夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 鳥海(24系)B寝台

1994年2月24日(木曜日)、急遽翌日の2月25日に出張で青森市へ行く予定が、急遽発生したのだが今からでは羽田18:30発のJAS217便には間に合わないので青森市内に9:30くらいに到着すればよいため、寝台特急「鳥海」のB寝台利用を決め、20時まで残業してから会社近くの中華飯店で飲みながら夕食を済ませて上野駅に向かう。 指定券は禁煙車・7号車の一番売れていないブロックの下段をチョイスして入線する上野駅15番線ホームで入線を待つ。 普通なら上野~青森間の寝台特急だと「ゆうづる」「はくつる」利用が筋なのだろうけど青森駅の到着時刻が、やや早くて不都合なのと2段ハネの24系が快適だから(趣味的に高崎~上越~羽越~奥羽線経由で愉快)。

 

仕事なのに自己都合的なマニアック記述をしてしまったが、21:07に推進回送で「鳥海」が入線してきたので扉が開くと一番で7号車のオハネ24-58に乗り込んで先頭の機関車へ移動すると長岡運転所のEF64-1000でなく、本来なら新津駅で機関車交換する予定の同じ長岡運転所のEF81-133が連結されていた。 実は1993年12月改正(実際には1993.11.29)で「鳥海」は長岡運転所のEF81が通し運用に変更。 「あけぼの」も同一日に田端運転所のEF81による上野~新庄間の通し運用に変わって上野口ではEF65PF牽引による寝台特急が、完全に消滅してしまった(季節列車と臨時列車を除く)。

 

KIOSKで缶ビールとバターピーを購入して車内に戻ると数分後に寝台特急「鳥海」は上野駅を定時21:23で発車すると車内放送を終えた車掌が、切符と乗車券拝見に回って来たので乗車率を聞くと半分弱との事。 1993年12月ダイヤ改正で同じ上越線羽越線経由だった寝台特急「出羽」が廃止され、「鳥海」に吸収されていてもそんな数字の乗車率なのだ。 大宮駅(21:49)を発車しても自分が、座ってる区画は人が誰もいないけど指定券購入時に敢えて売れていないブロックを調べて購入したのである。 年度末多忙で連日遅くまで残業してるため、慢性的な寝不足で早めにベッドへ入る事にした。


横になりながら上越区間EF64-1000より、パワーの弱いEF81(定格速度は両者同一だが定格引張力はEF81が3.63kN*劣る)だと急勾配の多い上越国境で問題ないのだろうか等と考えていたら眠ってしまったらしい。以降は停車駅の時刻(<>は運転停車)、高崎(22:50-53)・水上<23:42-44>・長岡<1:04-06>・新津<1:43-45>・村上(2:48-48)・あつみ温泉(3:37-37)・鶴岡(4:06-09)・余目(4:23-23)・酒田(4:35-37)・遊佐(4:49-49)・象潟(5:14-14)・仁賀保(5:24-24)・羽後本荘(5:38-38)・秋田(6:11-13)。 7時間以上寝れたので秋田到着前に目覚めたので2分停車で自販機の缶コーヒーを飲みながらまったりする。

 

幸い自分のいるコンパートメント(BOX)には自分だけだったのでゆっくり寝れたが、村上駅でトイレで起きた記憶がある。 1993年12月ダイヤ改正前の寝台特急「鳥海」は高崎駅を出ると羽後本荘まで営業停車はないが、改正後の「鳥海」は廃止で吸収された「出羽」の分も担って小まめに新潟県北東部や庄内地区の駅にも立ち寄っているのが改正後の特徴だ。 秋田を車すると八郎潟(6:43-43)・森岳(6:58-59)・東能代(7:11-15)に停車して日本海側なのに雪も半端ない。 東能代駅の4分停車で先頭のEF81-133を見に行くと、雪だるま状態で凄い姿になっており、この先は白沢~陣場津軽湯ノ沢~碇ヶ関と更に雪深くなる区間だ。

 

東能代定刻発車すると「鳥海」「日本海」「あけぼの」の撮影で訪れた事がある、富根二ツ井を通過して二ツ井(7:23-30)を発車。「鳥海」は既に秋田からヒルネ扱いになっているが7号車にはまだヒルネ利用者が来ないまま、前山駅(7:29-35)という小駅に突然停車した。 実は大阪行き特急「白鳥」の交換退避であり、上沼垂485系カラーのグレードアップ編成が、通過すると「鳥海」も発車して鷹ノ巣駅(7:41-42)に到着。 やがて朝食が待っている大館駅(8:00-01)に入線するとデッキで名物の鶏めし弁当(¥800)とお茶を購入。 早朝の秋田駅でも弁当は売ってたけど幕の内弁当しかなかったので鶏めしにした次第。

 

早速大好きな鶏めしで朝食を食べていると峠もあり、県境でもある白沢~陣場津軽湯ノ沢~碇ヶ関に入ると降雪量も更に増えて、牽引しているEF81-133の頑張りで今のところは定時運転を確保しているのは凄いと思う。 酒田機関区に投入されたEF81-133は上越国境を走るため、ツララ切りのヒサシなどの装備を増設して長岡運転所に投入された機関車だけど1994年12月「はくつる」の24系25形化で133号機は田端運転所へ転属する事になる。 列車は碇ヶ関駅(8:21-11)・大鰐温泉駅(8:30-30)に停車して弘前駅(8:41-42)へ定時で到着したが、あの雪の中で定時運転は本当に驚きだ。

 

弘前駅を発車すると次の駅が、終点で下車駅の青森駅なので下車準備をしながら車窓の景色を眺めながら本州最北端の百名山である岩木山(標高1,625m)が、見えなかったのは残念だけど津軽線との合流ポイントを進んで定時9:15に青森駅へ到着した。 12時間弱の旅だったけれど大いに楽しめて極め付けに空いてた開放B寝台も快適で満足。 寝台車の旅は客車の開放B寝台が基本なんだなと再確認を感じた寝台特急「鳥海」である。

文中上から23行目、3.63kN kNはキロニュートンと読み3.63kNは370kgfと同じ意味

          ★★★★★Memories of the night train★★★★★