夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

普通 はやたま(924列車)

1981年1月24日(金曜日)、前夜の寝台特急紀伊」で始めての和歌山へ来た自分は南近畿ワイド周遊券にて、和歌山線や関西線などを走破して、天王寺駅行き止り式の阪和線ホームで普通「はやたま」に乗り換えるのだがホームに乗車口案内などはなく、ホームの端に「23:00」と書かれているだけだった。適当な場所で待っていると、上野駅地平ホームみたいに機関車が後押しする推進運転で924列車が、入線して停止したら旧客なので早速乗車、一番旧客らしいオハフ33の真ん中を陣取る。車内壁面や窓枠が木目調で塗布されたニスの匂いがする木が持つ特有な落ち着いた雰囲気に、ニスの光沢感が独特の空間を作って、如何にも夜行列車、いや夜汽車って感じがした。

 

天王寺始発の紀勢線夜行は普通「はやたま」以外に夜行急行「きのくに22号」新宮行きもあるので、分散されるのか座席車は空いていたが、発車直前に帰宅するサラリーマンも乗り込んで、そこそこの乗車率だが、23:00ジャストに924列車を牽引するEF58-39号機のホイッスルと共に鈍行夜行「はやたま」は発車した。 阪和線を快走して和歌山駅(23:54-0:06)に到着すると、帰宅組みのサラリーマンは下車して自分もホーム降りる。和歌山駅ではDD13に牽かれて和歌山市駅から到着した、4924列車の旧客1両(和歌山駅22:46到着)が924列車「はやたま」本編成に連結して0:06に和歌山駅を発車。

 

和歌山からは普通列車でも宮前・黒江・紀伊内原の駅を除き、小まめに停車するが一部の停車時刻は以下参照の事。紀三井寺(0:12)・海南(0:19)・加茂郷(0:27)・下津(0:31)・初島(0:36)・箕島(0:40)・紀伊宮原(0:45)・藤並(0:50)・湯浅(0:55)・紀伊由良(1:05)・御坊(1:14-14)。御坊駅から周参見駅までは快速運転に切り換るが、車内は減光されずに朝まで走るようである。御坊から先は一部区間は寝ていた様であまり記憶はないけど車内は釣り人と旅行客に鉄道ファンと分かるような乗客が、殆どだけど御坊からは1ボックス平均1~2名くらいの乗車率で青春18きっぷが、登場する前だからこの程度なのか?。

 

快速区間を快調に飛ばして印南(1:32)に停車して岩代~南部間で下り「はやたま」921列車らしき列車とすれ違ったが、光跡とすれ違っただけで詳細は不明だが、この時間帯に下り列車の設定はなく、先頭車のライトが一灯大型ライトなのでEF58だと判断しただけである。後日談だが、先ほど通過した岩代駅はシンガー・ソングライター谷山浩子さんの「テングサの歌」の舞台だそうだ。南部(1:48)に停車すると紀勢本線・電化区間の中間となる15分停車の紀伊田辺駅(1:57-2:12)で、この列車を牽引しているEF58-39を見物しに行くと39号機は上越越えするようなヒサシが、付いたEF58みたいで、精悍なマスクが格好よかった。

 

何を隠そう当時は乗る専門(今で言う乗り鉄)だったけど、EF58とDD51は大好きな機関車でもある。2:12に紀伊田辺を発車してから自分も就寝したが目が覚めたのは新宮駅
到着の放送であった。以下は就寝時間中の通常停車駅と時刻・・・白浜(2:25-27)・周参見(2:52)・見老津(3:04)・江住(3:10)・和深(3:18)・田並(3:27)・紀伊有田(3:31)・串本(3:39-52)・古座(4:02-02)・紀伊田原(4:11)・紀伊浦神(4:18)・下里(4:25)・太地(4:28-28)・湯川(4:33)・紀伊勝浦(4:37-40)・紀伊天満(4:43)・那智(4:46-46)・宇久井(4:53)・紀伊佐野(4:57)・三輪崎(5:01)。

 

外はまだ真っ暗で夜の続きだけど新宮到着の車内放送で目が覚めると普通「はやたま」は新宮駅に差し掛かる幾つものポイントを渡って定刻5:07に新宮駅へ到着した。新宮駅では30分以上停車するため、1番線ホームの立ち食いで早朝営業のうどんを食べてから924列車に戻るとB寝台車の10系は編成から外され、座席車には清掃員が乗り込んでここから紀勢線非電化区間の上り始発列車となる。先頭の牽引機であるEF58-39の姿は無く、代わりにDD51-770が連結されてSG(steam Generator=蒸気発生装置)の蒸気が客車から漏れて、やっぱり旧客の暖房ではこうでなくっちゃね。

 

ここからは鈍行夜行「はやたま」ではなくて始発列車の924列車なので夜行列車の部類から外れるので簡単にレポート。朝焼けの熊野灘の海岸と磯を見ながら車窓を堪能するが尾鷲駅の手前から通勤・通学客が乗り込んで車内は混雑するけどローカル列車なのでノンビリしている。 自分は多気鳥羽線他を走破するために下車したので924列車の旅もここまでとなる。

          ★★★★★Memories of the night train★★★★★