夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

寝台特急 カートレイン北海道

下記本件ブログは2019年12月で消滅する弊yahooブログで2018年1月に紹介した内容を加筆修正して本ブログに再掲載となりますのでご承知願います(ブログ移行失敗による一部のブログ記事救済策)。特に印象に残った懐かしく、想い出深い夜行列車レポートを不定期で掲載しています。

 

1991年7月25日(木)、5月末くらいから嫁から北海道旅行を要望されていたが、夏は「北斗星」の指定券入手は困難だし、夏の北海道レンタカーや宿は高くて今まで避けていたのだが、家族サービスならそうも行かず悩んでいたら「カートレイン北海道」の話が、流れて来た。 車も運べて大人2名(子供は未就学児なので親とベッドを共にすれば無料)で片道54,340円だけと夏の割高道内レンタカーを現地で借りるより安くて時間的にも満足。

 

「カートレイン」の予約は主なJR旅行センターで6月15日(月)の13時から一斉に予約を取るのでこの日は知り合いが居て、並ぶ場所も勝手知ってる東京駅旅行センターに10時前から並んで往復同じBOX内でも下段を2枚取れたが車検証の内容を書き込んで書類を作るのに時間が掛かりすぎである(因みに7/26~7/29の夏休み4連休の前後に有給休暇を1日ずつ付けて6連休にした)。

 

寝台特急「カートレイン北海道」の乗車と車載は京浜東北線・山手線の浜松町駅の向かい
にある貨物線跡地に作った即席の浜松町カートレインなので、昼過ぎに妻子を乗せたカリーナで出発。思ったより早めに着いたけど早速車の状態や傷を確認したり、渡した切符と車検証の照合が終ると車を専用台座に載せてから、持ち込む荷物を出して待機。後は委託の日本通運スタッフに任せて横を通過する100系新幹線や東海道を往く電車を眺めていると14:09に回送8009レが入線。田端運転所のEF65-1011に牽かれた青森運転所の24系25形の電源車込み4両編成にワキ1000が9両が入線(編成はカニ24-114・オハネフ25-1・オハネ25-3 ・オハネ25-140)。

入線シーンを撮影して自分の車がフォークリフトでワキ1000に乗るのを確認して1号車に可動式みたいな階段状のタラップが、取り付けられて乗車して指定された3号車まで移動すると3号車はオハネフ25-1のトップナンバーだったが、寝台側の窓が広いのが有り難く、早速指定された5番~6番の下段に座るが発車までまだ1時間以上あるので時間を持て余してしまう。この列車は車内販売も飲み物自販機もないため、自宅から飲み物や缶ビール満載のクーラーBOXを持参したので3時のお茶を楽しんで息子と車内を見回る。 乗客がかなり集まっていよいよ15:48に寝台特急「カートレイン北海道」は貨物線・浜松町駅を発車した。

 

暫く新幹線の横を走って品川駅の手前からは新幹線と横須賀線の間を走り品川駅(15:58)
品鶴線で通過すると目黒川信号所を経由して、ホームが無い大崎駅構内から山手貨物線(現埼京線)を快走。大都会の新宿駅(16:11)や池袋駅(16:16)を通過して田端信号場から東北貨物線に合流して大宮駅(16:44)から東北本線に入り、「北斗星81号」「夢空間北斗星81号」とほぼ同じスジに乗って北を目指す。 嫁にとっては1986年「あけぼの1号」以来のB寝台、来月で5歳になる息子は始めてのB寝台なので二人ともはしゃいでおり、5・6番上段は誰も来なかったので梯子は畳んで車窓を楽しみながら家族団らんを過ごす。

 

浜松町駅を出て通過駅ばかりだったが、始めての停車駅となる宇都宮駅(17:44-45)に到着
するも乗務員交代の運転停車で扉は開かない。 時刻表には詳細時刻の掲載はないので鉄
道ダイヤ情報1991年8月号のレイルカレンダー記載の詳細時刻をコピーして持ち込み、車内で見ているのだが、夕食駅弁入手駅でもある黒磯駅(18:22-29)に到着。久々のドア扱いでホームに降りると2台の駅弁ワゴンが出ており、九尾釜めし・九尾寿し・高原肉めしを購入してから先頭に行くと専用マークを付けた青森東運転区のED75-150が、連結されるところだった。


当時としてはED75M形が優等列車を牽引する機会は少なく、況して寝台列車牽引は貴重である。黒磯駅発車後に夕食にしたが、稲荷寿しと海苔巻きが好きな息子には九尾寿しを、夫婦2人で九尾釜めしと高原肉めしを分けて食べて嫁と缶ビールで乾杯。 息子が残した九尾寿司の変わり寿しである、チーズ寿司とチャーシュー寿司は、私が頂きながら列車は白河駅周辺で日没時刻を迎えた。 寝台特急「カートレイン」の車内は夫婦やファミリー中心のため、なごやかで和気藹々といったところ。終着の白石駅まで所要約18時間なのでまだ先は長く、いつもの寝台特急とは違う時間の流れがあってロビーカーや食堂車もないオールB寝台だけど飽きる事なく家族で寝台列車の旅が味わえるのはいい。

 

列車は7割弱の乗車率で郡山駅(19:16-17)、福島駅(19:53-55)に乗務員交代の運転停車をして夜行列車らしくなるが子供を先に寝かしつけてから夫婦で雑談してしていると仙台駅(20:57-59)に運転停車した。 まだ早いけど周囲も静かになったので我々も寝ようかと相談して21時を過ぎてベッドに入ったが息子と一緒に寝る嫁は70㎝ベッドが狭そうだった。21時に寝るなんて滅多にない事だけど自分も夜汽車のリズムを聞きながら就寝・・・列車はこの先、盛岡駅(23:15-17)・青森信号所(1:49-58)に停車だけど夢の中だった様である。

 

目が覚めたら列車は江差線東久根別七重浜を走っており、牽引機であるED79の番号確認したくてもオハネフ25-1の前にカニ24が連結されて前方が見えないので戻って車窓を眺めていると江差線から函館本線に合流して五稜郭駅(4:14-48)に到着。本線を函館駅に向かう「北斗星1号」が4:19に通過、更に「トワイライトエクスプレス」が、4:29に隣に並ぶと今度は函館駅を発車した「北斗星1号」が、4:37に札幌へ向けて通過。 一瞬だけど3種の札幌方面に向かう寝台特急が、五稜郭駅で並び、早朝のドラマが垣間見れた訳である。

 

トワイライトエクスプレス」を牽引してきたED76-551が外されて代わりにDD51重連が連結されると発車準備完了。4:42に寝台特急「トワイライト・エクスプレス」が、発車すると我が「カートレイン北海道」も後を追うように五稜郭駅を4:48に発車したが、34分間の運転停車は実に有意義な時間であった。約20分ほどでまだ朝霧が立ち込める大沼国定公園の小沼や大沼湖畔を走り、駒ケ岳を越えると森駅から内浦湾(噴火湾)沿いに走り、6時を回ると息子が、起きて来たけど一緒に寝ていた嫁は爆睡中みたいだ。

 

あと10分で昨夜の黒磯駅以来となる扉が、開く停車駅の長万部駅に到着するが、時刻表には黒磯・長万部東室蘭は駅弁購入可能になっており、予約した時も東京駅旅行センターから同じ趣旨の案内を受けており、早朝6時台からホームで駅弁販売が、行われるのか半信半疑である(長万部駅での駅弁ホーム立売りはどんなに早くても「北斗星5号」からだ)。やがて長万部駅(6:30-42)に入線するとかにめし弁当の立売りが2人いて、早速かにめしを3折購入してホームを歩いていると「北斗星3号」が入線(6:35-37)してすぐに発車していった。

 

車内に戻ると嫁は起きており、朝食時間にはまだ早いけど暖かいのでせっかくなので内浦湾を見ながら頂く事にした。 「カートレイン北海道」は礼文~大岸~豊浦の景観な海沿いを走り、東室蘭駅(7:49-55)に入線、朝食駅弁購入駅のため、ドア扱いがあるので子供を連れて先頭へ行くと空知運転所のDD51-1052が「カートレインマーク」を付けていたので記念撮影する。 東室蘭駅を発車すると運転停車もなく、終着駅の白石駅までノンストップだ。特急停車駅である登別(8:10)・苫小牧(8:42)・千歳空港「現南千歳」(9:03)を見事に通過して千歳線を快調に飛ばすと上野幌駅から札幌市厚別区に入り、札幌圏内に突入。

 

車窓に野幌森林公園の北海道百年記念塔が見えて来ると終着駅が近い。 平和駅の手前で千歳線函館本線が合流すると左手にJR貨物・札幌機関区と貨物ヤードが広がり、「カートレイン北海道」は今にも停車しそうな速度で徐行して本線から一番手前の線(進行方向1番左側にある白石駅旅客ホームのない線路)に停車。 フォークリフトで車が乗った台が地面に降ろされないと車には近づけないので暫し待ってから下車して車に乗り込み北海道ドライブの開始である。「カートレイン北海道」の乗車レポートは終わりだが、札幌運転所への回送(回8022レ 白石10:57 苗穂11:02-04 札幌11:10-13 手稲11:29)が、撮影出来そうなので最寄の白石~苗穂で「北斗星5号」と「カートレイン北海道」の回8022レを撮影してから東へ向かった。

【参 考 資 料】
8009レ (五稜郭←浜松町) ←□[蟹][①][②][③>]+[ワキ1000×9B]
8009レ (五稜郭→白 石) [ワキ1000×9B]+[蟹][①][②][③>]凸→


上記1991年7月25日乗車の寝台特急「カートレイン北海道」編成向きを表した物である。


矢印は列車の向きを表し、□はEF65PF ED75 ED79を、凸はDD51を意味してる。

 

[③>]の>は3号車オハネフ25の車掌室がある切妻側の向き、 [蟹]は電源車のカニ24を表す。

 

        ★★★★★Memories of the night train★★★★★