夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

急行 銀河(20系・B寝台)

1979年5月1日(火曜日)、 僕とM君は大阪駅10番線ホームで急行「銀河」を待っていた。時刻表を見ると急行「アルペン」(9517レ)が発車すると急行「銀河」が入線するのだが急行「アルペン」富山行きが発車するとすぐに宮原から続く北方貨物線経由で塚本駅方から宮原機関区のEF58-126号機に牽かれて急行「銀河」(104レ)が入線。先ほどまで9番線に停車していた22:46発の急行荷物列車(荷32レ)汐留行きが先に発車したが最終的に銀河が荷32レを抜く事になる。早速11号車のナハネフ22-15(大ミハ)に乗り込み人生初経験の20系B寝台を経験する。

 

1975年に「ゆうづる583系の下段、1977年に「瀬戸」24系25形、そして1978年には「はやぶさ」や「富士」の24系25形を味わい、乗車順番では本末転倒なのだが最初にオイシイ2段ハネなどを味わってからの20系B寝台はハッキリ言って"狭い"に尽きる。B寝台料金が1000円安いだけでこうも違うとは驚きだけどどうせ寝るだけなのでいいが生まれて初めての20系B寝台は期待してたのにイマイチであった。すぐに車掌が来たので別に事前で学割で購入した大阪~米原と一筆書き乗車券と急行B寝台券を見せると車掌は苦笑いして去った。

 

ベッドメイキングだけしてタバコと缶ビールを持ってM君とナハネフ22の展望区画へ移動してタバコに火を付けてEF58-126の後姿を眺めながら旅の最後を乾杯していると新大阪(23:15-16)を発車した。流石に夜行列車3連続泊は辛く、1泊目の急行「十和田1号」と2泊目の急行「きたぐに」は座席車仮眠なので今夜は狭い3段寝台の52㎝幅ベッドでも朝まで爆睡できそうである。京都(23:49-50)を発車してすぐに寝台へ戻り、浴衣に着替えてから狭い寝台に潜ったが生まれて始めての3段寝台52㎝ベッドの感想は翌朝の楽しみにしておく。

 

人生初めての20系三段ハネ(蚕棚とも称された)は初めてカーテンを開けて下段寝台に入った時は幅52㎝ベッドの狭さと中段寝台からの圧迫が強烈だったけど既に三段寝台は583系や14系ハネで経験しているけどそこは70㎝ベッドと52㎝ベッドの差があり、18㎝の差は小さいようで大きいと感ずるしかなかった。しかしそれは起きてる時だけであまり寝返りを打たない平均体系未満の自分にとっては寝てしまえば同じという感覚が分かってきてそれこそ深夜帯に乗車して早朝に目的地に着くダイヤで走る夜行急行なら52㎝ベッドで充分という事に自分の中で話が集約した。

 

以降は就寝時間中の停車駅と時刻・・・大津(0:01)・名古屋(2:11-25)・豊橋(3:40-42)・浜松(4:21-31)・静岡(5:33-42)・富士(6:21-24)。富士駅停車中に目が覚めたけど昨夜はさんざDISった20系B寝台だったけどぐっすり寝る事が出来たけど起きると身を置く場所が無くなるのが解体しない3段寝台の悲しい所。しかし名古屋からは停車時間の長いこと、名古屋14分、浜松10分、静岡9分、沼津17分の停車は尋常ではないけど横浜駅で「あさかぜ4号」に抜かれるダイヤなので早く到着しないように時間調整をしているのだろうけどだったら大阪駅発車時刻を1時間くらい早めればいいのにと思うが如何なものだろうか?。

 

そうこうしているとM君も起きてきたので沼津(6:41-58)の17分停車を利用して自販機で缶コーヒーを買ってナハネフ22の展望エリアで一服しながらコーヒーを飲みつつM君から初20系乗車と初52㎝ベッドの感想を求められたので思った事や言いたい事を伝えておいた。そういえば大阪駅を「銀河」より先に発車した荷物急行列車・荷32レは米原駅停車中に「銀河」が抜いたシーンをM君が目撃しているらしく、浜松機関区のEF58-52だったそうだ。列車は丹那トンネルを出ると来宮駅来宮駅伊東線だけど国鉄の局報には東海道線としての来宮通過時刻が書いてあった)横を通過して熱海(7:26-28)へ入線。

 

上り寝台急行「銀河」は熱海駅を発車して千歳川を渡ると神奈川県に入り、湯河原駅を通過するといよいよ海沿いを走るのが楽しみである。東海道線のこの区間を夜行列車で乗ったのは1976年の「大垣夜行」と1977年の「瀬戸」だが、暗い時間帯なので1978年に乗った上り「富士」から見たのが始めてだと思うけど特に真鶴~根府川~早川の区間は何回見ても飽きないくらいである。「銀河」は3分停車の小田原(7:55-58)に到着すると早速ホーム売店で朝食代わりに「こゆるぎ茶めし400円」とお茶を購入して頭が閊える下段寝台に座って食べていると旅している感じが出てくるのが良い。

 

下車準備をしていると大船(8:44-44)を発車して鎌倉市から横浜市に入ると大船観音が見えると横浜(9:01-07)8番線に到着、横浜では後から来る寝台特急「あさかぜ4号」を先行させるために6分停車するがM君は品川まで乗って田町駅先端で返却回送を狙うそうだ。自分は自宅が川崎なので横浜9:14発、島田発東京駅に乗るのでM君が乗った「銀河」をホームで見送ってから帰途についた。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★