夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

急行 出羽(キハ58系)

下記本件ブログは2019年12月で消滅する弊yahooブログで2019年7月に紹介した内容を加筆修正して本ブログに再掲載となりますのでご承知願います(ブログ移行失敗による一部のブログ記事救済策)。特に印象に残った懐かしく、想い出深い夜行列車レポートを不定期で掲載しています。

 

1976年12月21日(火曜日)、上野駅17番線ホームの急行「出羽」、6号車乗車位付近で「出羽」の入線を1人待っていた。 冬休みに入る前の試験休み期間中に唯一、電化区間を走る首都圏発着定期ディーゼル夜行列車急行「出羽」に乗りたいと北海道旅行から帰宅早々、時刻表でデスクプランを考えていたので実行に移すのは早かった。 下り「出羽」は1~3号車は上野→新庄、4~7号車は上野→酒田、8~12号車は上野→山形だが、11~12号車は臨時「ざおう」の運転状況で決まる運用なので1976年12月21日の急行「出羽」には当然連結され、よって酒田まで通して乗るなら自由席だと4・6・7号車しか選択肢がないのである。

 

今回の旅も同一学年のM君を誘ったけどM君は父方の実家がある秋田帰省でいち早くM君のみ12/25から東北旅行に行くからと断わられたので今回は自分1人で気ままに旅する予定。4・6・7号車の自由席があまり増えないまま、17番線で待機していると22:49に回送403Dが排気煙を上げて7号車のキハ58に乗り込む。 当時は定期列車として気動車が、上野駅に発着してたのは急行「出羽」と急行「おが1号」くらいだと思うが、この日の編成は①キハ58(指) ②キハ28 ③キハ58 ④キハ58 ⑤キロ28(G)キハ58 ⑥キハ58 ⑦キハ58 ⑧キハ58 ⑨キハ28 ⑩キハ58 ⑪キハ58 ⑫キハ58 (指=指定席、G=グリーン車)の堂々ロング12両編成。


早速車内に入って手頃なボックス席に荷物を置いて天井を見ると何と冷房がない。 調べてみると5号車のグリーン車以外は非冷房で夜行急行で冷房があったのは165系・169系・455系の電車と「新星」「天の川」「銀河」の20系(何れも1976年12月時点での東京圏発着・定期列車のみである。 車内の乗客も増えないまま23:04に発車してディーゼルエンジンを吹かしながら地平ホームから地上に出て、鶯谷駅を通過したが後ろから上野駅を23:05に発車した寝台特急ゆうづる7号(17レ)」が1分後を迫って来るので常磐線との分岐がある西日暮里までは健気に走って急行は必ず停まる赤羽駅は何故か通過した。

 

今は冬季だからいいけど夏に非冷房車で酒田まで9時間以上も乗り通す元気は無いと思う。大宮駅(23:30-31)に停車中にホームで待ってる人が、気になるけど一般の人にはパンタグフの有無とディーゼル排気煙の有無とか関係ないのだろうか? DMH17が奏でるディーゼルエンジンの音は電車ではないのだが、ホームに居た人でキハだと感じた人は僅かであろう。大宮駅を発車すると乗務していた山形車掌区と酒田車掌区の車掌が、挟み撃ちの切符拝見を初めてかなりの増収になったみたいだ。 小山(0:18-20)・宇都宮(0:47-49)に停車すると眠さも限界で早々寝てしまった。(以降は停車駅の着発時分)

 

西那須野駅(1:28-28)・黒磯駅(1:44-46)・郡山駅(2:48-55)・福島駅(3:37-40)・米沢(4:44-46)・赤湯(5:00)・上山(5:12)・山形(5:29-41)・天童(5:54)・神町(6:00)・楯岡(6:09)・大石田(6:22)。 1BOX占領してエビの様に身体を曲げて朝まで爆睡して新庄駅の手前で目が覚めたら18分停車する新庄駅(6:43-7:01)に到着した。長い停車時間でホームを歩くと8号車から12号車は既に編成に無く、前よりの3両(1・2・3号車)も新庄駅で切り離し作業中で新庄より先は4両編成になるが、随分短くなった物である。新庄駅停車中に夜も明けて7:01に新庄を発車すると奥羽線とは円を書くように離れて陸羽西線に入り込む。

 

升形駅から最上川の支流となる升形川(鯉川最上川)が近付き、羽前前波駅の先から山
深い感じになってそれに次いで降雪量も増えてきた。 古口駅からは最上川に沿って走るが、時間が早いため、奥の細道最上川ラインを行く、観光川下り・川登りの舟は見れなかったけど古口~清川間では最上川のダイナミックな川の流れを楽しむ事ができた。清川と狩川の中間点で陸羽西線から最上川が、大きく離れて狩川駅(7:43)に到着して上り列車と交換したような記憶が、あるけど曖昧なので先に飛ばして南野~余目間で羽越線と合流すると余目駅(7:53-54)に入線。 ここからは終点酒田駅まで架線下を飛ばして8:06に酒田駅到着。

9時間2分の旅だったけど車内は空いてて、全区間ワンボックス貸切状態だったので快適なディーゼル夜行列車の旅だったけど機関車が牽引する客車でなくてエンジン唸りながら走る気動車夜行列車も味わいがあっていいなと思った。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★