夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

急行 日南4号(自由席)

このブログも前作寝台特急はやぶさ」(前編・後編)に続いて2019年12月で消えてしまったyahooブログで書いていますが簡単な模写でデーターも不備が多く、一緒に旅をしたM君が生前に纏めて送ってくれた文章を元に新規で書き下ろしたものです。

 

1978年7月29日(日曜日)、「はやぶさ」で西鹿児島駅に到着した僕とM君は周囲のローカル線を乗り歩いて夕飯をすまし、西鹿児島駅のホームで今宵の上り夜行急行「日南4号号」を待っていた。改めお断りしておくが急行「日南4号(502列車)」になるのは宮崎から門司港西鹿児島から宮崎までは普通2522列車として運転される。夜行急行「日南」は1978年3月16日(上りは17日)より10系寝台車+旧客座席車から20系1000番台2両+12系客車5両に変わっているので対面が楽しみである。

 

18:35くらいに宮崎から急行「日南4号」となる普通2522列車が入線すると早速2号車となるオハ12-59(鹿カコ)へ乗車すると車内の冷房が気持ちいい。真ん中くらいの進行方向右手のBOXを陣取り、先頭へ行くと宮崎まで牽引する宮崎機関区のDF50-533が連結されて独特のズルーザーエンジン音を奏でていたが、実はDF50を実際に生で見たのは今回の旅が始めてだった。九州旅2回目のM君情報によれば足を伸ばして寝れるのは急行列車になる宮崎からとの事でそれまでは各駅停車の普通列車ゆえ、乗降りが多いとの事。あまり混雑しない中、1BOXに1名くらいの乗車率で普通2522列車は西鹿児島駅を定刻19:13に発車。

 

編成は前から⑦ナハネフ22 ⑥ナハネ20 ⑤スハフ12 ④オハフ13 ③オハ12 ②オハ12 ①スハフ12 最後尾には郵便車と荷物車の合造車スユニ61が連結されてる。なお7・6号車はB寝台車で5号車は指定席、4~1号車は自由席である。ナハネ20とスハフ12の連結部はホームから見ると屋根の高さに相違があるため、段差が何とも愉快で笑ってしまう。鹿児島(19:19-24)・隼人(20:04-09)「普通2522レの小さな駅は割愛します」などに停車しながら乗客が乗降りするけど本日は日曜日なので仕事帰りの乗車がほぼ皆無で西鹿児島へ買物や食事しに行ったファミリーの帰りが目立つ程度だ。

 

財部~五十市で鹿児島県から宮崎県に入り、宮崎県に入って3個目の停車駅となる都城駅(21:21-25)に到着すると多くの乗客が乗り込んできた。都城駅日豊本線以外に吉都線志布志線の始発駅や基点であり、交通の要所なのである。4分停車を終らした普通2522列車は次第に街を抜けて山之口駅から山間部に入り、大きなSカーブを走っているのが何となく分かるけど日豊本線の難所でもある青井岳で蒸気機関車時代は苦労したらしい。峠を降りると少しずつ街の灯りが見えて田野駅清武駅南宮崎駅などに停車して大淀川を渡ると宮崎駅(22:43-59)に到着すると9割近くの乗客が下車した。

 

宮崎駅では16分も停車するのでやっておきたい事は多数ある。DF50からED76への牽引機交代、そして飲み物の購入だ。先ほどの4分停車だった都城駅ではビールが買えなかったので宮崎駅では何としても補充したいものだ。取り合えず先頭に行くとDF50-533は外され、代わって大分運転所のED76-64に連結されるシーンをカメラに収めて冷えた缶ビールを求めて駅前を彷徨うとキリンビールの自販機を見つけて500mlのロング缶を購入(当時は煙草でも酒類でも自動販売機で深夜に買う事が出来た)。流石に南国宮崎は夜間でも暑くてビール探しだけで大汗をかく始末だったけど12系の冷房が有り難い。

 

宮崎駅からの乗車客もあったけど1BOXに1名程度で翌日は月曜日だから利用者は少ないようで22:59に普通2522列車から急行「日南4号」に変身して宮崎駅を発車した。西鹿児島駅から宮崎駅の各駅停車の旅、3時間30分で飽きてしまい、明日の朝も早いからもう寝ようかとM君と話して宮崎駅で買った缶ビールを飲み干して煙草を一服吸ってから就寝準備に入った。お互いに足を出し合って寝るだけなのだが車内は減光されたので2人で休む。列車は宮崎駅を出ると宮崎神宮(23:06)・砂土原(23:13)・高鍋(12:32)の順に停車するがいつの間に寝てしまったようである。

 

就寝中の停車駅と時刻・・・日向市(0:08)・南延岡(0:32)・延岡(0:36-44)・佐伯(1:54-59)・津久見(2:21)・白臼(2:32)・坂野市(2:58)・大分(3:13-4:09)・別府(4:20-21)・豊後豊川(4:34)・日出(4:46)・宇佐(5:18)・柳浦(5:26)・中津(5:46)・宇島(5:56)・行橋(6:13-14)。深夜にトイレで起きたら津久見駅で下り急行「日南4号」とすれ違うシーンが目撃出来たが昨夜は爆睡してたようで朝気が付いたら小倉駅の手前で車内がそこそこ混雑していたのは知っていたけど小倉(6:37-39)でも寝たフリをして惚けていた。流石に門司駅(6:46-58)まで来ると限界でM君と朝から派手に煙草の煙を上げる。

 

通路にいたオバサンが早朝から煙草吸うなと言いたそうな顔をしてるけど当時は急行列車は煙草を吸えて当たり前だったのに言いたくても言えない奴を逆手に取って遊んでいた。門司を発車すると約8分で終着駅の門司港に到着するが急行「日南4号」の車両が今夜の下り夜行急行「かいもん4号」に変わるらしい。定刻7:06に行き止まり式ホームの門司港駅に入線した・・・普通2522列車を含めると476.9km、11時間50分の旅でした。

 

       ★★★★★Memories of the night train★★★★★