夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 富士(B1)

ゴールデンウィーク前半の4月27日から4月30日まで4日間山口線DD51重連貨物や美祢線DD51牽引セキ600・セキ800の石炭石貨物を撮影した自分は宇部空港までレンタカーを返却しに行くついでに厚狭駅まで送ってもらい、帰路の寝台特急「富士」の入線まで2時間以上あるのと厚狭駅ではどうも夕飯の駅弁が手に入らない可能性があるため(買えても幕の内弁当1種だけ)なので「津和野・秋吉・萩フリーきっぷ」のエリアから外れるけど厚狭⇔下関運賃別払いで駅弁の種類も豊富な下関駅まで移動する(因みに帰路の寝台個室特急券はこんな事があるだろうと予想して下関~東京で買っておいた)。

 

1997年4月30日(水曜日)、 下関駅で東京行きの寝台特急「富士」を待っていると大分運転所のEF81-412に牽かれながら19:26に入線したがローズピンク色のEF81-400番台に「富士」のマークが映えて恰好いい。早速12号車のオハネ25-1002に乗り込んで6番個室(2階部屋)に荷物を置き、5分停車を生かして機関車の確認と飲み物購入(駅弁は下関到着後に早めに購入済み)する。最初に先頭にホーム移動するとEF81が外されて下関運転所のEF66-54が連結されているところで売店で冷えた缶ビールを2本購入してから車内に戻ると発車1分前だったが19:31に下関を発車。

 

すぐに車掌が現れて個室寝台特急券と下関~厚狭までの乗車券と津和野・秋吉・萩フリーきっぷを呈示して個室キーをもらって夕飯+乾杯タイムにする。昼も量的には余り食べていないため、ふくすし(800円)と厳流ちらしずし(700円)の2個とも似た様な海鮮のちらし寿司だけど寿司類は総じて好物である。寿司駅弁を肴に缶ビール2本を空けると列車は宇部(20:07-08)に停車。そうえば宇部山口空港からANA700便に乗って帰ったK君はあと1時間で羽田空港着陸だから流石に飛行機は早い。「富士」なんてまだ山口県宇部市を走行中で価格差もそう大して変わらないのに「富士」を選んだ俺はよっぽどの夜行列車好きで暇人という事だ。

 

しかし行きも帰りも「富士」、そういえばゴールデンウィークにはもう1回「富士」に乗る事になるがその話はその時に取っておくとして帰路の「富士」ソロ2階部屋で2個目の駅弁を食べ終り、下関駅売店で購入したフグヒレ酒を飲みながら期間中を振り返る。美祢線DD51牽引セキ600・セキ800の石炭石貨物や山口線DD51重連貨物(益田駅より先山陰線内はDD51牽引貨物)撮影はそれなりに面白かったけど暖地用(実際には一般型として区分)の800番台のは装備的におとなしく、やっぱりA寒地の重装備500番台には叶わないなと思った次第である。

 

寝台特急「富士」は山陽線路を快調に飛ばすが行きに乗った下り「富士」みたいなローリングの揺れはなく、防府(20:41-42)・下松(21:10-11)・柳井(21:32-33)に停車しながら自分は浴衣姿に着替えて2階ソロから見える夜の車窓を眺めていたが、それも飽きてベッドに横たわってEF66が時おり鳴らすホイッスルと客車の車輪とレールが奏でるジョイントのリズムと走行音を聞きながらそのまま夢路を辿ってしまったらしく、夜汽車が奏でるサウンドは子守唄(騒音だと言う向きもあるけど)なのである。就寝時間中の停車駅と時刻は以下のとおり「*印は運転士交代他の運転停車」。

 

広島(22:31-35)・尾道(23:46-48)・福山(0:03-0:04)・岡山(0:45-47)・*大阪(2:55-57)・*米原(4:20-22)・名古屋(5:18-21)「米原駅では電源車内の荷物車の荷扱いの運転停車も含む」。実は名古屋駅到着直前に目が覚めていたので3分停車を生かしてホームの自販機でビタータイプ・缶コーヒーの購入に成功して早速モーニングコーヒー。缶コーヒーなら9号車ロビーカーにもあるけど価格が高い割に自分好みのがなくて買いに行った次第である。外はすっかり明るくなっており、缶コーヒーを飲みながら車窓を眺めてまったりしていると大府駅豊橋駅を通過して浜松(6:31-33)に到着。

 

美祢線山口線の撮影は早朝からで特に山口線重連貨物を宮野~仁保~篠目から撮影開始すると早朝5時前から動いているので必然的に早起きが習慣になる(早朝の貨物や早朝の夜行列車を撮影する鉄道写真ファンにとって早起きは必須というか当たり前の事なのであるが・・・。浜松(6:31-33)の2分停車で飲みたかったコーラをホームの自販機で買ってから車内に戻ってコーラを飲みながらまったりしていると車内販売らしき声が聞こえたので車内販売員を追いかけると弁当とサンドイッチを持っていたのでサンドイッチとホットコーヒーを購入。個室でサンドイッチをコーヒーで頂き、軽めの朝食完了。

 

実は今夜も同じソロ(オハネ25-1002)に乗って西を目指すのだが今乗ってる「富士」の24系が東京へ着いて品客へ回送後整備されると夕方には「はやぶさ」として出区後に東京駅へ回送される。「富士」や「はやぶさ」のソロに4回連続乗車するとマンネリした文章が増えそうなレポートになりそうだ(ヤレヤレ)。天竜川を渡って金谷~菊川や島田~金谷のブルトレ撮影地にチェックを入れると金~菊大カーブで「富士」を撮影している同志を発見。安倍川を渡り終えると列車は静岡(7:31-32)に到着、静岡を発車すると見どころが少なくない様で意外とある。

 

興津川を渡ると暫し東海道線は海沿いを走るので駿河湾と海岸が見えるが海沿いに国道1号線東名高速(E1)が海沿いにあるため、邪魔なのは致し方ないが由比川を渡り終わると東海道線も海岸から離れて富士川を渡るが富士川橋梁から見る富士山も最高だけど薄い雲がかかってその姿を拝む事は出来なかったが大気の不安な晩なので仕方がない事だが列車は富士(7:59-59)に到着。富士駅を定時で発車すると製紙工場の煙突を見ながら進んで御殿場線も乗り入れる沼津(8:16-17)に到着。沼津まで来ると東京行きの東海道線中距離電車もよく見かけるので関東圏が近い事が分かる。

 

御殿場線と分かれた先で狩野川の支流である黄瀬川の橋梁を渡るが富士山が見えていると富士山と寝台特急第二群を撮影する撮影地としても有名で3両くらいしか乗らないけど単機回送や機関車+マヤ34のような撮影には向いて自分もマイカーで何回も訪れてる場所でもあります。今回も富士山は見えなかったのでこの先(三島~函南)にある竹倉温泉の富士山バックも見えないだろうなと思いながら富士山を探したが気が付くと列車は丹那隧道を走行すると熱海(8:34-35)に到着。熱海駅を出発すると湯河原駅の手前で千歳川をいう小さい橋を渡ると静岡県から神奈川県に入る。

 

湯河原~真鶴~根府川~早川の海沿いを通路側の椅子に座りながら眺めていると早いもので小田原を通過したので下車準備をしながら車窓を眺めていたら突然平塚~茅ヶ崎間で貨物線を走る茶色い車両とすれ違った。旅が終ってから分かったのだがEF5861牽引の和式客車「ゆとり」(旧サロンエクスプレス東京)であった。詳細は詳しくしらないけど臨客ではなく、試客でP.Pだったらしいが沿線で撮影している人はほんの僅かでB報ではEF65牽引にしておいて当日電報処理で限定運用かけたのかも知れない。いよいよ大船駅横須賀線と交わって大船観音が見えると横浜市に入る。

 

横浜駅(9:35-36)を発車すると東京駅まで22分なのですぐだけど車掌が個室の鍵を回収に来て多摩川を渡ると東京都大田区なのでやっと戻ってきたような感じがする。品川駅を通過して港区から千代田区に入ると終着駅は近い。下関から東京まで約1,100kmの旅路を終えて9:58、東京駅9番線ホームに到着した。

 

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★