夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

夢空間北斗星82号(SA1)

1994年6月11日(土曜日)、6月8日の「トワイライトエクスプレス」で札幌に来て道内で2泊した僕たち夫婦は札幌駅5番線ホームで臨時寝台特急夢空間北斗星82号」の入線を待っていた。 手稲を15:14に出た回送9119列車(夢空間北斗星82号の回送)は空知運転所のDD51重連(1038+1048)に牽引されて15:28、札幌駅に入線した。 帰りもデラックスに夢空間のエクセレントスイートかスーペリアツインで帰るのかと勘違いされそうだが往路が、「トワイライト」の展望スイートに夫婦でフレンチディナーの贅沢をしてるので帰路はロイヤルで帰る。 エクセレントスイートなら1991年1月24日の「北斗星トマムスキー」で乗ってるし、予算オーバーだ。

 

早速5号車に乗り込むと尾久のオロハネ24-501が運用に入りラッキーだ、4分の3の確率でオロハネ25-500番台が入るため、車端ロイヤルもやむなしと考えていたのだが助かった。 5号車1番の扉を開けると通常は定期「北斗星3or4号」(東日本編成)の9号車に連結されている事が多い車両でソロでは1992年8月14日に乗ってるけどオロハネ24-501のロイヤルは今回が始めてであるが内装や設備・スペックはオロハネ24-550のロイヤルと同様である。 編成は電源車が先頭で8号車、7号車と続き、最後尾が夢空間の1号車となるダイニングカーで青森駅は入らずに青森信号所経由から先は夢空間が先頭になる。

札幌駅での8分停車を終わると「夢空間北斗星82号」は札幌駅を定刻、15:36に発車するとすぐにダイニングカーのグランシャリオスタッフからウェルカムドリンクが届いた。スタッフ氏名札には仙台営業所と書いてあり、定期北斗星は3往復全て上野営業所に切り換っているのに仔細を聞くと夢空間北斗星81号・82号や北斗星トマムスキーなどの夢空間運用のみで話によれば今年一杯の応援との事。入替わる様にして札幌車掌所の車掌が来てやっと落ち着いた我が、ロイヤルだが、嫁はトワイライトの展望スイートに比べて格段の差がありすぎて狭く感じると言い出す始末(初めてロイヤルに乗せた時は喜んだのですが贅沢って怖いですね・・・苦笑)。

 

2人用個室と1人用の個室の差であり、金額的にも2人分の寝台料金は50,000円と26,210円(補助ベッド使用)と倍近い金額で実際に2人で乗ってみるとSA2は1人分25,000円なので決して高くないと思ったほどで嫁の言い分も分かる様な気もする。 話が脱線しましたがウェルカムドリンクのワインなんて見向きもしない嫁が車内を探っ来ると出かけたので僕は明るい車窓を眺めながらワインを飲んでいると南千歳駅(16:14-14)を発車。その時間の飛行機に乗れば夕飯前に帰宅できるのだなと、どうでもいい事を考えながら苫小牧駅(16:35-36)へ到着した頃に嫁が戻って来た。

 

開口一番に2号車スプレモのバーカウンターは無人バーテンダー、居なかったとの報告だが、車内販売で買った紙コップ入りの珈琲をスプレモの窓際の席で楽しんだそうである。嫁も戻ったのでまだ17時前だけど、パブタイムまで待てないので札幌駅で買った「やまべ鮭寿司(670円)」を早くて軽い夕飯につまむ。 ビールが欲しくてもロビーカーが連結されてないため、自販機もなくて以外に不便かも知れない。 臨時寝台特急夢空間北斗星82号」は登別駅(17:07-07)を発車しても隣のロイヤル2号室は空いてるし、探検に行った嫁の話でも3号車の3部屋あるA個室も空があったと言うし、臨時の上りは人気がない。

JR貨物鷲別機関区が見えてくると1992年に投入されたDF200の試作機901号機の姿は確認出来なかったが鷲別機関区を通り過ぎると東室蘭駅(17:22-24)に到着。 東室蘭駅を発車してすぐに国道36号線を潜ると架線柱が消えて完全なる非電化区間に入った。新日鐵・日本製鉄・そして石油コンビナートの間を列車は進み、海が近付いてくると海上には建築中の白鳥大橋(高さ140m・全長1380m)が見えて黄金駅の手前から砂浜のビーチが近付いて風光明媚な内浦湾(噴火湾)が見えてきた。 北海道では一番海に一番近い、北舟岡駅を通過すると駅の跨線橋から「夢空間北斗星82号」を狙ってる鉄道写真ファンを確認。

伊達紋別(17:50-51)と洞爺(18:04-04)を通過する頃には太陽も低い位置に下がって海沿い
の豊浦・大岸・礼文の各駅を通過して、トンネルとトンネルの間にある小幌駅を一瞬に過ぎると静狩駅から旭浜駅(2006年3月18日廃駅)まで長い直線を行くと長万部駅(18:40-41)に到着だ。「北斗星2号」だと伊達紋別駅で日没を迎えているけど「夢空間北斗星82号」はまだ明るく、18:50頃に通過する八雲駅でも日没前で当日の日没時刻は19:15、石谷駅通過くらいである。 日没を過ぎると周囲を漆黒の闇が迫り、仁山駅周辺で遠くに見える函館の夜景を見下ろして暫く進むと33分停車の函館駅(20:27-50)に到着。

 

牽引機を確認すると青函運転所のED79-3だったが、早めに20:45くらいに2号車の1号車寄り(2号車の公衆電話横へ1番乗りで並び、列車は函館駅を発車。ディナーは事前予約制ではなく、当日車内予約の6000円ミニディナーなので料理点数も少なくて早く終わる様で函館発車と同時に開店である。 展望席横の2人テーブルに座りメニューを眺め、僕はビーフシチューコースを、嫁はハンバーグステーキセットにそれぞれグラスワインも注文。 運ばれてきた料理を目で楽しんでからお互いに分け合いながら食べると嫁が注文した1800円のハンバーグステーキセットは間違いなく美味しい。

 

スープ・フルーツサラダ・ライスが付いてこの価格だから間違いなく合格点だ。次は僕が注文したビーフシチューコース(スープ・サラダ・パン・コーヒー付き)だが、嫁は美味しいと言ってくれたが、僕は1988年3月13日~1991年3月15日までディナータイムメニューに実存したスペシャルシチューコース・Cコースディナー(3000円)の品とは肉質・肉量や味覚も別物だったので僕はよい評価はしていない。 厨房も一人だからレトルトを暖めただけなので決して不味くはないし、嫁は美味しいを連発してたくらいでディナーのビーフシチューを食べてなければ素直に美味しく感じていた筈である。

 

こうしてグラスワインを飲みながらのパブタイムを楽しんだが、嫁は北斗星のパブタイムは初めての経験で小さい子供が同乗してては無理だったのだ。嫁はグラスワインで酔ったのか、生意気にもこの食堂車は夜もいいけど朝食が一番似合いそうなどマニアックに楽しそうだったので今度は北斗星1・2号に連結してあるGrand Chariotにも乗せてあげないとな(笑)・・・でも子供が一緒に行きたがるから暫くは無理かも?。江差線を走行中の「夢空間北斗星82号」は矢不来信号所(21:15-22)で下り高速貨物3083レと交換するために7分の運転停車したけどダイニングカー車内が明るいのと窓が二重ガラスのため、外はあまり見えない。 パブタイムでの飲食を済まして会計が終わって個室に戻る最中に青函隧道を出た。
 

 

新中小国信号所で海峡線から津軽線へとシフトしてこの先は単線区間なため、下り列車との交換で運転停車が続く。 蟹田駅で下り貨物4097列車、郷沢駅で下り高速貨物3055列車、奥内駅で下り急行201列車(はまなす)とそれぞれ退避交換の運転停車を行い、これまた運転停車の青森信号所(23:36-48)に到着した。 時間が時間なので今夜はこれで就寝して機関車確認は翌朝にする・・・寝ている時間帯の停車駅時刻は仙台駅(4:32-35)・福島駅(5:35-37)・郡山駅(6:15-17)で自分は6:15くらいに起きたけど嫁はまだ爆睡中。 何とか起こして1号車のダイニングカーへ行くと最後の和朝食を頂く事ができた。


ダイニングカーの展望窓から牽引機(EF8192)も確認できて、ロイヤル・ルームサービス用の珈琲も美味しく頂いて会計の時にこれまたロイヤル特権の新聞も頂き、ラウンジカ
ー・スプレモを通過しても「Twilight Express」の魅力にやられて1991年1月24日の「北斗星トマムスキー」で乗った際に絶賛したスプレモには興味を示さずに削がれた様だった。 個室に戻ると列車は黒磯駅(7:09-23)に運転停車にて入線。 黒磯駅では後から来る「北斗星2号」の通過退避待ちなので2人窓から眺めているとEF81-89に牽引された「北斗星2号」が、黒磯駅を車上切替で通過。 「夢空間北斗星82号」は停車中に電源切替えて発車である。

 

黒磯駅を発車すると上野駅まで2時間20分なので荷物の整理をしながら子供向けに購入
した車内購入の列車グッズなど今回の旅に連れて行けなかった息子へのお詫びお土産多数。宇都宮駅(8:10-10)に到着するとこの列車を待機してる快速3520Mを待たせて先に発車すると旅もエンディングに近付いてきた。 途中の有名撮影地でこの列車を撮影している鉄道写真ファンの数を嫁と探しなら数えていると、いよいよ最後の停車駅でもある大宮駅(9:15-16)に入線。 通勤でも利用する京浜東北線205系が見えてくると毎度の事ながらブルーになってしまう。

 

大宮駅を発車して下車準備を行っていると荒川を渡り、都内に入って尾久客車区・田端運転所を横目に見ながら走って、下り列車が尾久客車区などに入る井堀信号所の横を通過するといよいよ終着駅上野駅だ。 通常定期「北斗星」では16時間前後しか、かからないけど18時間36分という所要時間を2時間以上も長く乗れた寝台特急夢空間北斗星82号」の旅も終わりで定刻9:43に通常は特急「ひたち」・「スーパーひたち」が発着する上野駅18番線に到着した。

 

☆札幌圏と首都圏を結ぶ「北斗星」の臨時列車は今回2回目の利用で1991年1月に「北斗星トマムスキー」号で夢空間の2人用A個室「エクセレント・スイート」以来、3年5ヶ月振りの北斗星臨時列車群に乗車して初めての上り臨時であった。しかし関東圏に住む者にとっては下り列車ぢゃないとイマイチ萌えないって言うか発見もなく、他の客との出会いも無かったため、マンネリ打破のために嫁に登場してもらいましたが本人は自分が活字になったなんて今でも知りません(苦笑)。☆

 

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★