1995年7月31日(月曜日)、長男との北海道旅行もいよいよラストになって札幌駅5番線ホームで、寝台特急「北斗星4号」の入線を待っていた。昨日は川湯温泉の温泉観光ホテルに宿泊して川湯温泉駅まで車送迎してもらい、釧網線経由して和商市場で買物をして釧路からは特急「おおぞら6号」で戻った。旅のエンディングは「オホーツク9号」で網走駅から釧網線4725Dに乗り換える間に空席探しで電撃的にGet乗車変更した「北斗星4号」のロイヤルにて帰るだけだが、ロイヤル入手は日頃の運の良さに感謝している。久々に乗る「北斗星4号」(6004列車)SA1は楽しみにしていたのである。
実際に7月31日の6004列車は東オク編成なのか北サウ編成なのか分からず仕事用の手帳には一目見れば何月の奇数日or偶数日がどちらの運用か分かるのだが今回の旅は往復B2の旅を想定してたので手帳はないため、運試しとなるがまぁそれもいいだろう。なんて昨日の出来事を回想していたら回送6003列車の接近放送が聞こえてくると桑園駅よりから手稲からの回送が函館運転所のDD51-1068(次位は番号失念)重連で入線した。入線されてすぐは尾久車なのか札幌車なのか判別付かないけど窓の下のゴールドラインが2本のwラインや扉の周囲がゴールドラインで縁取られているため、札幌車の気配を感じた。
すぐにZONE539の北斗星エンブレムマークが視界に入るとJR北海道では唯一1両のみ保有しているオールロビーカー(オハ25-551)が6号車に連結されていたので札幌車持ちの6004列車である事は分かった。18:03に入線した「北斗星4号」の9号車に乗車するとオロハネ25-558で早速2番個室に荷物やお土産を入れて飲み物と簡単なつまみを購入しておく。車内に戻ると月曜日の夜行列車なのに個室は全部売り切れて車内での乗車変更発行しないと案内が流れてる。1995年5月6日以来のステラリウム・ロイヤルで約3ヶ月振りだけどやはり嬉しいものである。
札幌駅に11分停車した寝台特急「北斗星4号」は18:14に定時で発車して札幌市の中心から走り去ると新札幌を通過してすぐにグランシャリオスタッフが登場してウェルカムドリンク(おたる ミュラー・トゥルガウ完熟フリーラン、ブレンド オブ ニッカ、缶入緑茶、缶入名水)が運ばれて来たので明日朝のコーヒー(息子はミルクティー)と和風朝食のデリバリー時刻を伝えると今度は函館車掌所の車掌が登場。北海道ワイド周遊券と補助別途利用ロイヤル指定券を呈示して去ると南千歳駅で買った駅弁を広げて僕はワインを飲みながら「日高路」(焼いた鱧蒲焼の押し寿司と鵡川名物・生シシャモの押し寿司をツマミに頂く。
そういえば「北斗星4号」より5分早く札幌駅を発車した星置発苫小牧行き・普通2828Mをそろそろどこかで抜くはずだけどこの時間帯は運転本数も多く、千歳線だけでホームが4ヶ所ある駅は北広島駅までないのだ。車窓を眺めていると2828Mらしき電車が待機停車していた西の里信号所を一気に通過したが2828Mは快速「エアポート182号」にも同信号所で抜かれる不運な列車でもある。列車は南千歳駅(18:47-47)を発車して美々~植苗付近で日没を迎えると今度は苫小牧駅(19:07-08)に入線したが、この駅で隣のロイヤル住人が乗り込んだ。
我がロイヤルではモニターTVから「夜逃げ屋本舗3」「ベスト・キッド4」が流れているが息子は「えぞ寿司」を食べ終えて車内販売のバニラアイスクリームに食べながら映画を眺めている。父親での私はウェルカムドリンクの白ワインも飲み終えて同じく車内販売の缶ビールを飲んで映画を見るが350ml缶ビールより、アイスクリームの価格がやや高いのは如何なものだろう?などと考えてしまうのが情けないけど北斗星や昼間の特急車内販売でもバニラアイスクリームの方が20円くらい高い。鉄道での長距離旅行ではやたらと缶ビールに手を出す自分なのでこんな事を書くのは本当に恥ずかしい。
昼間乗った特急「おおぞら6号」でも事前に電話予約乗車口までdeliveryしてもらって昼食として食べた池田駅の「十勝ワイン漬けステーキ弁当」を食べたあとに車販のアイスを食べていたが間食が多いのはどうかと思う。登別駅(19:37-37)と東室蘭駅(19:51-52)を発車するとビデオが終わり、STVテレビのニュースに切り替ったが、登別駅のビデオでVTR録画してそれを流しているのだろうが1995年9月4日で廃止される深名線の特集とかは今でも覚えている。JR北海道になって運営の軌道が乗り、最初の赤字ローカル線切捨てなので北の原風景が多く残る深名線の廃止は残念である。
やがて列車は伊達紋別駅(20:12-12)に停車したが、以前はこの駅で下り特急「北斗」とのすれ違いがあったけど281系化による速度アップでのダイヤ改正で「スーパー北斗19号」とは有珠~長和間ですれ違った。有珠駅を通過すると下り寝台特急の撮影地で有名なS字カーブを進むと北入江信号所を通過して海沿いを進み洞爺駅(20:23-24)に到着。個室の照明を落として親子でロイヤルの大きな窓にへばり付いていると意外と車窓は見えるものであるが流石にS字カーブまでは分からないけど列車の揺れ具合と台車が軋む音で何とか分かってしまうのが鉄道好きを越えた鉄道ファンの所以なのだと思われる。
洞爺駅からは長万部駅までは海沿いと海沿いとは思えない山間部みたいな箇所やトンネルを通過するため、車窓を見てても飽きない区間なのだが夜なので個室の照明を全て落としても線路横の車窓しか確認出来ないのが難点。朝や昼間なら奇岩が多い海岸線や周囲にキャンプ場の多いビーチ沿いを進んだり、山の中に分け入る礼文華峠を行くシーンが展開する区間や静狩から先の直線区間は気持ちがいいけど夜なので沖合いに浮かぶ漁船の漁火くらいしか見えないけどこれも夜行列車ゆえの旅情なので非日常的な時間の経過が忙しかった日々を癒してくれるのが気持ちいいくらいだ。
札幌駅発車後に早めの夕飯を子供と食べたけど今夜は予算の都合でパブタイムへは行かないため、夜食を食べ始める用意をしていたら寝台特急「北斗星4号」は長万部駅(20:55-55)に到着した。僕は南千歳駅で買ったサーモン寿司を、息子は同じく南千歳駅のお寿司(稲荷寿司と太巻き寿司セット)を食べてお腹も満足して先に息子がシャワーを浴びて次に僕もシャワーを浴びたが、ロイヤルは好きな時間に入れるのが嬉しい。「北斗星4号」は札幌駅を発車して3時間が経過したが3時間がいつもより短く感じて八雲駅(21:19-19)と森駅(21:44-45)に到着した。
子供が眠そうなのでベッドをWベッドにしてから寝床を造り、邪魔になったウェルカムドリンクのグラスやタンブラーを返却して氷を入れた紙コップを貰い、部屋に戻ってその紙コップにまだ飲んでなかったブレンド オブ ニッカのミニチュア瓶を流し入れて僕は流れゆく夜景をツマミにロックウィスキーを寝酒として飲んだがまだ暫く睡魔はやってこない様である。仁山駅周辺で一瞬見える函館市内の夜景と函館山の輪郭が薄っすら浮かんで見えて函館市内に入ると函館駅(22:31-37)に到着した。寝ている息子を起こさないように個室を出てホームで牽引機の確認をすると青函運転所のED79-4だった。
車内に戻る際、ホーム自販機で"よつ葉牛乳"を買って個室に戻って進行方向を逆に進んだ「北斗星4号」の窓から夜景でも見ながらと牛乳を飲もうとしていたら子供が起きて使ってない紙コップに半分入れたのを子供に渡して一緒に飲んだ。青函連絡船に乗ると船内自動販売機でよつ葉牛乳を買うのが楽しみだったけど大人になると隣の自販機で売ってた道内限定缶ビールばかり買って飲む様になってしまった。函館発車後11分で久根別駅(22:48-51)に停車したが1021Mを待避するための運転停車なので扉は開かない。
少し早いけど木古内駅通過くらいでベッドに入って物思いに耽っていると23:35に青函トンネルと繋がっている第一湯の里トンネルへ入り、0:14青函トンネルを出て青森駅に到着する前に寝てしまったようである。以降は就寝中の停車駅「*印は運転停車」と時刻・・・青森駅*(0:57-1:07)・盛岡駅*(3:35-37)・仙台駅(5:46-48)。朝は自然に起きたというより子供に起こされた感が強いのだが目が覚めたら福島駅到着10分前であった。急いで着替えて補助ベッドを格納してから朝シャワーを浴び終わると福島駅(6:47-50)は既に発車しており、7:00にサービスのコーヒーと紅茶に新聞の朝刊が運ばれてきた。
朝刊に目を通しながらまったりモーニングコーヒーを飲んでいると太陽が眩しくて今日も暑くなりそうだ。やがて郡山駅(7:28-30)を発車するとGrand Chariotスタッフが再びの訪問があり、7時半に指定した和風朝食とお茶が運ばれて来たので早速頂く。息子が椅子に座ってテーブルで食べるので僕が食べる場所がなくなり、ベッド部分に新聞紙を広げて敷いて食べる事にする。最後の和風朝食だったらしく、いつもよりご飯の量が多いように感じたが副菜も含めて最後まで美味しく頂きました。夢中になって食べていたのでJR東日本・東北地域本社と東京地域本社の境駅だった久田野駅や電源切替がある黒磯駅の通過は忘れていたらしい。
宇都宮駅(8:54-56)を発車すると泣いても笑っても終着上野駅まであと1時間16分なので少し早いけど下車準備を始める。今回は4泊5日の旅だったのでお土産が多く、他に年次有給休暇を1日使ってるので職場へのお土産もあるし、家族へのお土産や実家への土産など今回はヤケにお土産が多い。9時40分頃に車掌が個室ルームキーを回収しながら乗車のお礼を言いに回って来ると大宮駅(9:50-51)である。上野まで21分で到着するので息子に何が一番楽しかったか、何が一番よかったか聞いてみた。
乗ってよかったのは7月31日に乗った特急「おおぞら6号」の展望席(6号車15番C/D席にあるキハ183-500番台の前方展望が見える席)で偶にキハ183-100番台が入るとアウトなのだけど食事時間以外は前方注視していた。北斗星の個室は1994年5月に乗った「はやぶさ」と「富士」みたいに1人用ソロ個室(2020年4月13日と4月20日の弊ブログ参照)の方が希望だった様である。マルスでは1操作で個室寝台券は1枚しか取れないから北斗星のソロを2部屋取るのは至難の業だと説明したけど理解してくれただろうか?。
北浜駅の喫茶停車場で食べたシーフードカレーと池田駅の十勝ワイン漬けステーキ弁当は美味しいと言ってくれたし、往路に乗った北斗星パブタイムのハンバーグも気に入ってもらえて喜んでいたバカ鉄オヤジであった。4泊5日の親子旅を振りかえっていると車内放送から上野駅到着(10:12)の案内が聞こえて来たので靴を履き替えていよいよ下車である。15番線ホームに降り立つと湿度が身体中を包み、蒸し暑さが戻って来た。牽引機でもあるEF81の番号が知りたくて大連絡橋には行かず、車止めの方に歩くとEF81-99が井堀信号所経由で尾久客へ向かう推進回送6004列車になる準備中だった。
★★★★★Memories of the night train★★★★★