど意外と車窓からは見所が多くて東北線らしくないポイントもある。海沿いを走るのかと思えば急に山の中に分け入り、田園地帯を走って長いトンネルを出ると浅虫温泉駅手前から海岸沿いに入る展開が私は好きである。早合点な人は津軽海峡が見えたと思う人がいるかも知れないがここから見える海は陸奥湾である。簡単に言えば大湊線下北駅大湊駅から見える海と津軽線蟹田駅付近から見える海も陸奥湾なのである。その陸奥湾野内駅まで続くと海から離れて青森運転所東派出が見えてきた。

 

青森信号場を通過すると青森駅まで向かう線路と奥羽線まで行く線路が分かれる分差器を越えて寝台特急はくつる」は定刻8:15に青森駅へ到着した。まだ時間があるのでホームの立ち食い蕎麦コーナーへ行くと顔馴染みの女性がいたので「おはようございます」と挨拶してから天ぷら蕎麦と朝限定のおにぎりを注文して遅めの朝ごはんとした。この立ち食い蕎麦スタンドでは蕎麦を食べるより、ワンカップの濁り酒を買う事が多くて事実キヨスク売店の濁り酒よりこちらの方が美味しいのだが店の人から見れば蕎麦を食べない変な客という事になってるらしい。

 

前回の青森出張の際も「はくつる」を降りてこの蕎麦スタンドで朝蕎麦を食べているけど今日はお酒の方はよろしいのですかと冗談混じりに聞いて来るので蕎麦を噴出しそうになったけど朝食を食べ終えて改札口を出てタクシー乗り場へと急いだ。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★