夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

急行 いわて3号(455系・自由席)

今から紹介する記事は乗車した日にちや時期他などが分からないため、今まで紹介出来ずに日の目を浴びる事がなかった記事です。そのような想い出・夜行列車レポートにも採用されなかった記事ですが、機会があればその様な記事もアップしてみたらどうかと思い、毎週月曜日に定期的にUPする記事とは別に突発的にUPした。

 

乗車日時や乗った車両の番号(系式・形式は記述)だけど上りも下りも1号、2号、3号と番号を付与してるからゴーサントウ(昭和53年10月2日)ダイヤ大改正以前だと推察される。6月だったか7月なのか手持ち資料に記述はないけど夏休み前のシーズンオフだったような気がするけど自分は上野駅15番線ホームで、急行「いわて3号」の自由席乗車位置で入線を待ちかねていた。当時の下り夜行急行「いわて3号」は455系・12両編成で自由席は1~3号車・8~9号車・11~12号車の7両であり、自分は先頭車の12号車に並んだ。

 

因みに4号車と10号車はグリーン車、5~7号車は指定席だったけど入線30分前から並んだけど12号車の乗客は少ない状態で23:14に急行「いわて3号」となる回送105Mが入線した。扉が開くと12号車のクモハ455に乗り込み、席をキープしてホームのキヨクスと言うより、鉄道弘済会売店の名称が似つかわしい店で愛用の煙草と缶ビールなどを購入して車内に戻ると乗客は余り増えぬまま、23:32に上野駅を発車して岩手路へ向かった。発車と共に缶ビールを開けて飲んだり煙草を吸っていると赤羽は通過して、大宮(23:59-59)に到着した。乗り込んで来たけどまだまだ1人1BOX占領できる範囲内である。

 

急行「いわて3号」を選んだのは盛岡駅へ良い時間(8:13)に着けるため、他にも候補はあったけど急行八甲田の盛岡着は3時台で論外。急行十和田1号と2号は朝5時台着(十和田1号は季節列車なので設定なし)で、これも候補からはずれて十和田3号は8:25着なので候補だったけど夏の旧客は寝れないので急行「いわて3号」に落ち着いて学割で8000円台?だっと記憶する盛岡・八幡平ミニ周遊券を使用した。列車の車内は減光されて夜行列車らしくなり、小山(0:50)と宇都宮(1:17-19)に停車してそろそろ寝ようとトイレへ行く序に隣の11号車を確認すると12号車と同じ様に空いており、10号車のグリーン車なんて空気輸送と同じである。

 

初めて乗る交直両用・急行電車での夜行列車だけど乗ってしまえば車内は165系と大差ないなんて考えていたらいつの間に寝てしまったらしい・・・以降は就寝中の発着時刻・・・黒磯(2:04-06)・白河(2:34)・郡山(3:09-11)・福島(3:54-4:00)・白石(4:40)・岩沼(5:03)・仙台(5:20-27)・塩釜(5:40)・小牛田(6:05)・石越(6:30)。目が覚めたら石越駅に停車中だったが4時間足らずしか寝ていないため、流石に眠いけど車内が昨夜より乗車率が増えていたのに驚き。仙台駅から早朝利用の乗客が乗ったのかも知れないけど立ち客は居ないので前席に脚を伸ばして寛いでいると宮城県から岩手県へ入り、花泉(6:38)に到着。

 

仙台~盛岡間は急行「八甲田」や急行「十和田」ではまだ寝ている時間ゆえ、この区間の車窓を夜行列車から眺める事は殆どないため、早朝に見る機会も極端に少なく、やけに新鮮に眺めていると、一ノ関駅(6:51-53)に到着した。2分停車を生かしてホームの自販機で缶コーヒーのチビ缶を買ってから車内で煙草を吸いながらまったり過ごす。一ノ関を定時で発車すると中尊寺毛越寺方面への乗り換え駅(駅からバスが出ている)でもある平泉(7:00)に停車して隣接駅でもある前沢(7:08)にも停車した。現在でこそ前沢牛というブランド牛の産地だけど当時はそんな牛は聞いた事がなかった。

 

終着駅の盛岡到着がちょうど1時間前を切ったくらいに急行「いわて3号」はホームに南部鉄器の風鈴が吊るしてあり、風が吹くと涼しげな音を奏でる水沢(7:18)に到着。南部鉄器の風鈴が独特の音に迎えられて、日本の音風景100選にも選ばれているけど、この夏限定の美風が現在も続けられているかは不明である。風鈴の音に見送られて水沢駅を発車するとこの旅で急行「いわて3号」ではなく、寝台特急「北星」を選びたい気持ちが多分にあったのだ。しかし乗車時間が7時間43分で当時はまだ20系の狭い52センチベッドに学生には大金だった寝台特急券を注ぎ込めなかった。

 

なんて考えながらも寝台特急「北星」は早期に断念して自由席の夜行急行になった訳であるが急行「いわて3号」の旅も新鮮であり、客車の夜行列車ばかり好む自分だけど冷房の有り難味を今更ながら感じた訳でもある。列車は北上(7:35)と花巻(7:47)に停車すると9時間弱の旅も終了で急行「いわて3号」は盛岡駅に定刻8:13に到着した。

 

因みに帰路は夜行列車を使わずに盛岡~仙台間を急行「もりおか」だったか急行「くりこま」の自由席を利用して安く上げて、仙台~上野間は特急「ひばり」を利用して節約した分を485系「ひばり」の食堂車で使った。

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★