夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

大垣夜行 372M(グリーン車)

1996年1月14日(日曜日)、大垣駅5番線ホームの4号車東京寄りの乗車口で上り大垣夜行372Mの入線を親子で待っていた。冬の大垣駅5番線ホームは待合室がなくて吹きさらしの上、風通しが良く、厳冬期にこのホームで何時間も待つのは地獄なのだが自分はともかく、小学生3年生の子供に風邪をひかしては元も子もないので貴重品等は外して着替えや時刻表のみ入換えた仮に盗まれてもダメージの少ないリュックを3人目と4人目としてホームに並ばせて自分達は南口を出て中華料理の夕飯を済ませて駅へ戻ると列は伸びて発車1時間前にホームへ入る。

 

本来なら帰路の372Mは普通車乗車で計画していたけど思ったほど予算が掛からなかった(贅沢と言えば美濃太田駅で駅弁のまつたけ釜めし@900円を買ったくらい)のと自分1人なら相席のBOXシートでも問題ないが子供が知らない人と同じBOX席の直角シートで過ごすのも大変だろうかと帰路もグリーン車を利用する事になった。仮に臨時急行「銀河82号」に乗ったと仮定しても急行指定券で大人1740円かかるのだから大差ない。寒さも限界だと感じた発車10分前の22:30に372Mとなる回送電車が入線したので早速乗車すると4号車はサロ165-112であった。

 

往復グリーン車乗車の大垣夜行というのも実は初めてであり、最後の餞としていい記念になりそうだが気軽にいつでも乗れる東海道本線の鈍行(一部区間は快速だけど)座席夜行が消えるのが残念であり寂しく感じる。4号車のやや5号車寄りの座席をキープして発車まで残り時間僅かなのでホームの自販機でソフトドリンクだけ購入して車内に戻るとグリーン車は8割近くの席が埋まっているのは三連休の影響か?。22:40に大垣駅を定時発車した372Mは穂積(22:46)・西岐阜(22:49)・岐阜(22:52-52)・木曽川(22:59)と停車して岐阜県から愛知県へと入った。

 

その後も各駅に停車して名古屋駅(23:19-22)に到着すると下車数以上に乗車があって4号車のグリーン車は全ての席が埋まり、隣の3号車を通路から少し眺めたらそこそこの乗車率があって親子2人で1ボックス占領は到底無理だと思えたが帰路もグリーン車を選んで正解だった。今日は日曜日のためか勤め人の帰宅利用は少なく、長距離の旅行客が中心でホームライナー代わりに大垣夜行を利用する乗客は皆無であったがグリーン車は名古屋を発車して車内灯は減光されているので暗い車内だと眠くなってきそうである。

 

大垣夜行といえばクモハやモハがモーターの唸り音と走行音で騒がしいイメージがあるけどグリーン車は静かで対照的にこのまま気持ちよく寝れそうだ。大府の手前くらいまで記憶があったけどリクライニングを深く倒して気持ちよくそのまま寝てしまったらしい・・・就寝中の停車駅時刻は下記の通り(普通区間は抜粋)。大府(23:43-43)・三河安城(23:55)・岡崎(0:05)・蒲郡(0:19)・豊橋(0:35-36)・浜松(1:02-03)・静岡(1:58-2:00)・富士(2:25-27)・沼津(2:46-56)・熱海(3:12-14)・小田原(3:31-32)・大船(4:01-02)。

 

昨夜は早く寝た影響か、戸塚(4:05通過)の先で目が覚めてしまったが多分清水谷戸隧道走行中の騒音で起きたのだと思う。横浜(4:15-16)を発車すると名古屋くらいから爆睡モードだった子供も起きたので昨夜大垣駅で買って飲まなかった缶コーヒーを飲んでいると川崎(4:24)に到着。僕が学生時代だった頃は上り大垣夜行の344Mは川崎通過(朝の上り東海道線・普通電車も川崎は通過だった)なので横浜駅で降りて動き出したばかりの京浜東北線北行電車で実家最寄り駅のある川崎駅まで移動したのが懐かしい。

 

下車準備を終えて減光から全光に戻った明るい車内照明の中で下車準備をしていると品川(4:33-33)を発車して左手の車窓からライトアップされた東京のシンボルでもある東京タワーが見えて来ると終着駅も近い。今回乗った372Mでは約5時間20分も寝れたので上り大垣夜行が東京駅に近づく時に体感する眠さと気だるさがないのが実にいい。いつも上り大垣夜行なら豊橋くらいまで起きてるし、下り大垣夜行でも熱海や三島くらいまで起きて更に静岡駅で深夜に駅弁が買えた時代は明らかに睡眠不足に陥るのである。

 

まだ眠っている新橋(4:38)駅前のオフィスビル街や有楽町のオフィスビル街を見ながら上り大垣夜行は港区から千代田区へ入り、東京駅へ4:42、定刻どおりに入線した。もう何十回乗ったか数え切れないほど乗った大垣夜行。全区間乗車も途中までの乗車もあって更に大垣夜行折り返し(東京⇒沼津のち東京⇒富士)なんて荒業も青春18きっぷで3~4回経験している。これが最後の大垣夜行フル乗車になった訳だけどひとつの時代が終ったような気がした。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★