夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 北斗星5号(B1)

1998年9月13日「大安吉日」に札幌市在住で趣味の知人が挙式を挙げて披露宴を行うため、かなり前から招待状が届いており、出席するので安く行ける方法を考えていた。北斗星のB寝台(個室不可)が往復使える「ぐるり北海道フリーきっぷ」は10月1日から使用開始なので期間的に間に合わず、往復の1人用B個室ソロだけは確保して乗車券をどうするか考えていた。往復割引の乗車券だと道内の加算額込みで往復25,320円、周遊きっぷの札幌・道南ゾーンに都区内~中小国間のゆき券+帰り券が込みで25,800円と500円高いだけで道内滞在3日間なので後者を選ぶが、ワイド・ミニ周遊券なら窓口にて口頭で申し込めるのに周遊きっぷだとゾーン券とゆき券・帰り券の使用開始日時を専用用紙に書かねばならず機動性が悪く面倒だ。

 

1998年9月11日(金曜日)、 9月14日の年次有給休暇が既に受理されているが、北斗星5号に乗車する9/11・金曜日を定時退勤出来るか微妙だったけど最悪のケースを予想して1時間早く出勤して書類作成など時間先行で仕事をこなして17:00定時退社して急いで帰宅後にシャワーを浴びて下着と上着交換してラフな恰好に身支度を整えてから上野駅13番線ホームに向かうが、鞄がやけに重い。上野駅13番線ホームの「北斗星」9号車乗車位置で待っていると18:46に回5列車が、推進回送で入線したので早速9号車に乗り込むとオロハネ25-502の5番ソロに荷物を置いて偶々持ち合わせていた個室磁気カードで施錠。

 

本日の牽引機は田端運転所のA-7仕業となるEF81-93号機で特徴もない機関車なので可もなく不可なくって感じである。売店で氷入りのカップを購入して9号車5番ソロ(1階個室)に戻って鞄を開けるとタオルに包まれたアルミホイルに包まれた凍る寸前の缶ビールが出てオツマミも出てきたが、憎い事をするものである。早速1缶だけアルミ箔を剥がすと冷凍庫で冷やしたらしいキンキンに冷えた麒麟淡麗「生」を取り出して早速ひとりで乾杯するがこれがバリバリ冷えてて、凍る寸前だった様で最高に美味くて350ml缶を一気に飲み干してしまった。

 

上野駅を定刻19:03に発車した「北斗星5号」は飛び石四連休(14日「月曜日」に休暇申請すれば4連休になる)前夜だけど学生の夏休みもほぼ終っているため、いつもの週末金曜日と変わらないけどロコ(1)、ハコ(1)、ハコ(2)の個室は満席になっててロコ(2)とハネには余席がある事が乗車前の空席検索で分かっている。暫くすると上野車掌区の車掌が来たので一連のきっぷ類を呈示して個室カードキーを受け取る。お腹もペコペコなので上野駅で買ったとんかつ弁当を食べながら別の冷えた麒麟淡麗「生」のアルミホイルを剥がしてから飲むとまだ充分に冷えており美味し。

 

いつもなら定番のチキン弁当を買わずにとんかつ弁当にしたのはランチが鶏の唐揚げなのが理由だけど発泡酒で流し込むと列車は大宮(19:28-29)に到着して9号車ソロも殆どが埋まった感じである。自宅から持ってきた麒麟淡麗「生」も飲み終えたので上野駅で購入した氷入りカップに角瓶を流し込んで水割り⇒ロックを味わうが仕事(出張)以外で寝台特急に乗るのは4/30と5/4のゴールデンウィークに家族旅行で乗った「出雲3・2号」以来だ。1998年は9月11日現在で出張で乗った寝台特急が11回、それ以外で寝台特急に乗ったのは僅か3回のみで今夜も気分は出張に行く旅の様な気がしてならない(苦笑)。

 

自宅から持ち込んだ6Pチーズやサラミをつまみに飲んで明日の予定を考えていると宇都宮(20:27-29)に停車。明日は札幌市内で鉄仲間との飲み会(新郎新婦は多忙のため、欠席だが)があるので17時までは暇なので適当に寄り道して進もうかと計画している。ウィスキーも全部飲んでお腹も一杯なので今夜のパブタイムはパスしてどうしようかと思案していると5列車は黒磯駅を定刻21:05に通過したので早いけどもう横になろうと思う。出張で乗る寝台特急は早寝が多いので最近はそれになれてしまったのだろうか?以下は就寝中の停車駅と時刻「*は運転停車」。

 

郡山(21:54-55)・福島(22:29-31)・仙台(23:30-32)・一ノ関*(0:37-39)・盛岡*(1:43-45)・青森*(4:13-20)。目が覚めると列車は青森駅に停車中ですぐに進行方向を変えて動き出したが7時間は寝たようで気分はすこぶる良いが、喉が渇いていたのでロビーカーの自販機で缶コーヒーを購入して個室に戻ると奥羽線から津軽線へ入り、進行方向左手には青森運転所と青森運輸区の広大な構内が見えて西客1~西客20番線、東客1~東客10番線に検修線や洗浄線と中線や機回線が広がって見える筈だがまだ日の出時刻前なので確認出来たのは出区準備中の「はつかり2号」と「白鳥」が室内灯を点けて待機中なのは分かった。

 

陸奥湾沿いに進むと霧が発生して運転停車蟹田(4:45-46)で急行「はまなす」(4:45-52)と交換して新中小国信号場(4:53)「JR北海道との境界」を通過すると複線区間になるので速度も増して日の出時刻前だが周囲は明るくなってきた。太平トンネルと津軽トンネルを出ると津軽今別(5:02)を通過して大小7個のトンネル(大川平T、第1今別T、第2今別T、第1浜名T、第2浜名T、第3浜名T、第4浜名T)を抜けると5:06、青函トンネルに突入。竜飛海底駅「現竜飛定点」(5:18)と吉岡海底駅「現吉岡定点」(5:32)を一瞬に通過したが10年前の1988年は両海底駅ではダイヤの遅延がない限り徐行してたのが懐かしい。

 

そして青函トンネルではなく、青函トンネルに続いてる第1湯の里トンネルを5:44に出て知内「現 湯の里知内信号場」を5:46に通過すると北の台地までやって来た満足感を味わいながら木古内駅(5:54)を通過して、江差線「現 道南いさりび鉄道線」に入線。特急寝台券は札幌まで買ってあるけど先を急ぐ旅でもないので函館で朝ごはんを食べるために函館下車を目論み、歯磨き・洗面・髭剃りに下車準備を済ましてから通路側の椅子に座って海を眺めながらのんびりする。

 

釜谷(6:04)・渡島当別(6:09)・茂辺地(6:13)・矢不来信(6:17)・上磯(6:22)・久根別(6:24)・七重浜(6:27)・五稜郭(6:30)と通過して「北斗星5号」は6:34に到着したので下車してED79の機関車番号を確認しに行くと青函運転所のA101運用はトップナンバーのED79-1だった。改札を出て朝市にある"きくよ食堂"でイカソーメンとビールにホッケ焼き魚定食の豪華な朝食を頂くが炭火で炊いたご飯と炭火で焼いた魚が最高に美味かった。周遊きっぷなので特急「北斗3号」で札幌に向かい、朝携帯に連絡をもらった高校クラスメイトの鉄道友達で今は札幌に住むM君と昼飯を一緒に食べる予定が3時のお茶まで過ごした。

 

夜はM君も交えて14名で新郎新婦は不在だけど前夜祭の飲み会が盛大に行われて翌13日は11時から披露宴に参加してホテル泊。道外出席者は当日の飛行機で帰ったが自分は翌日に休暇を入れてあるので14日は「北斗星2号」乗車まで「札幌・道南ゾーン周遊券」を使って久々の一人旅を楽しんだ。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★