夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 北斗星2号(SA1)

1995年5月6日(土曜日)、深名線でのキハ56と五稜郭機関区と鷲別機関区のDD51+貨物を非電化区間限定で撮影した私は札幌駅5番線ホームで帰路の「北斗星2号」を待っていた。帰路もソロの予定だったが、10時打ちでは6号車ソロしか取れなくてその後他号車ソロの空席確認をしても変更が出来なかったけど2日前に何と2号の9号車1番のロイヤルに空があって、乗車変更後に札幌運転所構内勤務の知人に問合せたら鬼門と言うか、JOKER的存在なオロハネ25-555は5/6まで6004レ~6003レの運用に入っているとの事で安心して当日札幌駅で回送1列車の入線を待っていた。17:07に手稲からの回送が入線すると函館運転所のDD51重連(1006+1068)で入線。

 

早速指定された9号車・オロハネ25-556に乗り込んで1番個室へ荷物を置いて札幌駅の停車時間は6分間と短いのでホームのKIOSK売店でサッポロCLASSIC500ml缶を発車と同時に飲み始めると我が「北斗星2号」は札幌駅の高架から地面に降りて苗穂運転所の横を通るとクリスタルエクスプレスの編成が停めてあった。豊平川の橋梁を渡って白石区から厚別区に入ったくらいにGrand Chariotのルームサービスが来たので、明日朝の珈琲と和朝食の予約もしておく。入換えに車掌が来た頃には缶ビールを飲み終えて、往復割引乗車券と指定券を呈示してポーチに入った北斗星アメニティーセットとルームキーを受け取り、ルームサービスのワインのコルクを開けて白ワインを頂く。

 

乗車中のオロハネ25-556はオハネ14-503(500番台改造される前はオハネ14-85)を種車に1990年8月7日に苗穂工場で改造された車両なのだが改造されて、乗車日基準で早4年9ヶ月の歳月が経過しているため、新しい様でも多少の劣化が見られる。特に椅子の背もたれに傷があり、窓枠下の桟(アルミ部分)他に鋭利な物で傷を付けた落書きらしき物が見える。そういえば絨毯もデビュー早々に乗った時よりふんわり感が薄れていた様な気がしなくもない。札幌駅を発車して34分、南千歳駅(17:47-48)を発車すると空港線と分かれ、更に石勝線と分かれて千歳線を進む。

 

植苗~沼ノ端の有名なアウトカーブに差し掛かると2列車にカメラを向けているK君を確認して窓ガラス越しにタオルを振ったが本人は分かったか不明である。「北斗星2号」は苫小牧駅(18:08-09)を発車すると太陽の位置がずいぶん低くなってきたが今日は夕方まで晴天なので北海道の雄大な夕日が望めそうである。少し早いけど札幌駅で購入してきたいしかり弁当で早めの夕飯を済ましていると日没時刻(18:40)が迫り、夕日を眺めながら登別駅(18:40-41)へ入線した。外が暗くなると景色は見えないので、VTRの「スピード」と「居酒屋ゆうれい」見ながら過ごしていると列車は東室蘭駅(18:55-57)に到着。

 

寝台特急北斗星2号」は東室蘭駅を定時で発車すると架線がない非電化区間へ入り、まだウィスキーのミニチュア瓶と駅売店で買ったウィスキーのポケット瓶があるので、溶けてしまった氷を貰いにアイスペール持参で7号車のGrand Chariotへ行くと氷沢山のお代わりがもらえたので自分の個室に戻ると列車は伊達紋別駅(19:17-18)を発車して洞爺駅(19:30-30)に入線するところだった。早速貰ってきた氷で水割りを作りながら札幌駅北口に近い、コンビニで購入したソフト鮭トバと四つ葉バターのチーズ他をツマミにウィスキーを楽しむ。

 

部屋の照明をやや落としてステラリウムをオンにすると天井に美瑛か富良野をイメージした蛍光塗料が紫色の蛍光灯に照らされてラベンダー色に光るのだがデビュー間もない頃に乗った時は一番通路側の星までくっきり光っていたのに5年弱で通路側の星が鮮明に光らないのは蛍光塗料の表面が汚れているのか、蛍光灯が古いのかも知れない。しかしステラリウムを男1人で見ているのも寂しいものであり、彼女や奥さんと乗って楽しむ装置なのだと思う。「北斗星2号」は長万部駅(20:01-01)を発車するとパブタイム開始まで約1時間だけど今回はロイヤル乗車で予算的に厳しいため、今回は残念だが諦める。

 

乗車前に札幌駅で買ったやまべ鮭寿司(670円)をつまみながら夜食&残りのウィスキーを飲み終えてから八雲駅(20:27-28)を発車して6号車のロビー室へ行くと大盛況でパブタイム待ちの行列も出来ていたけど、自分は自販機でサッポロCLASSIC350ml缶を購入して9号車に戻ってビールが生ぬるく前にロイヤルでシャワーを浴びてから急いで再び乾杯していると森駅(20:53-53)を発車した。駒ヶ岳越えの上り勾配区間に入ると、車内放送でパブタイムのオープニングが聞こえて大沼駅を通過してから数個のトンネルを出ると仁山駅周辺では函館の街灯かりが見えるけど一瞬の通過であるが見ておきたいポイント。

 

函館到着前に1号車まで車内を移動して最後尾で待機しいいると函館駅(21:40-46)へ到着したのでホームに降りてED79の連結を待っていると青函運転所のED79-1が接近して連結された。久々見たED79のトップナンバーだが秋田運転区のED75-765から改造されている。津軽海峡線開業とED79営業運転使用開始から7年の月日が経つのは本当に早いものだが、ED79-1の寝台列車初牽引は1986年9月20日と以外に早く、マヤ10+24系12両を牽引したED79性能試験を奥羽線で行ったのが最初。6分間の停車を終えてきた道を戻る様に五稜郭駅から江差線に入るとロイヤルのシャワーを浴びて浴衣姿で寛ぐ。

 

やがてED79のかん高いホイッスルが聞こえると長さ53.85kmの青函隧道に入った。今では当たり前のように感じているけどこのトンネルのお陰で上野と札幌間が乗り換え無しで移動出来るようになったのは本当に有り難かった。上野駅で発車表示板に札幌行きの文字が見え、同じ様に札幌駅で上野行きの表示を始めて見て感動した1988年3月18日と翌19日の想い出は脳裏に焼き付いている。青函隧道を出て本州に上陸すると深名線の沿線撮影では始発列車から追いかけて夜はバルブ(長時間露光)撮影してたので殆ど車中泊が多く、寝不足なので急行「はまなす」との交換がある運転停車蟹田駅(23:37-38)を発車と共にベッドに入った。

 

以降は就寝中の停車駅発着時刻・・・青森(0.04-12・盛岡(2:39-41*)・仙台(4:49-51)・福島(5:50-52)・郡山(6:31-33)。目が覚めたのは確か6:30で、アラームによって起こされたが窓のカーテンを開けたら郡山駅に到着していた。7時ジャストにモーニングコーヒーと新聞が届くので急いで寝床を片付けて朝の準備とシャワーを済まして車窓を眺めているとノックする音が聞こえたので扉を開けるとモーニングコーヒーと新聞のサービスだった。コーヒーを飲みながらマッタリした時間を過ごしていると黒川橋梁(豊原~白坂)を渡ると福島県から栃木県に入り、今度は那賀川橋梁を渡るとデットセクションのある黒磯駅を通過した。

 

北斗星2号」は黒磯駅で設定臨9010列車を抜かすダイヤになってて通常は「エルム82号」「北斗星トマムスキー」「夢空間北斗星82号」「北斗星トマムサホロ」等で使用しているスジだが本日は臨9010レの設定がないのか中線には何も停車してなかった。Grand Chariotから運ばれた和朝食を食べながら新緑の車窓を眺めていると和朝食を食べ終えた頃に宇都宮駅(7:56-58)に食べ終えて満足。宇都宮駅を発車すると大宮まで1時間なので荷物の整理を終えたら車内を歩いて先頭車の1号車まで移動すると切妻の展望箇所まで除くと田端運転所EF81-133だった。

 

133号機は窓上にツララ切りのヒサシを装備したいかめしい面構えのEF81で95号機や81号機に次いで人気がある機関車で人気がある。133号機の運用を知って集まっているのかワシクリ(東鷲宮~栗橋)やヒガハス(東大宮~蓮田)には多くの鉄道写真ファンが集まって盛り上がっているようだが北斗星は定刻で大宮駅(8:54-56)に到着。大宮駅を発車して早々に個室キーの回収に青森運輸区の車掌が登場して荒川橋梁を渡ると東京都内を走り、尾久客車区と田端運転所の脇を通過すると井堀信号所横を通ると9:20、寝台特急北斗星2号」は上野駅14番線に滑り込んだ。

 

本文に『ED79-1の寝台列車初牽引は1986年9月20日と以外に早く、マヤ10+24系12両を牽引したED79性能試験を奥羽線で行ったのが最初』という記述があるけど秋田県の土崎工場で1986年9月10日付で改造・落成されたED79の試作機である1号機は青函ATCや海峡線ATSは未搭載なので奥羽線を臨試客として牽引できた。後に青函航路で海を渡り、五稜郭準備運転区(後の青函運転区)へ配属後、青函ATCや海峡線ATSを搭載して1987年の晩秋から1988年の津軽海峡線・開通数日前まで五稜郭~青森信号所にてED79牽引の50系やED79+ED79100重連牽引の乗務員習熟訓練(ハンドル訓練)が行われた。

 

今回はかなり鉄分が濃い文章が多くなってしまったがyahooブログ・夜行列車の想い出のコミュ(yahooブログは2019年9月で閉鎖になり、コミュは他のSNSへ移行)のメンバーさんから資料的な記述要請もあり8月は北斗星完全廃止5周年でもあるので書き加えましたが興味がない方は流し読みしてください。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★

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