夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 はやぶさ(B1) 前編

先週のブログでもUPしたが1997年4月30日の寝台特急「富士」を下関から東京まで乗って今朝(1997年5月1日の朝)到着したばかりだけど実は今夜も西に向けて出発する。ゴールデンウィーク後半は前から嫁に言われていた南九州の温泉2泊と子供からは「富士」と「はやぶさ」にフル乗車したいと希望があって1997年11月29日改正で「富士」が大分打ち切り、「はやぶさ」も熊本打ち切りになるので自分も最後に全区間惜別乗車したいと思い、今回の旅を考えた。期間中唯一5月2日だけが息子の通常登校日に当るけど年に1回くらい親公認だからいいだろうと決めて5月1日の下り「はやぶさ」と5月4日の上り「富士」のソロ個室を3枚ずつ押さえた。

 

1997年5月1日(木曜日)、 家族3人で東京駅9番線ホームにて寝台特急はやぶさ」の入線を待っていた。今夜押さえた12号車のソロは3番(1階・自分)、6番(2階・子供)、11番(1階・嫁)で取れており、どこのB個室を選ぶかは既に決めておいた。因みに熊本までソロで購入してその先のヒル区間も別途払うのも無駄なので寝台券は3枚とも3種類の特急券で構築しており、1枚は東京⇒西鹿児島で列車名と料金記載はあるものの、号車と席番記名はなく、別の2枚目に日付・区間・列車名と号車・個室番号は書いてあるけど金額表示はなく、更にもう1枚は料金表示がないヒル区間のみのB立席特急券である。

 

この買い方だと東京⇒熊本のB個室ソロと熊本⇒西鹿児島のB立席特急券の二重支払いで高い料金を払う事はないのだが、まさか都内のみどりの窓口で九州内の下りヒルネB立席特急券が買えるとは思わなかった。家族全員が楽しみにしている九州ブルトレのソロを各自割る当てた旅なので息子も嫁も楽しそうだ。息子は学校の友達に色々言い触らしたらしく顔が生き生きしており、かくいう自分も下り「はやぶさ」フル乗車は1978年以来であり、内心楽しみにしていた。3レ「さくら」が西に旅立ったのを家族3人で見送ると5分後の18:03には5レ「はやぶさ」が入線。

 

扉が開き、早速12号車に乗り込むと昨夜に「富士」で乗車したオハネ25-1002に乗り込み3番個室に荷物を置いてホーム売店で飲み物などを購入してから最後尾14号車のオハネフ25-158のテールマーク前で記念撮影タイム。本当は牽引機確認にも行きたかったけど客車区から東京駅まで回送「さくら」を牽引したEF66-55が「はやぶさ」の牽引機になるので今回は時間の関係でパス。9分間の停車時間もあっという間に終って12号車3番の部屋に集まると18:12に「はやぶさ」が東京駅を発車して西へと向かったので好みの飲み物で乾杯した。カレンダー上では明日も平日だし、長期連休の人は4月28日か29日に出発している訳で12号車の東京駅発車時点では乗車率も少なく空いている部屋も半数以上ある。

 

新橋駅くらいで車掌がやってきて銘々に特急個室寝台券と往復切符代わりに購入した鹿児島・宮崎ミニ周遊券を渡して個室の鍵を受け取るがソロの個室鍵のキーホルダーもデザインがエッジング加工した物と個室番号しか書かれていない物があり、後者のは記念に持ち帰ってしまって代替の物なのだろう。横浜(18:35-36)では数人が乗り込み、時間的にもよいので少し早いけど夕飯にする。いつもなら東京駅でチキン弁当などを買うのだが今回は時間もあったのでホームに家族を待たせて通勤定期券で一旦改札を出て大丸百貨店のデパ地下で購入した崎陽軒シウマイ弁当が今夜のディナー。

 

実家に住んでいた頃はよく食べた崎陽軒シウマイ弁当だが崎陽軒横浜駅の駅弁だけど僕が高校生の頃(1974~1976年)は既に川崎駅のホーム売店などでも売っていて実家が川崎駅から徒歩圏内の自分にとって懐かしい味なのである。横浜駅発車時点で日没時刻を迎えて大船駅を通過した頃には車窓も夜に変わり、6:55着の徳山駅で駅弁販売員が乗り込むので翌朝7時までは各自・個室内での自由行動の解散をして各自の個室に分かれた。暫くして嫁のいる個室(11番)の様子を見に行くとお菓子をつまみながら車窓に夢中になってる姿に思わず苦笑して次に息子の個室(6番)へ行く。

 

子供は窓ガラスに顔を付けて一生懸命に車窓を眺めているが売店(元食堂車)へ行かないかと声を掛けると二つ返事で行くとの事。12号車から9号車のロビーカーを経由して8号車の売店(元食堂車)へ行くとちょうど車内販売巡回の商品調達に戻っており、冷えた缶ビールと息子様にジュース(本当はバニラアイスクリームが欲しかったみたいだけど取り扱いしてなかった、「北斗星」や新幹線の車内販売とは違うのである)を購入して12号車に戻って息子と別れて僕は個室で乾杯した。小田原駅を通過して早川から進行方向左側なら相模湾が見えるけど外は真っ暗で白糸川橋梁を渡る音は確認できた。やがて列車は神奈川県から静岡県を経て熱海(19:39-40)に到着。

 

東京駅を発車して1時間27分だがこの先はまだ長い、因みに「はやぶさ」は何都府県を走り抜くかご存知だろうか?僕の子供にもテストしたが滋賀県岐阜県以外は答えれたけど正解は16都府県である。東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、岐阜県滋賀県京都府大阪府兵庫県岡山県広島県山口県、福岡県、佐賀県熊本県、鹿児島県。1997年11月29日改正で「はやぶさ」が熊本止まりになり、「富士」が大分で切られると日本一長い距離を走る定期列車の寝台特急は「さくら」の東京~長崎が1位となる。しかし東京発着寝台特急も近年パッとしなくなった。

 

食堂車の簡素化⇒食堂車の廃止⇒博多あさかぜとみずほの廃止⇒「はやぶさ」と「富士」の熊本・大分打ち切りなど明るい素材がないのである。さきほど子供と売店(旧食堂車)へ行った際に「はやぶさに乗ってる乗客で東京駅から西鹿児島駅まで乗り通すお客は何人くらいいるのだろう」という質問に全区間フル乗車は我々家族の3人だけかなと答えたが夏休みなれば惜別乗車目的の鉄道ファン達が乗ると思うよと希望的予想を伝えたがこればかりは蓋を開けてみないと分からない。富士(20:12-13)を発車すると数名が12号車に乗車したが職場から帰宅して着替えてから出直すとこの時間帯が乗り易い。

 

嫁のいる個室へ様子を伺いに行くと調光式の読書灯を使って西村京太郎の鉄道ミステリーを読んでいた。僕も西村京太郎のファンでブルートレイン殺人事件から夜行列車を舞台にした鉄道ミステリーはほぼ熟読したが夜行列車内で読めばリアルさが伝わりそう。しかし〇〇号殺人事件の殺人現場は列車外で発生してるケースも多いのが笑える。静岡(20:39-40)に到着すると流石に県庁所在地駅だけあって出張なの出張帰りなのか不明だが、スーツを着たサラリーマンも乗り込んだが時刻表を見るとこの時間帯では新幹線乗り継ぎでも姫路までしか行けない(静岡「ひかり227号⇒ひかり127号」23:53姫路)。

 

21時を回って子供の個室と嫁の個室へ行ったがそれぞれ旅を楽しんでいるようなので今夜は早めに寝る事を伝えて浜松(21:34-36)発車後に自分は灯火を落として早めに就寝した。以降は就寝中に停車した駅の時刻、名古屋(22:37-50)・岐阜(23:10-10)・米原<23:49-50>・大阪<1:05-08>・岡山<3:15-17>・広島(5;25-29)「<>は運転停車」。終着、西鹿児島までは長いのでここから先は来週に後編として続きます。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★