夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 富士(B1)

1994年5月7日(土曜日)、Golden Week後半の山口県内旅行を終えた、我々家族3人は下関駅寝台特急「富士」の入線を待っていた。 19:26に大分運転所のEF81-411に牽引されて「富士」が入線。 早速12号車(オハネ25-1004)に乗り込むとソロ個室に荷物だけ置いて僕と息子は先頭の機関車を確認。 富士のヘッドマークを付けた下関運転所のEF66-38を凛々しく見ていると確かブルトレ運用はEF66の40号機から55号機限定運用だった筈で旅客専用機が他で貨物専用機の38号機が運用に入ってるのかも知れない。帰路の「富士」Bソロは4番(上)、7番(下)、10番(上)の3部屋がキープ出来た。

 

取り合えず人数が入れる1階部屋の7番ソロに集結していると大分車掌区の車掌が、キップ類の拝見に来て帰り際に個室ルームキーを3個渡してくれた。 往路と違い、帰路は最初から部屋割りを決めずに各自好きな個室を乗車中に決めようという趣向である。 「富士」の下関発車が19:30なので早めの夕飯は乗車前に済ましてあるけど一部屋に集結して各自の飲み物で乾杯してコンビニで購入した食料をつまむ。 列車は宇部駅(20:07-08)・防府駅(20:41-42)に停車すると各駅で乗ってくるがキップ拝見の時に車掌に聞いたら「富士」のソロとシングルDX(A1)も完売、B寝台は約9割が売れてるとの事。

今宵の部屋割りで意外と1階希望を押したのが嫁で「はやぶさ」では遅い時間帯まで流れ
る車窓の虜になったそうで「はやぶさ」では2階だったので「富士」は1階がいいと要望。息子は個室内に階段があるため、往路では1階個室にしたけど長めのいい、2階を希望。 最後に僕が余物となり、4番(僕)、7番(嫁)、10番(子)と部屋割りは決まったが、嫁も息子も満足してくれて本当によかった。 当初の計画では「あさかぜ2号」のデュエット1部屋にB寝台の予定だったけど「富士」の各自ソロ1部屋充てがって本当に良かったと思う。 21時になると息子を連れて10番ソロを案内して注意事項を促して僕は4番の個室に帰った。

列車は下松駅(21:10-11)・柳井駅(21:32-33)に停車して自分も疲れているので早寝しようと就寝前トイレ帰りに息子の個室に立ち寄ると息子は個室内の照明を落として流れる車窓の虜になっていた。次に嫁の個室に行くと車窓眺望は2階がいいけど1階の方が住居環境はよさそうだと満足気味なのに僕は苦笑して(本当は嬉しかった)自分の個室に戻って就寝する。 以下は就寝中の停車駅時刻(<>時刻は運転停車)・・・広島(22:31-35)・福山(0:34-35)・岡山(0:45-47)・大阪<2:55-27>・米原<4:20-22>・名古屋(5:19-22)。

 

実は名古屋駅停車前に起きて3分停車を利用してホームの自販機で缶コーヒを買っていたら個室の窓から息子に見られて車内に戻るとロビーカー行きをせがまれたので9号車のロビーカー(オハ24-703)へ行くと早朝のため、ほぼ貸切状態。 息子にロビーカーの自販機で缶ジュースを買って僕は名古屋駅で購入した缶コーヒーのミニ缶で朝から乾杯。 息子に聞くと昨夜も広島駅の先まで起きていたそうで困ったものだ(苦笑)・・・列車は豊橋駅を通過して浜松駅(6:31-33)を発車したと同時に我々もロビーカーを後にして、個室に戻った。 洗面や歯磨きを済ませて朝の支度をしていると嫁が起きてきた。

 

静岡駅(7:31-32)が近付くと前もって東海軒に予約した幕の内弁当とお茶の引き取りと清算を済ましに12号車デッキへ行くと東海軒の担当者さんにすぐに出会えて代金を渡して確認後に弁当とお茶の入った包みを受け取って家族が待つ7番ソロへ行くと、個室内は整理されており、まだ暖かい幕の内弁当で朝食にする。 「富士」の車内でも食堂車での売店や車内販売でも弁当を入手出来るのは知っていたけど日本食堂(Jダイナー)の冷えた弁当は嫌だったので事前に予約した訳。 大垣夜行では数え切れないほどお世話になった駅弁だけど久々の再会はとても美味しくて僕も家族も大満足。

列車は富士駅(7:59-59)と沼津駅(8:16-17)に停車するものの、富士山・山頂には雲が掛か
って日本一の山は拝めなかったが全長7,804mの丹那隧道で伊豆半島根本と箱根の中間に
当る丹那盆地の下を潜って丹那隧道を出ると、来宮駅の横を通過してJR東海JR東日本の境界駅でもある、熱海駅(8:34-35)に到着。 熱海駅を発車すると東海道線相模湾沿いを行くので息子を誘って通路側の窓から景色を楽しむ。 千歳川を渡ると静岡県から神奈川県に入り、湯河原~真鶴~根府川~早川で見れる海を撮影地をチェック。 ブルトレ第二群ともなると早朝の海とは別物だが、東海道線から見える海はよい。

 

国府津駅通過くらいから都会が、近付いてきた雰囲気で大船駅先の観音様が見えるともう横浜市に突入、東海道線京口では最初の煉瓦造り、清水谷戸隧道を出て数分走ると当時は日本一の高さを誇る高層ビル「横浜ランドマークタワー」が、見えるといよいよ都会に帰ってきた感じで熱海駅から1時間ちょうどにて横浜駅(9:35-36)に到着。 横浜を発車すると東京駅まではすぐなので下車準備をしていると多摩川を渡った頃に大分車掌区の車掌が個室キーの回収にきて品川駅を通過すると東京へ帰って来たなぁ~と実感してしまう。 京浜東北線や山手線と並走すると明日から仕事か~とナーバスな気分になる俺であった。

今回の「はやぶさ」「富士」のソロを使った単独1人個室旅は妻子から楽しかったと好評で家族に夜行列車と個室寝台車の楽しさを知ってもらえたのが何より嬉しく、感想などを聞いている内に寝台特急「富士」は有楽町駅を通過して定刻9:58に東京駅9番線ホームに到着した。

 都合により本日UP分のブログ記事公開が夕方になってしまい申し訳ありません

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★