夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

快速 ムーンライト(3720M)

1996年3月9日(土曜日)息子の只見線に乗りたいという突然の一言で急遽旅を仕掛けて前夜の下り快速「ムーンライト」まで来て村上から新潟・会津若松経由で念願の只見線を走破して小出から新潟を経て村上まで戻り、帰路の上り快速「ムーンライト」に乗ると言う1日以上乗りっ放しの乗り鉄旅でいよいよ帰りの夜行列車乗車となるが子供のリクエストとは言え、1日乗りっぱなしは疲れてもう勘弁。新潟駅近くのレストランで夕飯を食べて新潟から村上駅へ到着した我々親子は新宿行きの上り夜行快速「ムーンライト」になる快速3948M「新潟からは快速3720M」の入線を待っていた。

 

発車10分前の22:10頃に入線した列車の5号車に乗り込むとモハ164-66(M4編成)だったので昨夜の下り快速「ムーンライト」で乗ったM6編成は運用離脱しているようだが村上駅のホームは売店が無いので飲み物と食べ物は駅前のコンビニで購入しておいた。羽越線に50系客レが走っている頃には村上駅前にコンビニは全く無かったけど月日が経つのは早いものである。22:20定刻に村上駅を発車すると坂町(22:30)・中条(22:37)・新発田(22:48)の順番に停車するが、もう2時間以上前に新潟で食べた夕飯も消えてしまったのでコンビニで買ったおにぎりを親子で食べて僕はビールも流し込む。

 

車内切符拝見では明日の日付が入った青春18きっぷをと指定券を親子で呈示して車掌に指定券の購入状況を聞くと今夜は満席との事であった。やはり青春18きっぷの適用期間に入ったのと私立高校の春休みが始まっているかと思うのだが只見線車内でも若い鉄道ファンを目撃している。列車は豊栄駅(22:59)を発車して阿賀野川を渡るとJR貨物の東新潟機関区前を通って上沼垂のデルタ線(デルタ線の中央に上沼垂運転区がある)を過ぎると新潟駅(23:12-20)に入線。新潟駅で多くの乗客が乗り込み、新潟から進行方向が変わって村上からの後ろ向きに進むのが解消された。

 

ほぼ満員の快速「ムーンライト」は信越線と羽越線磐越西線が集まる鉄道のジャンクション駅である新津駅(23:34-58)へ到着。中条か新発田で寝ていた息子が、起きたので寝台特急日本海」が通過するので見に行こうと子供を誘って寒いホームで待っているとEF81のハイビームライトと分かる光と後に連なる24系客車が近付いて単吹ホイッスルを鳴らしながら近付くと「日本海」のヘッドマークと24系24形のブルーと白の帯が流れて最後に電源車のテールマークが流れて発電機の轟音が何となく頼もしく聞こえた。流石に寒いのでこの後通過する高速貨物2082列車はパスして車内に戻る。

 

席に戻ったら子供曰く、今度は「日本海」に乗ろうと簡単に言われてしまったが「日本海」や「トワイライトエクスプレス」は首都圏在住者には本当に乗りづらく、北海道ニューワイド周遊券で行きに乗るか、「日本海3・2号」なら一筆書きキップしかなく、「日本海」は個室は一切無く、開放B寝台だよと話を向けると個室じゃないと興味がない素振りをみせるから困ったものである。新津駅を発車した快速「ムーンライト」だがいろいろ子供に振り回されて疲れたので今宵は早々とリクライニングを倒して寝る事にした、以下は就寝中の停車駅と時刻。

 

加茂駅(0:15)・東三条駅(0:22-23)・見附駅(0:34)・長岡(0:43-1:09)・高崎駅(3:39-40)・大宮駅(4:30-30)赤羽駅(4:48)。他にも乗務員の交代で越後湯沢、水上、新前橋にも1分程度停車している。自分は長岡駅発車後にトイレで目覚めて用を足しに行く際に車内を歩いたのだが指定席は全て発売済みという話の割りにポツポツと通路側の席に空席があった。窓際の主が通路側の席の上に荷物を置いたり時刻表を置くのは変(他人の席なのだから)なのでこれは隣の席に誰も来ない様に買ってしまう輩だと直感した(某匿名掲示板では二席厨と揶揄されていた)。

 

自分勝手でずるがしこい行為だが車掌も下りなら高崎、上りなら長岡からその手のキップは無効にして車内で立ってる旅客に売ればいいのにと思うが如何だろうか?。「ムーンライト」以外にも「ミッドナイト」や「臨時ムーンライト」にも出没しているのだろうけど最近の若い人は個室の寝台しか乗らない人も少なくないみたいなのでこの手の輩が増えているのかも知れない。目が覚めたのは赤羽駅(4:48)停車中くらいで急いで子供を起して下車準備をしていると池袋(5:02)に到着すると次は終着駅の新宿駅である。

 

時間からしてまだ外は真っ暗な深夜の続きだけど未明という言葉の中に存在する数%の朝は都会の喧騒が始まる前に快速「ムーンライト」が一緒に運んで来た様に思えた。5:10定刻どおりに快速「ムーンライト」は新宿駅7番線ホームに滑り込んだ・・・それは時間の狭間に存在する夜行列車の終着駅到着である。たかが日中の只見線を日没前にフル乗車するために往復「ムーンライト」と青春18きっぷを使った旅の実録記でもあるが、軽い気分で快速「ムーンライト」の想い出夜行列車レポートとして読んでもらえれば幸いです。

 

会津若松の宿に宿泊すれば簡単なのですがそこは無駄にお金は掛けたくなかったのでこんな旅になりましたが色んな鉄道に乗れて当時小学生の息子は喜んでいました。

 

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★