夜行列車の想い出

現在ではサンライズ以外廃止になった定期夜行列車だけど過去の夜行列車・想い出乗車レポートと夜行列車に纏わる懐かしい夜行列車ブログです(1975年以降から)

急行 のりくら9号(キハ58系)

下記本件ブログは2019年12月で消滅する弊yahooブログで2013年3月に紹介した内容を加筆修正して本ブログに再掲載となりますのでご承知願います(ブログ移行失敗による一部のブログ記事救済策)。特に印象に残った懐かしい想い出のある夜行列車レポートを不定期で掲載しています。

 

1980年9月下旬だと記憶する、名古屋から高山線経由で金沢結んでた急行夜行「のりくら9号」が金沢から七尾線経由で穴水まで延長され、更に穴水から能登線の宇出津まで延長運転されるため、これは乗りに行くべきだと判断して、東海道線普通列車・乗り継ぎ(貧乏学生に新幹線など贅沢{苦笑})で名古屋に向かった。 昔の名古屋駅の乗換え地下道は薄暗く、モニターTVみたいな乗換え案内が意味不明だったけどホームに辿り着いた。 急行「のりくら9号」は早めに入線していたが、荷物車のキユニ26新聞輸送(名古屋発行の翌日の朝刊輸送)が使命だと当時の鉄道ジャーナル誌・1980年7月号、ドキュメント列車ルポ「新聞輸送のりくら9号」に書いてあったのを覚えていた。

 

自分が乗車した日は所定の急行「のりくら9号(707D)」の名古屋⇒富山間に、富山地鉄乗入で、立山行臨時急行「むろどう号」(富山4:45⇒立山5:40)を併結して、編成がめちゃくちゃ長くて深夜の高山線を行くローカル線・気動車の夜行列車には見えませんでした。 4号車のキハ58に乗車したが、当時は大学4年生でシーズンオフの平日に行ったため、車内はとても空いていました。名古屋を23:50に発車した臨時夜行急行「むろどう号」併結した「のりくら9号」は尾張一宮(0:04)・岐阜(0:15-22)と停車して岐阜から高山線に入るので進行方向が変わるけど1ボックス占領なので座る位置だけ変えて真っ暗な車窓を眺める。

 

考えてみれば気動車(キハ)の夜行列車は始めてであり、ディーゼル音で寝れないのではと心配したけどスハフ12と同じで余り気にならず、杞憂に終りました。美濃太田手前で寝てしまい、(途中駅時刻・飛騨金山(1:33)・下呂(1:56-57)・飛騨萩原(2:08)・飛騨小坂(2:22)・高山(2:54-3:01)・飛騨古川(3:19))途中は完全に夢の中で猪谷(3:58-4:00)で目醒めます。猪谷駅といえば1978年に出版された宮脇俊三著の「時刻表2万キロ」の第一章のくだりを思い出す(猪谷駅から富山県に入る、因みに猪谷駅は富山県最南端の駅)。越中おわら風の盆で有名な越中八尾(4:19)を発車すると神通川を渡り、富山駅(4:36-41)に停車した。

 

ここで立山行臨時急行「むろどう号」を切り離し、身軽になって4:41、進行方向を変えて富山駅を発車・・・定期夜行列車が3回も進行方向を変えるのは珍らしいかも知れない。富山駅から北陸線に入り、交流架線下をゆくディーゼル・夜行急行「のりくら9号」は高岡駅(4:55-56)に停車して定期急行「のりくら9号」が終点の金沢駅(5:27-34)に到着した。7分間の停車時間で乗客が入れ替わるが、金沢駅からは季節臨急行「のりくら9号」(6707D)に変わって3回目の進行方向を変えて5:34、金沢駅を発車。先ほど通った線路をまた戻り、津幡駅(5:44-44)を発車すると七尾線に入線する。

 

横山駅南羽咋駅周辺では遠くに待望の日本海が見えて来ると羽咋駅(6:14)や七尾(6:36-38)に停車して和倉温泉最寄り駅でもある和倉駅(現・和倉温泉駅)(6:42-44)に到着。和倉駅を発車すると今度は車窓右手に七尾西湾のビーチが見えて、西岸駅からは更に能登の海岸が、近付き、能登鹿島~穴水で海に設置された「ボラ待ち櫓」が、見えたら穴水駅(7:14-20)に到着。穴水から終着駅の宇出津までは能登線を走る訳だが、穴水駅の6分停車は朝食の駅弁調達時間として有意義に使わせてもらい、美味そうな魚介類他などが入った駅弁の朝市弁当を入手。

 

穴水駅まで季節臨急行「のりくら9号」(6707D)で走ってきたがこの先は終着、宇出津駅まで普通列車423Dで運転されるが、中途半端で珠洲蛸島まで運転してもらいたいものである。この先進む能登線は穴水から蛸島まで61.1km、各駅停車では2時間30分から3時間を要するローカル線で、利用客減少による赤字により、1987年に第三セクターのと鉄道」が設立され、1988年に「のと鉄道能登線」として開業したが2005年4月1日付で廃止に至った悲しく、残念な赤字ローカル線だ。お腹もペコペコなので発車前から朝市弁当に箸を使っていると急行「のりくら9号」くずれの423Dは穴水駅を7:20に発車。

 

穴水駅を発車すると能登線に乗り入れて仲居(7:27)・比良(7:31)・鹿波(7:35)・甲(7:41)と停車すると甲駅を出てすぐに富山湾の海が見えてきた。海水浴シーズンのみ営業する立戸の浜仮乗降場(1988年3月に常設駅の沖波駅へ変更)を通過。国鉄能登線に沿う内浦は海岸線も穏やかな砂浜が多く、夏には関西方面からも大勢の海水浴客が押しかけるらしい。矢波(8:00)・波並(8:04)・藤波(8:08)と海水浴には絶好の海岸を走り、停車していくと急行「のりくら9号」くずれの423Dは終着駅の宇出津へ定刻8:12に到着した。

 

区間で約8時間の夜行列車の旅だったけど平日のため、列車は終始空いていた気動車の夜汽車は新鮮であった。

         ★★★★★Memories of the night train★★★★★