夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 Twilight Express(SA2)

1994年6月8日(水曜日) 、僕たち夫婦は「ひかり209号」乗換で大阪駅10番線のホームで下り「Twilight Express」の入線を待っていた。 下り「トワイライト」に乗るのは初めてなので前日からワクワクしていた。それも寝台特急券には1号車1番の展望スイートと書いてあり、ホームで「トワイライト(8001列車)」を待つ僕らの顔はニヤけてたに違いない。実は10時打ちではSA1の補助ベッド使用で取れたのだが乗車日2日前に展望スイートが取れて「はやぶさ」「富士」のソロ旅で夜行列車開花した嫁も大喜びしたけど一番「トワイライト」SA2に乗りたがっていた息子は今回不参加で残念。

 

GWの「はやぶさ」「富士」旅で5/6と5/7の学校登校日を休ませたのに6/8~6/11も休ませる訳には行かないので今回は家で留守番して僕の母が息子の世話をしてくれる事になった
。10番線で待機していると食堂車ダイナープレヤデスのスタッフが、ホームに整列して11:37に敦賀運転所のEF81-114に牽引された8001列車が入線。臨時列車といえど流石に豪華列車なので華やかなのは驚きで、早速1号車に乗るとスロネフ25-503でオハネフ25-44を種車に1991年改造された一番新しいスロネフ25である。 乗り込んで個室の扉を開けると最初に声を上げたのは嫁で大きなツインベッドと先に広がる展望窓を見て満面の笑顔。

 

北斗星トマムスキー」の夢空間・エクセレントスイートに乗った時は嫁に酷評したけど今回は真っ先に評価してくれた。 停車時間が23分あるのでホームからと、展望窓から記念撮影して駅員にまでシャッターを頼む始末。 水曜日なのでギャラリーは少ないけど羨望の眼差しを受けながらホームの人に手を振って12:00に大阪駅を定時発車した。 大阪駅を発車するとすぐにダイナープレヤデススタッフが飲み物の注文を取りに来てワイン(2本)をお願いしてから朝食は和食のルームサービスでお願いする。スタッフが去った後に北斗星ならワイン以外にウィスキーが付くのにと嫁は不満そう(こればかりは会社の相違だから仕方がない)。

ダイナープレヤデス・スタッフと入れ違いに大阪車掌区の車掌が登場、新大阪(12:05-06)発車後に持ってきてくれたハーフボトル・ワインにおつまみで早速嫁と展望窓近くのリビングで乾杯した。 流れ去る車窓の風景を肴にハーフボトルワインを空けると向日町運転所脇を通って京都(12:34-35)に到着。 夫婦で大阪駅の駅弁「八角弁当」を食べながら山科から湖西線にシフトして暫くすると琵琶湖が見えてきた。さて今回乗車券は往路:都区内~山科~金沢~新津~秋田~青森~五稜郭~札幌駅で、帰路:札幌~函館~青森~都区内をレール&レンタカーの2割引で購入して山科~大阪往復を別途購入している。

 

新疋田の鳩原ループを通過すると敦賀運転所脇を通過し、敦賀(13:44-46)に到着して扉横の字幕サボで記念撮影すると敦賀を発車して敦賀~今庄で1972年に急行「きたぐに」が火災を起こした北陸トンネルを通過。 後ろに流れる展望景色を楽しんでいると7分停車の福井(14:28-35)に停車するが、これは特急「スーパー雷鳥5号」の先行退避なので7分は記念撮影するので使う。 何せ大阪と札幌両駅での停車を除けば福井の7分と直江津の14分しか無く、ホームでの買物や記念撮影は無理なのである。 この先寝台特急「トワイライト」は金沢(15:30-32)・高岡(16:04-04)・富山(16:20-20)に停車。

 

ここまで大阪・京都・滋賀・福井・石川・富山と6府県を走行して富山の先くらいから待望の日本海が、見えてきたけどTwilight Expressという名前の黄昏色の光線にはまだ早く、直江津(17:42-56)に到着だが、特急「かがやき9号」の到着発車待ちで14分停車する。 8001列車の停車(運転停車含む)では1番長く停車する途中駅であるが今回は先頭のEF81-114の前で記念撮影して駅員にシャッターを切ってもらった。直江津を発車すると空が、いい色になってきたけど残念ながら柿崎~柏崎ではやや太陽がやや高いようだ。直江津の日没が19:05、長岡日没時刻19:04だったけどこんな物か?

 

長岡(18:52-53)くらいが、一番エロい光線だったけど海でなくても嫁は喜んでくれて満足していると信越線走行中に2回目ディナータイムの放送案内があったので嫁をエスコートして3号車の食堂車:ダイナープレヤデス(スシ24-3)へ行くと豪華な内装の車内に嫁が吃驚。 1991年物シャブリを1本頼んでコース開始である・・・「イクラキャビアスタンダール風」「グリーンピースのクリームスープとトマト」「鯛の薄切りワイン蒸し、伊勢海老飾りカルディナル風」「牛ヘレカツ べアルネーズソース」「アンティヴとトマトその他」「本日のソルベ(口直しのシャーベット)」「若鶏のクラポウデーヌ」「苺のムース」「キャフェ又は紅茶」の9品。

パンの種類もおかわりもあって雰囲気も味も接客も良くてこれなら12,000円でも満足な内容だと嫁と話合ってワインの代金支払いを終えて来た反対側に嫁を誘導すると4号車がラウンジカーのサロンデュノール(オハ25-553)で金ピカ豪華意匠にこれまた嫁が驚愕する。 早速トワイライトエクスプレスでしか飲めない「カクテル夕日」・「カクテル漁火」(各千円)をそれぞれ注文して旅の記念に乾杯した。 ダイナープレヤデスとサロンデュノールで夢の様な時間を過ごした我々夫婦だが、「トワイライト」は所定時刻で運行して新津(19:21-33)に停車している。その後は3時からの青函トンネル説明会に参加するため、早めに就寝。

 

就寝時間中の停車駅時刻(運転停車は<>で表記)・・・鶴岡<21:36-37>・酒田<22:00-02>・秋田<23:30-32>・大館<0:57-58>・青森<2:08-18>・蟹田<2:46-47>。 4時間半くらい寝たであろうか?急いで嫁を起こしてから支度をして早めにサロンデュノールへ行くと説明会の一番前が空いていたのでそこに座って紙芝居とパネルを使った青函隧道の説明を聞いて最後にクイズ大会になって私は景品をGET。 初めて1989年5月2日の北斗星4号で見たM浦車掌の青函トンネル説明会より格段にアップして円熟を増した内容で素晴らしかった。 お礼を言って自分達も個室に戻るが列車は江差線内を走行中である。

嫁は2度寝しちゃったけど夜が明けたので(函館市日の出時刻は4:02)シャワーを浴びて朝の支度が、終わると着替えて展望室のカーテンを全開にして早朝の車窓を楽しんでいると五稜郭<4:29-42>に運転停車。展望室の前を塞いでいた青函運転区のED76-551が、離れて停車中に函館駅を4:32に発車した「北斗星1号」が横の本線を通過すると受信機からは無線機の感銘試験が入感して4:42に「こちら8001列車、五稜郭発車」の無線が聞こえてゴトリと動いて函館本線に入った。 桔梗・大中山七飯と走り、列車で北海道に渡ると最初に見える景勝地の小沼と大沼の湖畔を走って名峰駒ケ岳が見えて来る。

 

大沼国定公園を過ぎる駒ケ岳が近付いて下り勾配を降りると内浦湾が、見えて朝6時半に少し前に嫁が起きて6:40にモーニングコーヒーが届いた。 展望席のソファーで夫婦でコーヒーを飲みながら去り行く北の台地の景色を眺めて新津以来となる営業停車駅の洞爺(6:47-47)に停車すると終着札幌まで残り2時間20分だ。 進行方向左手に有珠山昭和新山が、美しく見える有珠~長和で7時に予約した和朝食が、運ばれて珈琲に続いて頂く。 食べ終えた容器を回収したダイナープレヤデス・スタッフがもう1回来てトワイライトグッズは如何ですか?と営業を始めたので家で留守番している息子用に何点か購入した。


トワイライトTシャツ(2,500円)のSとMサイズ(大きくなっても着れるように)とキーホルダー(1,200円)を購入して自分用にネクタイピン(3,000円)も購入。やがて列車は東室蘭(7:17-19)、登別(7:34-35)発車すると函館車掌所の車掌が、スイート乗車のお礼に来てくれて列車は苫小牧(8:06-06)に到着すると遂に終着、札幌駅まで60分を切ってしまった。 乗ってしまうと楽しくてもっと乗っていたいのだが、確実に終着駅に近付いている訳で南千歳(8:25-26)に到着すると次が、もう札幌駅で南千歳を発車すると現実に戻されて下車準備を行うと上野幌駅電車特定区間の札幌市内に入っている。


最後の区間の後ろへ流れる車窓を立ちながら眺めて白石駅を通過すると豊平川を渡り、白石区から中央区へ入ると工場や研修センターが、ある苗穂駅を通過すると札幌駅に通ずる高架線へ入り、藻岩山が見えてくると札幌駅5番線ホームに定刻09:04に到着した。 大阪駅から21時間の長い様で案外短く感じた旅が終わった・・・ホームに降りて嫁とここに21時間09分住んでいたんだよなぁーなんて話しながら札幌駅の駅レンタカーへ急いだ。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★