夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 北斗星5号(SA1)

1997年12月19日(金曜日)、 上野駅13番線ホームにて今宵の寝台特急北斗星5号」の入線を10号車乗車位置の前で待っていた。実は12月20日の夜に札幌で自分たちが作成した北斗星の客車運用の情報を仲間内で共有発信するサークル(詳細は2023.1.30のブログ記事「鉄道趣味とインターネット」を参照)の忘年会があるのでそれに参加するための来道である。5列車が入線する前に着替えとバッグと着替えを持って来てくれた家内が来てくれたので5列車が入線して18:46に扉が開くと早速10号車11番ロイヤルに乗り込んですぐに私服に着替えてネクタイ、ワイシャツ、スーツにコートは持って帰ってもらう。

 

私が着替えている時に機関車番号(EF81-89)確認を家内が代行してくれたので発車1分前までは車内で一緒に過ごして発車ベルが鳴るとホームに降りて19:03に発車したが見送ってもらいながら北へ向かった。家内がJC(駅のコンビニ、後のNEWDAYS)でツマミになる物を買ってきてくれたのでウェルカムドリンクでの晩酌が楽しみだ。因みに乗車した10号車はオロハネ24-554だが寝台特急北斗星5号」に乗るのも1993年が最後なので実に4年ぶりである。どうしてもB1(ソロ)やB2(デュエット)の利用が多いとB個室キャパが大きい「北斗星1号」や「北斗星2号」ばかり乗ってしまうのが原因かと。

 

暫くすると上野車掌区の車掌が来て道南ワイド周遊券と特急寝台個室券を呈示して個室キーを受け取り、ロイヤル個室でまったりしてるとノックが聞こえたので扉を開けてみるとグランシャリオからのウェルカムドリンクであった。明日朝のコーヒーと別会計の和風朝食のデリバリー予約もアテンダントに伝えて、アイスペールには山盛りの氷が入っていたのでグラスにウィスキー用の氷を入れて残った氷はシャワールームの洗面台にワインを寝かせてその上に余った氷を山積みにしておく(こうしておくと甘口の白ワインは美味しい)。

 

家内がJCで買ってきたフライドチキンやフライドポテトでブレンド・オブザ・ニッカを飲んでいると列車は大宮に到着。大宮発車後はウィスキーは飲み終わったのでワインに変更する。小樽ワインのミュラートゥガウ・完熟フリーランは甘口なので氷で冷やしたら飲み頃でチーズをツマミにワインを飲んでいると数名から携帯電話に連絡が来た。1人は明日の幹事でもう1人は明日の参加者で同じ列車の5号車に乗っているとの事で後者の1名とはパブタイムで会う約束をする。この乗車しているオロハネ24-550番台も1989年6月から連結されて8年半の時間が経過してロイヤル個室内がややくたびれてきている。

 

そろそろリニューアル工事や更新工事をお願いしたいところであるが4両の内、1両のみが予備車でその予備車も臨時の「北斗星トマムサホロ」「夢空間北斗星」や他の夢空間にも連結したりする運用もあり、1999年にデビューする新型北斗星(実はこれが「カシオペア」となる)の件もあるので暫くは無理なにかも知れない。VHSビデオ配信されている映画を見ながらゆっくりしていると列車は宇都宮(20:27-29)に到着した。SA1のシャワーを浴びてから6号車のロビーカー(オハ24-502)へ行くと先ほど電話がかかってきた主と同じメンバーだけど会うのは初めてなので雑談していると21:15くらいに案内される。

 

グランシャリオはスシ24-507で4人用テーブルを3人で使わせてもらい銘々に食事中心にオーダーするが僕はグラス赤ワインとイタリアンハンバーグセットを注文。それぞれの飲み物(お酒)で乾杯して飲みながら食べながら北斗星話や北斗星情報をネタにして飲食しているとやけに視線が痛いのだけど横のテーブルでやたらとこっちをチラチラ見る一見1人旅風の青年?だった。我々と同じく鉄道ファンか北斗星ファンなのだろうなと推測するけど飛び石4連休なのでパブタイムも盛況でした。食後の瓶ビールも追加注文して盛り上るが郡山(21:54-55)と福島(22:29-31)にも停車しながら22:45でお開きにした。

 

解散して僕は10号車11番に戻ってから浴衣に着替えて寝たけど就寝中の停車駅と時刻は仙台(23:30-32)・*盛岡(1:41-43)・*青森(4:11-20)「*印 運転停車」。目が覚めたら列車は蟹田駅(4:45-46)に停車中で上り急行「はまなす」したのは確認したけどまた二度寝をしてしまい、起きたら既に青函トンネルとそれに続く第1湯の里トンネルは抜けて茂辺地~矢不来(信)間を走行しており、時間にして6時20分くらいであった。外はまだ真っ暗なので朝のシャワーを浴びて洗面と洗顔を終えて着替えると列車は函館(6:34-40)に入線した。喉が渇いたので函館ホームの自販機でよつ葉牛乳を購入して一気に飲み。

 

函館駅を発車すると6:40にモーニングコーヒーと新聞が運ばれて来てコーヒーが飲み終わった頃に昨夜注文した和風朝食が運ばれて列車は大沼国定公園の小沼の脇を通過するところであった。早速熱いお茶をひと口飲んでから和朝食を頂いたが安定の美味さでペロリと完食、グランシャリオの朝食は和朝食に限ると自ずと納得。小沼から大沼湖畔を走って駒ヶ岳を左右に見ながらカーブ区間を走ると東山駅(現廃止)と姫川(現姫川信号場)の間くらいから下り勾配になって前方に噴火湾(内浦湾)が見えてくると砂原線と合流して森を通過。

 

列車は噴火湾沿いに進み、車内販売のコーヒーを飲みながら新聞に目を通したり、車窓を眺めているとやはり北斗星5号はいいなと思う(1号だとまだ就寝中)。今乗ってるオロハネ24-554の車歴と使用列車について記しておきたい。1973年、新潟鐵工で製造されたオロハネ24-554の種車であるオハネ24-12は1973年9月10日に向日町運転所に配備され、「あかつき」と「彗星」で使われて1975年3月に品川客車区へ転属して「はやぶさ」「富士」「出雲」で使われる。しかし1976年夏から秋に24系25形が品川客車区へ配備されると24系24形は余剰となりオハネ24-12も北へ移動した。

 

1976年10月に品川客車区から青森運転所に転属すると「ゆうづる」や「日本海」で使われて1980年10月に秋田運転区へ移動して「あけぼの」「出羽」他臨時の運用に入る。しかし何の因果か、1988年3月13日へ青森運転所へ戻って「あけぼの」「出羽」「日本海」の運用に就いて1989年3月11日付けで尾久客車区へ転属して北斗星増結個室車両の種車として工場で改造されて1989年6月13日にオロハネ24-554としてデビューした(因みに同時期に改造されたオハネ24 8 11 28もオロハネ24-550番台へ改造されてSA1/B1の増備車であるオロハネ24-501は同年同月オハ14-186から改造されている。

 

列車は山崎駅の手前から噴火湾が広がり遠くに黒岩奇岩(海底火山により生成された流紋岩)が見えてくると線路が海岸から離れて長万部(8:11-11)に到着。そういえば知人から「北斗星5号」の長万部駅でのかにめし立売り販売は夏季以外終了したと聞いたが、本日は売り子が出て販売していたようだ。長万部を発車すると函館線から室蘭本線に入り、長万部旭浜(現 廃駅)のS字カーブや旭浜~静狩の直線区間が続いて静狩駅を通過すると下り列車をインカーブで俯瞰(新静狩トンネルの更に上に登った地点から撮影可能)出来る有名な撮影ポイントを通過するとトンネルに入って小幌駅を一瞬に通過。

 

礼文華カーブや大岸海岸(礼文~大岸)に豊浦の海岸(大岸~豊浦)を見ながら進むと洞爺(8:40-41)到着したので車掌室へ直接行って北斗星グッズでもある北斗星エンブレムデザインの財布を3個購入(黒2個・茶1個)。北斗星オレンジカードも勧められたがJR東日本首都圏管内ではイオカードの方が便利なので丁重にお断りする。室蘭線に唯一存在する信号所のひとつである北入江信号所を通過すると有珠山昭和新山が近付くと北海道で一番海に近い駅でもある北船岡を通過して1998年に完成する白鳥大橋の下をくぐると東室蘭(9:11-13)へ入線した。

 

楽しかった非電化区間も終って東室蘭駅からは架線柱と架線がウザイ電化区間へと終るが私の場合は電化区間DD51とか嫌って絶対に電化区間DD51が牽引する列車は撮影しないと豪語するくらいである。車窓からはJR貨物・鷲別機関区が見えて多くのDD51が眺める事ができ、JR貨物五稜郭機関区を含めて北海道内の貨物用DD51の中枢基地でもあるが幌別~富浦の海岸線沿いを進むと登別(9:27-27)に到着。熊牧場と登別温泉の広告看板をみながら発車するとタラコで有名な虎杖浜アイヌコタンに牛肉(白老牛)で有名な白老を通過すると苫小牧(9:57-57)に到着。

 

苫小牧を発車すると下り「北斗星」の旅もいよいよ終盤となり、苫小牧貨物駅(2分目ダイヤグラムに記載)の脇を走り、日高線と分岐すると沼ノ端駅から岩見沢方面と南千歳駅方面に線路が分かれて植苗駅美々駅(現美々信号所)を通過すると石勝線が近付いて南千歳(10:16-17)に到着である。いよいよ次は終着駅札幌駅になってしまったが久々に乗った北斗星5号は楽しくも道南から車窓を眺められるので実に有意義な時間であった。この近年は北斗星といえば家族と乗ったり、子供との2人旅で乗る事が多かったので北斗星ぼっち旅も偶にはいいなと思う。

 

10:50、定刻で札幌駅に到着するとM君はじめ、道民や飛行機で先に到着した関東メンバーから出迎えられてプレツアー小樽ランチのために快速電車で小樽に移動してランチ後はお茶して一旦札幌に戻って当時僕の定宿だった札幌駅北口から徒歩1分のホテルクレスト札幌にチェックインして夜は待望の札幌忘年会が行われて大盛り上がりだった。翌日(21日「日曜日」)は午前中の飛行機で帰るメンバーが、多いけど自分は日曜日は夕方まで完全なオフにしてたのでM君が車で迎えに来てくれて定山渓温泉の日帰り入浴&懐石ランチセットで久々に2人だけの時間を過ごした。

 

高校時代からのクラスメイトで僕以上にコアな夜行列車ファンで親友だったが仕事の都合で札幌に転勤したので1日2人で過ごす時間は札幌転勤後は始めてだと思う。趣味の話や仕事の話に家族の話とかしながら温泉に浸かって部屋で横になりながら語り合ったり昼寝したりしてまた温泉に浸かるの繰り返しでゆっくりさせてもらった。

 

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★