夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

紀勢線夜行快速 2921M

気軽に思い立った時に乗れる自由席連結の定期夜行普通・快速列車も大幅に姿を消して今(1997年3月現在)となっては新大阪から新宮へ行く紀勢線の夜行快速2921M以外は全て姿を消してしまった。一時期は9系統(「からまつ」「43レ・44レ」「733M」「441M・442M」「347M・344M」「はやたま」「山陰」「731D・762D」「ながさき」)もあったのに最後のともし火となってしまった。そんな2921Mも数年後には臨時化になる噂話も上がっており、青春18切符が使えて空いてる時期に乗りたいなとは頭の隅にあった。

 

1997年3月1日から4月10日まで有効の青春18きっぷが発売されたので子供が土曜日休みになる3月8日をターゲットに息子に声を掛けてプランニング。本当は臨時大垣夜行ムーンライトながら救済臨)で関西入りしてタップリ京阪神を乗り歩いてから新大阪駅始発の紀勢線夜行快速「2921M」に繋げたかったけど臨時快速9375Mの設定はないので始発の東海道線を乗り継ぐと14時台には新大阪に到着しちゃうし、極力乗り換え回数を減らし、短い時間の乗り継ぎが続くと飽きるので余裕ある乗り継ぎで確実に当駅始発の座れる電車を乗り継いで西へ向かった。東京5:46(325M)7:42熱海8:04(429M)10:30浜松10:45(快速3125M)13:29米原14:02(785T)15:46新大阪。

 

1997年3月8日(土曜日)、 上記の行程でフラフラと青春18きっぷ新大阪駅に付いた俺と息子は大阪らしい夕飯を済まして新宮行き夜行快速2921Mが入線する11番線で今夜の夜行列車1号車乗車位置で待っていた。2921Mは1号車から3号車が新宮行きで4号車から6号車が途中の紀伊田辺駅止まりなので乗車位置には注意してホームへ並んだが急行「銀河」に乗る乗客ばかりで急行「銀河」が発車すると11番線は人が減り、「2921M」の発車ホームを間違えたかと思ったが間違えではない。退屈で落ち着かない我が息子と待っていると22:42に2921Mが入線。

 

しかしいくらなんでも発車3分前の入線では落ち着かないけど日根野電車区165系6両編成(全て原色)が入線すると1号車のクハ165-88に乗り込んでいつもの定位置BOXをキープする。何人か乗り込んだもの車内は空いており、まだ小中学生は春休みになっていないこの時期を選んで正解であった。「2921M」は新大阪駅を22:45に発車すると淀川を渡り、梅田貨物線に進むと梅田信号所から大阪環状線の福島駅脇を通って西九条駅大阪環状線と合流。

 

この区間関空特急「はるか」でも有名になったがそもそも阪和線紀勢線天王寺から新宮方面が上り列車番号で新宮から天王寺方面が下り列車番号となるので普通なら新宮行き夜行は2924レになるのだが関空特急「はるか」が京都~天王寺間を下り列車としているため、天王寺~新宮間も下り列車の番号になったため、紀勢線内では上り列車である新宮行き夜行も下り列車になってしまってる経緯がある。大阪環状線に乗り込むと西九条(22:53)、弁天町(22:56)、新今宮(23:01)と停車して天王寺(23:03-05)、16番線ホームに到着。天王寺からも乗車があったけど1人1BOXで充分間に合うくらいだ。

 

平日なら遅い帰宅組のサラリーマン乗車もあるのだろうが土曜日ではサラリーマンの乗車利用も少なく、シーズン的なモノなのか釣り師の乗車も昔に比べて少ないような気がする。息子は時刻表の地図を眺めながら新大阪から大阪駅を経由しないで大阪環状線に入れたルートをマジシャンの魔法にかかった様に時が止まったようにポカーンとしている。説明してもすぐには分からないだろうし、帰宅したらホワイトボードを使って説明してやろうと思う。大阪環状線内を走っていた時は鈍足だったけど阪和線に入ると速度を上げて各駅停車ながらに走ってる時は速い。

 

堺市(23:13)・鳳(23:19)・和泉府中(23:24)・東岸和田(23:29)・熊取(23:34)・日根野(23:37-37)・和泉砂川(23:42)と停車しながら165系サウンドを楽しませてもらったけど乗車しているクハ165-88は1964年4月30日に川崎重工で製造されて松本運転所へ新製配備されると1969年3月26日に長野工場で冷房改造されて国鉄末期の1986年10月18日に天王寺管理局日根野電車区に転属すると1986年11月ダイヤ改正で消滅した12系客車での紀勢線普通客車列車の電車化で活躍する。普通なら夜行列車に乗れば必ず酒類を飲むのだが実は東京から大阪まで来る間、乗り継ぎ時間に余裕があって飲んでばかりいたし、夕飯のお好み焼き屋でも生ビールを飲んでいたので控えた訳である。

 

自分は和歌山到着前には寝てしまったが、以降は就寝中の停車駅と時刻・・・和歌山(23:59-0:01)・紀三井寺(0:07)・黒江(0:11)・海南(0:13)・加茂郷(0:20)・下津(0:24)・初島(0:27)・箕島(0:30)・紀伊宮原(0:34)・藤並(0:38)・湯浅(0:42)・紀伊由良(0:51)・御坊(0:59-59)・印南(1:15)・南部(1:30)・紀伊田辺(1:38-55)・白浜(2:10-20)・周参見(2:56)・見老津(3:07)・江住(3:12)・和深(3:20)・田子(3:24)・田並(3:30)・紀伊有田(3:34-34)・串本(3:40-50)・古座(4:00)・紀伊田原(4:09)・紀伊浦神(4:15)・下里(4:22)・太地(4:25)・湯川(4:29)・紀伊勝浦(4:33-34)・紀伊天満(4:38)・那智(4:41)・宇久井(4:47)・紀伊佐野(4:51)・三輪崎(4:55)・新宮(5:01)。

 

深夜に紀伊田辺駅で後より3両(4~5号車)を切り離しているのは音で分かったし、白浜駅の10分で喉が渇いてホームの自販機でスポーツドリンク系を飲んだのは思えているけど他は爆睡してて全く夢の中であった。新宮駅到着の放送で目が覚めると三輪崎の海岸沿いを走っているみたいだけど新宮市の日の出時刻が6時過ぎなので車窓は真っ暗で当然の如く何も見えない。子供を急いで起して自分も頭の中はまだ半分寝ているのだが下車準備を済ます。

 

所定時刻(5:01)で新宮駅に到着したので新宮6:05発「326D」まで時間があるので立ち食いスタンドで蕎麦やうどんを食べてから紀勢線普通列車や快速で名古屋からは東京まで必ず座って帰れる1本落としの乗り継ぎで帰路も駅弁食べたり酒飲んだりで楽しく旅を終えた。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★